9

 六道先生は玄関先で目を剥いたが、なにも言わずに入れてくれた。

 私は洗面所で血を水で洗い流し、スッキリした気分で借りた服に袖を通した。家には遅くなることを伝えてある。六道先生が、学校専属のカウンセラーという肩書きも含め、一言添えてくれたおかげだ。でも交通事故を目の当たりにしてショックを受けたようだからすこし休ませてからタクシーで送るなんて、よく言うよ。

 居間に戻ると、遠藤と乾が新聞紙に広げられている衣類や靴を覗きこんでいた。ふたりの間から、先生が立ちあがる。

「これでいい」

「すげえ。洗剤のCMを生で見ちまった感じ」

「せめて、お清めと言え」

 目を輝かせて言う遠藤を先生が叩いた横から、清められたモノを手に取ってみた。あれほど制服を染めた赤い色は一切なく、背中の埃とコンクリですり切れてた部分はしっかり残っている。新しい制服を買わないとまずいかな。しばらくはシェパードを見たら逃げだしちゃいそう。

「道路に血がいっぱい流れてたんだけど、朝になったら大騒ぎしない?」

「大丈夫だ。妖怪とか魔物の血は、一般人には見えん。傷つけた奴への恨みが、血になってこびりつくようなもので、そいつに関わった者じゃないと見えない。地面とか物に付いたモノは時間が経てば消える」

「そうなんだ」

「直接手を下した奴の身体についた血は、自然に消えるまで一年はかかるはずだ。でもそれじゃあ見える側には困る。そこで、清める。恨みを成仏させるんだ。経をあげてもいいし、酒や真水で流せば落ちる。服は洗濯すると乾かすのが面倒だから、読経したまでだ」

 遠藤が興味津々とでもいうように、身を乗り出す。

「じゃあ吉備は酒かぶってんのか。弱いヤツじゃ匂いでも倒れるのに、大丈夫かよ」

「いや。真水をかぶっているはずだ。いちいち酒をかぶっても金がかかるし、においもつくからな」

 ミルクティーで胃をあたためながら、私たちは、貴子のことから今しがたあったことまで説明した。先生は貴子の話に緊張するも安堵し、人面犬の瞳に目を険しくさせ、会長のようすに眉を曇らせた。

 会長は肌の色がわからないほど血にまみれていた。玄関先で六道先生を見るなり一言、すみませんとだけ弱々しく言った。先生はうなずくと彼を風呂場に案内したのが数分前。

「大変だったな。珠を渡しておいてよかった」

 話を聞き終わった先生は、大きく息を吐いた。

「お前らが動けなかったのは、ただ驚いただけなんだろうな。無理もない、生きていたものが殺される場面を見たんだから。それに、全身血だらけの人間ってのはそれだけ脅威だからな。でも吉備もそんなつもりで血をかぶったわけじゃないことは、わかってやれ」

 それに、と先生は言葉をつなぐ。

「あのようすじゃ、吉備自身も驚いたんだろうな。もしかしたら、実家であったことを思いだしたのかもしれない。まあ、出てきたら茶と食べ物でもすすめて、あとはそっとしといてやれ」

 私は目線をおとしたままうなずいた。

 気づくと、乾が机に置かれているナイフをじっと見つめていた。鞘に収められて安全とはいえ、凶器独特の雰囲気を放っている。

「乾はこれについてなにか知ってそうだな」

 乾は六道先生をちらりと見る。

「まだ持っていたのかと思ったもので」

「吉備は以前も持っていたのか」

「かもしれません」

「詳しく教えてくれないか。なに、ここにいるヤツは誰にも言わない」

 私と遠藤は先生の後ろで一緒にうなずいた。乾はやれやれと息をついた。

「入学して間もない頃に、学校で」

 乾は真面目な気質のせいもあり、昔から友達づきあいというものがわからなかった。しかし本人は特に気に留めず、入学して間もない高校でも自然と孤立しても、どうとも思っていなかった。ふと自分と同様に校内で孤立している者が目に入った。それが吉備たずなだった。彼の孤立する理由は聞こえてくる会話で知っていたが、だからといって交流しようとは思わなかった。自分は孤独でも平気だったからだ。

