第14話 帰路

〜 帰宅路 電車内 〜


ガタンゴトン ガタンゴトン


女先輩「……男くん」

男「なんですか、先輩」

女先輩「その、今日言ったことは本当に忘れてくれよ? 私も徹底的に記憶喪失になるからさ」

男「も、もちろんですよ。何なら次の瞬間にはいつも通りですからね。僕の記憶は80分しか保たないんです」

女先輩「……さながら頭の中に80分のビデオテープが一本だけセットされているみたいに?」

男「ええまあ。……なんちゃって」

女先輩「良いね。そういうところが益々良い」

男「恐悦至極」

女先輩「はーあ、今日は散々な放課後だった。あ、そうそう」

男「?」

女先輩「先ほど言ったことは後日改めて告白するから楽しみに待っていてくれたまえ」

男「先ほど言ったこと……? え? こ、告白ってまさか」

女先輩「じゃ、私はこの駅だから。それじゃあねー」ヒラヒラ

男「ちょ、先輩……」

男「…………」

男「えええええええー……」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る