幕間 或る父娘の会話

「我が社がだと? さっきから何の話をしている? いつからこの街は紛争地帯になったんだ?」

 夕暮れの高級住宅地を走る一台のハイヤー、その後部座席で連絡を受けている男はかなり辛抱強く相手の言葉に耳を傾けていた。それでも結果得られたものは、狼狽気味の声の主相手では埒があかないという理解だけだった。「とにかく大澤でも幡野でもいい、繋がり次第私に連絡を入れさせてくれ。……誰とも連絡が取れない? 君たちは何のために高給をもらっているんだ? 君に説明できないなら、説明できる誰かを連れてきてくれ!」

 通話を切り、男は疲れ果てたように目頭を強く揉んだ。馴染みの運転手は気遣わしげにこちらを伺っていたが、結局は何も言わなかった。

 日が沈んだ頃に自宅に着いた。運転手を労って帰した後で男は立ち止まった。周囲の家に比べても見劣りしない邸宅が、今日に限ってひどくよそよそしく見えたのだ。

 いや、今日に限ってではない。この邸宅がただ寝て起きて出社するだけの場所に成り果ててしまったのはいつからなのだろう。、と男は考える。

 認証ロックを解除し、邸内に入ると自動的に照明が煌々と着く。それでも気は晴れなかった。掃除ロボットのおかげで塵一つない邸内は、まるで人の住まないモデルルームのようだった。こんなはずではなかった、と改めて思う。少なくとも自分が思い描いていたのは、こんな冷え冷えとした我が家ではなかった、と。

 自室に戻り、ソファに深々と腰を沈めてから、彼はかなり暗闇の中で長いこと目を覆って動かなかった。やがて──自分以外の人の気配に気づいた。

 違う、と直感した。自分が気づかなかっただけだと。

「お静かに願います。助けを呼ぶのは構いませんが、無駄です」

 若そうなのに自分よりよほど落ち着いた声だな、と思った。

 照明が着いた。背の高い青年が数メートルと離れていない位置から、静かに彼を見下ろしていた。顔の彫りは深く肌浅黒く、頑丈そうな顎と殴られたように曲がった鼻柱が印象的だった。魁偉ではあるが、醜くはない。何より驚くべきは、彼が全身にまとう体格には不釣り合いな静けさだった。つまりは、意図的に気配を殺す必要がある手合いだ。

「よく入ってこられたね。セキュリティには金を惜しまなかったつもりなんだが」穏やかに話せる自分が不思議だった。自分は勇気とは程遠い、それどころか正反対の人間だと思っていたのに。なぜだろう──初めて見た顔なのに、自分はこの青年を既に知っていたような気がしてならなかった。

「でしょうね」青年もまた、世間話をするような調子で応じた。「実を言うと、少しをしました──でなかったらもう少し手こずったでしょう。瀬川運輸最高経営責任者CEOの瀬川雅臣まさおみさん」

「私が招いたの」青年の傍らに、ほっそりとした影が立った。「お久しぶりです、お父様」

 まるで自分の人生が、今この瞬間を迎えるためにあったかのように思えた。数年ぶりに逢う美しく成長した娘の姿が、自分が置き去りにした罪の象徴に見えた。

「……夏姫なつき


 あんまり娘には似てないな、というのが龍一の正直な感想だった。うなじまで伸びた柔らかそうな髪、髭を丁寧に剃った滑らかな頬、男にしては長めの睫毛。育ちのいい坊っちゃんがそのまま歳を取ったらこうなりました、と言えばほぼイメージが一致しそうだ。上等な三揃いに包まれた長い手足は、かえって蝶の標本めいた儚さを感じさせた。幾分かでも似たところがあるとしたら、秀でた額と通った鼻筋ぐらいだろうか。

「親娘とはいえ、電話ぐらいくれてもいいんじゃないのか。お互いに時間を無駄にせず済む。それに、誰だねこの若者は……君のお友達かい?」

「自己紹介がまだでしたね。相良龍一です」

 丁寧に頭を下げたのが効果的だったのか、雅臣の表情がわずかに和らいだ。こんな場面でこんな丁寧に挨拶する必要があるのか、と思わないでもなかったが。

「ごめんなさい。失念していました。気が急いていたのかも知れません」悪びれもせず、夏姫は優雅に肩をすくめてみせた。「それに、その方がお父様にとっても好都合ではないかと思って。お父様の会社そのものが粉微塵になりかねない話ですもの。隠蔽するにしても、これから私がする話を聞いてからの方が良いのではなくって? 隠蔽できればの話ですけれど」

「何のことだ」

「百合子さんから全部聞きました。私が誘拐された本当の理由について」

「高塔のご当主が何をおっしゃったのかは知らないが……」

「お父様がどれだけ決意を固めようと、お父様の会社の人たちがどれほど躍起になろうと、あの人が知ろうとしてできないことはありません。わからないのは本人の気持ちだけ。お父様がどうしてそれを承知したのかだけです」

「夏姫……君は何か勘違いをしている」雅臣はどうにか立ち上がろうとしたが、結局は座り込んだままだった。「あれは事件だった……とても嫌な事件だった。君にとっても、私にとっても、いや、誰にとっても起こらなかった方がずっと良かった事件だ」

「その言葉を嘘とは言いませんわ。でもお父様は、記者会見で喋ったよりもずっと多くのことをご存知のはずです。そうでしょう?」

 夏姫の声は穏やかで、静かで、乾き切っていた。龍一はこれによく似た声を聞いたことがあった。百合子の声──崇の言葉を借りれば「指一本触れずに金玉を締め上げる」時の──百合子の話し方だ。