 ある日、三年に屋上へ呼び出された。幼い時から空手で鍛えていた乾にとって敵ではなかったが、複数の相手に一斉に飛びかかられ、さすがに倒れてしまう。その彼らが去り際、ほかの生徒がいたのだろう、誰かに罵声を浴びせているのが聞こえた。見るな死ね、そこから飛んでみろ、そんなことを笑いながら、彼らはいなくなった。

 ほどなくして身を起こそうとすると、誰かが手を伸ばして声をかけてきた。吉備たずなだった。見ていたのかと聞くと、屋上の給水塔にたまたまいたらしい。助けを呼ぶかどうか迷っていたそうだ。

「死ねって言われたけど、やっぱり僕は死んだほうがいいのかな」

 どこか冗談めいた口調に、乾はそっけなく答えた。

「好きにしたらいい」

「そうだね」

 自分はもうすこし風に当たりたいからと言うので、乾は先に階段へ向かった。

 数段降りたところで嫌な予感がして、急いで戻った。

 屋上の隅で彼が今まさに喉をナイフで突き刺そうとしたのが見えた。

 乾は背中から右手で手首を捉え、同時に首に左腕を回した。切っ先は乾の腕をわずかに傷つけただけで済んだ。以来、乾は吉備たずなの側にいる。

 六道先生はためいきをつき。私と遠藤も目を伏せたまま聞いていた。

「その後、また同じ事がないとも限らない。だから」

「乾が常に会長を見張ってるってわけね」

 つないだ言葉に乾がうなずく。

「あの方は二度と使わないと言っていたが、持ち歩いているとは思わなかった。俺も不甲斐ないな」

 自嘲に遠藤が尋ねる。

「おい。あいつ本当に給水塔にいたのか」

「そう言っていた」

「そっか。オレさ、落ち込んでた吉備をそこに連れてったことあったんだよ。気晴らしにさ。でもそんなことになってたなら、なんか悪いことしたな」

「なにがだ」

「教えなかったら、吉備もそんなことにならなかったんじゃねえかなって」

「気にするな。気になるなら、あの方の支えとなれるよう、より精進すればいい」

 遠藤は苦さの混じった笑みを浮かべて、そうだなとうなずいた。

「乾。ついでにもうひとつ聞いていいか」

「なんだ」

「お前、なんで吉備に敬語なのよ?」

「私も聞きたかった!」

 私に並んで、先生も身を乗り出す。乾は怪訝顔をつくった。

「……わからん」

 わからない答えに遠藤が聞き直す。

「なにがだよ」

「どう扱えばいいのかわからない。あの方を呼ぶ名も態度もどうしたらいいか……」

「それなら気にすんなよ。会長って言うのはあだ名だけどさ、あの方ってのはちょっと問題ありだろ。わかんねえなら、オレみたく吉備って呼んでやれよ。友達なんだろ」

「友と呼ぶには俺では力不足だ。あの時気づけなかった。俺はあの方の友にはなれない」

「なんか違う気がするんだけどなあ」

 真面目な乾に首をかしげる私たちの横で、先生は、こりゃ直らないなと笑った。

「会長!」

 乾がうれしそうに声をあげたので、私もドアに目をやる。

「お借りしました」

「長かったな。五分どころか十五分は経ってるぞ。冷えただろう、こっちに来い」

 会長が戻ってきた。借りたパジャマに身を包み、私の隣に腰を下ろして一息つく。真水がすべてを洗い流したようで、しっかりと意志を持った目をしていた。紫色の唇で震えながらも、家主に礼を述べる。先生は、あまり気にするなと笑った。

