第6話 階層
フィーア。金髪ツインテールの18歳、女法術士。幼い頃に両親を殺され、自らも不死の身体となる。神聖教会に引き取られ、異世界からの兵器召喚能力に目覚め退魔法術士として戦功をあげ部隊長となった。また、他者の怪我を自らの肉体に転移させる治癒法術を持ち、人々に聖女と称される。
簡単なサンドイッチとコーヒーが置かれるとエリカはカップに口をつけ、一呼吸おいてから話を始めた。
「魔界は人界と違って横には広がっておらず、縦に五段階の階層となって存在するわ。今いる場所が人界に近い、言わば一番浅い第一階層。見ての通り、人界からさらわれたり迷い込んだりした人間もなんとか生き残れる程度に治安は良い方よ」
「まあ・・・共存したいとはあんまし思えねえけどな・・・」
戒流はポチと交互にサンドイッチを口にする。
「住めば都と昔の人は言ったものね」
フィーアはドボドボとコーヒーにミルクと砂糖をぶちこみ、満足げにすすった。
「話を戻すと、下の階層に行くにつれて好戦的なヤツらが増えていくってことね。そして、その階層を下るのには私たち人間はゲートと呼ばれるトンネルを通る以外にないの」
「要はそれを探して下の階層に進んでいけばそれぞれの目的が達成できるってことね」
フィーアはツインテールを指でくりくりと巻きながらサンドイッチに口をつける。
「そういうことよ。ただし、ゲートを開くには通行証のようなものが必要になる。それをもつ夜族も見つけて奪取しなくてはならないわ」
「ま、ラクはさせてもらえねえわけだな。覚悟はしてたけど。あ、マスターサンドイッチおかわり!」
戒流はコーヒーは口にせず水の入ったコップを一気に飲みほす。
「階層主と呼ばれるその夜族たちは魔界の王からも一目置かれている骨のあるやつらよ」
「ボスを倒して鍵を手に入れて、扉を探して進めってことな。了解だ!」
「キュー!」
戒流とポチが気合いを入れて立ち上がる。
「さっきの話を聞く限り、この一階層のゲートの場所は知ってるのよねエリカ?」
「ええ、フィーア。この酒場の下に地下道があってその先がゲートよ。階層主はおそらく・・・」
エリカがそこまで話したときに地震が起きる。かなりの揺れだ。
「いいタイミングね。手間が省けたわ。二人とも、あれが一階層の主よ」
三人は酒場を飛び出すと巨大なそれを自分の目で確認した。
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