第四


部活が終わると、後片付けは、下級生に任せ、三年生は、帰宅した。

帰り途中、幼稚園の頃からの幼なじみの美歌が、「なんだか、もうじき、この道も通らなくなるんだよね」と、しょぼけて言った。

心優には、しょぼける意味があまりわからなかった。

「通りたい時に、通ればいいじゃん。」と、単純に応えると、美歌は、「あーもう。心優は、鈍感なんだから」と、半ば怒っているような態度をとっても、心優は、よくわからなかった。

「あ、そういや今日、、、」

「なあに?」と、美歌が聞き返すと

「ん、、いや、別にいいか、、」

と、話をやめると、美歌は何か気になり、「なあに?なあに?どうしたの?」と聞き返しても、もう心優は、話す気がなくなっていた。

美歌と分かれた心優は、「やっぱ話せば良かったのかな?、、、」と、少し後悔した。

自宅に帰ると、無意識に、ばーちゃんのお仏壇の前に行き、「ばーちゃん、」と、声をかけていた。

それを目撃した母は、「どうしたの⁈何かあったの?風邪引いたの⁈」と、驚いて、聞いていた。

心優は、「なんか、なきゃ、ダメ?」と、真顔で応えると、母は、「やっぱ風邪引いたのよ!春一!薬箱持ってきて、あ、あと水もっ。」

ドタバタする家族に、心優は、「そんなにすごいことなのか⁈」と、母のなすがままになっていた。

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