「はい。熱いよ」

 私が紅茶を差し出すと、彼は照れくさそうに受け取る。

「ありがと、取井」

 遠藤もスコーンを出してくる。

「これも食え」

「いただく」

 会長はうれしそうに一口かじる。

 いつものやりとりが出来ている。それを肌で感じながら、私はなんだか嬉しかった。

 身体のふるえがおさまったころ、先生がナイフを手前に置いた。会長は怯える事もなく、一礼して受け取ると、確認するように刃を見てから鞘に納めた。

「……皆に話したいことがあるんだ。先生にも聞いてほしいんです。いいでしょうか」

 固い声にただならぬ雰囲気を察知し、役員全員は座り直し、先生も会長の手前に腰を下ろした。彼は真剣な表情でひとりひとり見つめたあと、最後にもう一度、六道先生を見る。

「先生。鬼に憑かれたらどうなるか、もう一度教えてくれませんか」

「豹変する。前触れもない。それこそ、鬼の形相で周囲の人間に食らいつく。何回か憑かれている人間を見たが、悲惨としか言えんな。……まさか」

「じゃあ……父がそうだと思います」

 空気がぴんと張りつめる。

「ずっと誰かに話したかったんです。ウチで、あったこと」

 会長は、安堵と疲労の混ざった表情で大きく息を吐くと、彼の家で起こった殺人事件の真相を淡々と話し始めた。

 それはまさしく地獄だった。


 あの日のことは飽きるほど夢に見てるから、よく覚えてるんです。

  土曜日でした。父が単身赴任先から帰ってきた日だったから。毎週土日は帰ってきて、また月曜の朝戻ってた。その日もいつものように帰ってきて、みんなで夕ご飯食べて。本当に、それまではいつものウチだったんです。

 僕は食べたら二階にあがってました。和馬と……弟と一緒の部屋で、あいつがテレビ見てる時間だけが自分だけの部屋になったから。ナイフ出してみたりしてたんです。

 これ、父から誕生祝いとして買ってもらった物で、もらったときはすごくうれしかったんです。父はアーミーのカタログをたくさん持ってて、僕もそれ見るの好きだったんだ。その中にこのナイフがあって、なんか、すごく欲しくなって。……うん。すごい親だよね。僕もそう思う。先生が言ってたけど、持っちゃいけない物だと自分でも思ってます。

 ああ、もちろんこれでなにするってわけじゃないよ。持ってみたかっただけ。日本では売ってないし、なんかすごく格好良いから。うん、遠藤もそう思うだろ。いいよね。もらった時の約束で、弟には内緒だっていう事もあったから、だから完全にひとりになる時間に出して見てた。いいよ、遠藤。持ってみる? ……重いだろ。しっかり持っていれば平気だよ。これ、紙とか気持ちよく切れるんだよね。紙しか切ったことないけど。うん、ケースのそのスナップを留めて。そ。これで出てこない仕組みになってるんだ。ん、ありがと。

 ナイフは亨も知らないはず。弟や友達には見せたり触らせないっていう約束だったから。ちゃんと守ってたよ。危ないもんね。部屋からも出したことなかった。

 あの日の夜も、部屋でこれを見てたんだ。

 その時、ベランダが乱暴に閉まった音を聞いて、あれって思ったんだ。父が閉めたことはわかっていたんだけど、いつもと違って力任せに、ばあんって閉めたからちょっと驚いた。部屋の真下だからかなり大きく聞こえたしね。

 はい、そうです。父は食後いつも庭でタバコ喫ってたんです。二,三本喫ったら中に入ってたんだけど、そんな風に閉めることなかったから、驚いて。それにあまり怒らない親だったし。単身赴任のせいもあるのかも。よほど母さん、母のほうがボクにゲンコ張ってましたよ。もちろん夫婦喧嘩なんてなかったし。だから、なんだ? って思ったんだ。

 それでね……そのあと、母の声がして。いや、違うか。違うな。ええと。うん、いい、大丈夫だよ、取井。僕が話したいんだから話すんだ。大丈夫。最後まで言わせて。うん、ありがと。ベランダが閉まって、それで今度はガシャーンってなにか割れたりゴトンって倒れたり、いろんな音がしたんだ。始めは夫婦喧嘩かと思ったんだ。まさかウチで起こると思わなかったからすごく驚いた。

 だけどそのあとすぐに母さん……母の悲鳴が……叫んで……逃げなさいって。だから今度は泥棒かと思ったんだ。それで急いで下に降りていったんだけど……。行ったら全部ぐちゃぐちゃになってた。家中真っ赤で、全部壊れてたんだ。見たら、ちょうど母が父に頭を壁に……潰……。

 ……ごめん。大丈夫だよ、乾。大丈夫。言わせて。それでね。僕の目の前に和馬がいたんだ。泣いて僕を呼んでた……。僕も助けなきゃって思ったのに、なぜか足が動かなくて。そのまま目の前で、父に……取井みたく首絞められて。あっという間だったよ。

 それでね。父が和馬を食べはじめたんだ。そうなったらもう怖いとかじゃない。ただびっくりだよ。なにが起こってるのかわからなくなった感じ。僕、ずっと、和馬が食べられてくのを見てた。目が離せなかったんだ。そして父が顔をあげたら、目が金色になっていたんだ。

 だからこれは父じゃないってわかった。だけどそれしかわからなかった。先生からあれが鬼だって聞いたとき、そうなんだってすぐ納得したよ。本当に、あれは鬼だ。

 和馬を食べたあと、父さんが……父が、あの目で僕を見て笑ったんだ。僕はそこでやっと、二階に逃げた。だけど追いつめられちゃってね。やばいって思ったとき、ナイフが出しっぱなしだったのに気づいて、取った。

 もう、夢中だったよ。無我夢中で刺した。だって、刺しても倒れないんだ。何回刺しても、にやにや笑って近づいてくる。本当に怖かった。

 もうだめだと思ったとき、頭をつかまれたんだ。両手でこうはさんで、顔を近づけてきてね。鼻くっついたかもしれない。あの金の目でじっと僕の目を見つめてくるんだ。そしたらめまいがしたんだ。頭の中まで金色になっちゃったような……それで、その、なんていうのかな。すごく気持ちがよかったんだ。ぬるま湯に浮かんでるみたいな、こう、ふわあって。

 その時、高西さんが飛び込んできたんだ。警察官で、このあといろいろお世話になった人なんだけどね。父は僕を離して、窓ガラス割って飛び降りて、出て行って、それきり……。高西さんに言われるまで気づかなかったんだけど、ここに来た時よりも血だらけだったんだ。顔から足まで真っ赤でさ。血が全部父のものかと思うと……どう言ったらいいか……。

 それからの事はあまりよく覚えてない。病院にいたのは覚えてるんだけど。母と弟の葬式にも列席したって言われたけど、それもよく思い出せないんだ。遺影を見てもしばらくぴんと来なかったなあ。そういえば死んだんだっけ……ってね。父は家から二キロくらい離れた所で倒れて死んでたって、高西さんから聞きました。僕は遺体の確認をしていないから、いまいち信じられないんだけど……。

 はい。今は叔父さんの家にお世話になっています。亨もいるし。あ、先生は知らないかな。佐々木亨っていって、副会長してるんですけど。そうそう、あの丸いの。亨は僕の幼なじみなんですよ。中学の時に引っ越してすごく心配してくれて……亨がいないと、今頃どうなっていたかな。生徒会も亨の勧めで始めたようなもんだし。もちろん今の学校でもいろいろあったけど、去年のことは細かく思い出せないね。まだ混乱していたのかも。乾や遠藤にも助けられたんだよ。

 今まで黙ってて本当にごめん。本当は警察にも言ったんだけど、高西さん以外は信じてもらえなくて、いろいろ言われてきたから……一生誰にも言わずにいるつもりだったんだ。担当医のいう通り、幻覚だって思いこんでおこうともしたんだけど、そうしたら和馬に悪く思えて……つらかった。

 ここで話せてよかった。聞いてくれてありがとう。やっと、スッキリした。


 会長は口を閉じてうつむいた。横顔はとても静かに見えた。

 私は口をきつく結んで泣くのをこらえ、乾は腕を組んで目を伏せ、遠藤はうつむいたまま指が白くなるほど膝を握っている。六道先生だけがまっすぐに彼を見ていた。

 同情してはいけない。かわいそうなんて一言で片づけられる簡単な話じゃない。誰にも一切語らなかったであろう真実を、彼はひとりで胸に抱え、生きてきたのだ。家族の本当の死因すら言えず、言ったところで失笑を買うのは目に見えている。彼がひとりで耐えながら過ごしてきた数年を考えるだけで、胸がつまる。

 先生が緊張を解くように、おおきく息を吐いた。

「まず、お悔やみ申し上げる。話すのはつらかっただろう」

「ありがとうございます。大丈夫です。やっと楽になれた感じ」

 落ち着いたようすの会長に、先生は、強がるなよと大人の顔で言った。

「大体の流れはわかった。親父さんは確実に鬼憑きだ。いつ憑かれたのかわからんが、目の色が証拠だな。周囲の人間に襲いかかり、さらに怪力と食肉。鬼憑き以外考えられん。なぐさめになるかどうかわからんが、憑かれた瞬間に親父さんは死んでいる。だから家族に手をかけた記憶はないままで亡くなったはずだ」

 そうですか、と会長はほっとしたようにうなずいた。

「目を覗きこむのは魂を移す時だけだ。吉備を見て判断したのか、身体が使い物にならなくなってきたのか、とにかくお前に憑こうとしたんだな。それが第三者に邪魔されてやむなく撤退といったところか。これが、運がいいってとこだ」

 私は心からうなずいた。鬼に憑かれた彼など想像したくもない。

 先生は指でテーブルを弾く。

「ここからが問題だ。一度とり憑こうとした身体は、鬼にとってすでに居心地良い状態になっている可能性がある。これはあくまで俺の推理だがな」

 先生は一呼吸おいて話しだした。

「西川アキに憑いた鬼の動きは特殊すぎる。普通はそばにいる存在に憑くんだが、一人だけに何度も突進してくるなんて聞いたことがない。もしこれが当たりならかなり危険だ。鬼すべてが吉備を狙って押しかけてくることだからな。お前、のんきにしていられないぞ。今回のようにでかい魔物を使ってきたなら、鬼はかなり焦っている。今度会ったら、まっすぐ憑きにかかるだろう」

 うなずく会長の鼻先に、六道先生は指を突きつける。

「つまり、次にヤツと向かった時こそ、一瞬で決まるだろう。お前が憑かれるか、こっちが消すか……どうしたものか」

 いきなり先生はそのまま腕を組んで黙り込んだ。眉間に深くシワを寄せている。声をかければちらりと見返すだけで、頭を抱えて息をつく。

 一体なんなんだろう。私たちは先生のようすに落ち着かない気分で続きを待っていた。

 冷えた紅茶を淹れ直そうかと思った頃。

「よし、決めた!」

 先生がいきなり大声を張り上げたので、生徒会四人は飛びあがる。

「吉備。鬼を討ちたいと言っていたな。じゃあナイフに細工してやるから、それを使って鬼を消せ。自力で自分を護るんだ。大型の魔物を倒したお前だ、できるかもしれない。それと、お前ら三人にもイイモノをやる。良かったな、遠藤。希望している武器だ。いいか、三人で生徒会長を手伝え。半人前一人よりは四人束になったほうがいい。言っておくが、下手な事をやらかした時は魔物に食わせるからな」

 私は心がはずんだ。会長の危機にフォローできるポジション、それはまさしく、私の望む形だった。

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