「あの事件は、当時試験段階だった犯罪予測システムの『実戦テスト』の一環だったんでしょう? それが手違いで、本物の誘拐事件になってしまった。お父様も含めて関係者一同は大慌てで皆の口を塞いで回った……たぶん永遠に喋れなくなってしまった人も大勢いるんでしょうね」

「とんだ陰謀論だ。夏姫、誹謗中傷はやめてくれ。いや私に関しては何を言ってもいい……でも瀬川の家を辱めるのだけは謹んでくれ。あの事件は本当に我が社にとって大打撃だった。人生が破綻した人も、自殺した人もいるんだ」

「誹謗中傷? ではマルスとの裏取引は事実無根ですか?」

 MARSマルスとは広告戦略請負会社〈ミーメットワーク〉、監視システムと人工知能を統合したITセキュリティ企業〈AアルゴスRリスクMマネージメントSサービス〉、そして中国系医療複合企業〈蒼星ランシェデーシン医療公司〉の頭文字を並び替えた呼称アナグラムだ。この3社が〈犯罪者たちの王〉プレスビュテル・ヨハネスが君臨する〈王国〉、その日本における事実上の窓口である──それが百合子たち〈月の裏側〉が合法、あるいは半合法的手段を用いてたどり着いた、かなり確度の高い結論だった。

「答えられませんか? それとも『答えられない』がお父様の答えですか?」

「……夏姫、私にも立場がある」ノックアウト寸前のボクサーよろしく雅臣が反論しようと身を起こす。土壇場でのしぶとさは娘譲りだな、と龍一は初めてこの男に感心した。「人の命、それも我が社の人命に関わることで、迂闊なことは言えないんだ。それは冒涜だ……既にこの世にいない人々への」

「死者の言葉を生者が代弁するのは、それこそ冒涜ではないのですか?」

「夏姫。こちらの……相良くんがどこまで君と親しいかは知らないが、社と家族の問題に口を出すのは控えるよう言ってくれないか」

「少なくとも同席する権利はあると思いますがね」龍一は肩を揺すった。「似ているんですよ。夏姫……娘さんの誘拐された事件と、俺の大切な人が殺される原因になった事件とが似通ってるんです。それはもう、不気味なほどにね」

「君と君の大切な人を襲った不幸について、私は何も知らない。本当だ」

「でしょうね。ですが、俺の事件にマルスが関わっていて、娘さんの事件にマルスが関わっていて、二つの事件は不気味なほどに酷似していて、その間に何の関連もないとしたら、そちらの方がおかしいでしょう」

「何だね、その事件とは?」

「第二次オキナワ上陸戦。焼き尽くした都市一つと、何万人もの犠牲者を糧に、マルスと瀬川は肥え太った。そしてあなたの娘さんの誘拐事件で、さらにその身を弾けんばかりに膨れ上がらせた。やたらとでかく、動きは鈍く、でも少し図体を動かしただけで無辜の人々を踏み潰せる、腑の腐った恐竜のように」

 立ち上がりかけていた雅臣の腰がすとん、と落ちた。

 さっきまでのがジャブならこれはボディブロー、いやボディを狙うと見せかけてからの右顔面ストレートかな、と龍一は冷ややかに観察した。夏姫とは事前の打ち合わせで、これで効かなくとも他に数案ほど揺さぶりの手段を考えていたのだが──この様子だと必要なさそうだった。案の定、雅臣は椅子に腰かけたまま動けない。

 ややあって口を開いた雅臣の声は、純然たる恐怖に震えていた。「それは……確かなのかね……?」

「確証はありません。でも俺もお嬢さんも、かなりの確信を持って関わりを追っています。マルスとオキナワ上陸戦が無関係というのは、瀬川運輸とマルスが全く無関係というのと同じくらい怪しいでしょう」

 耳が痛くなるほどの沈黙が訪れた。正直、今の夏姫の顔を盗み見ることさえ躊躇いがあった──冷たく冴えた横顔からは、軽蔑も同情も伺えない。

「……一般企業が裏社会との繋がりを完全に断ち切るのは、とても難しい」少しの間を置いて雅臣はぽつりと話し始めた。指の間から水が漏れるような話し方だった。「多少後ろ暗い経歴が噂される程度の相手との会食を一度や二度断ったくらいで実現できるほど、コンプライアンスは甘くない。相手がクリーンな経歴の企業を間に挟んでいたら? 長年付き合いのある取引相手から『ここは俺の顔を立てて一度会ってやってくれ』と頭を下げられたら? 経営が傾きかけて、株主総会を乗り切れるか、一家揃って路頭に迷うかどうかの瀬戸際だったら? 少なくとも当時の私は、あの提案を断り切れなかった……」

「お父様のその決断について今は責めません。。どんな提案だったの?」

「あくまでシミュレーションだ、と彼らは言っていた。娘さんの身に危険は全くないし、専属のスタッフが十二分に心身両面のケアを行います。各報道機関に知られることは全くありませんし、知っているのはARMS社、警察の一部、そして瀬川の私だけだと。事件の存在すら公表されず、全てが安全裡に終了します、と」

 思わず口を挟んでしまう。「でも実際は、そうはならなかったんですね? シミュレーションの誘拐事件が、本物の誘拐事件になってしまった……ということでしょう?」

「ああ。どんな手違いがあったのか知りたくもないが、それで全てが悪い方向に転がり始めたんだ。報道機関は人質の安否を理由に口を封じられても、秘密を知る人間が幾何学等級的に増加してしまっては、誰にも知られず終わらせるなんて不可能だ。結果『犯人グループは身代金を取ることなく人質を解放した』という形で決着をつけるしかなくなった。それがどれほど苦しい言い訳だろうと……」

 やはり、と自然に夏姫と目が合った。

 おそらく事件の設計者プランナーにとって、シミュレーションの成否どころか誘拐の成否さえ問題ではなかったのだろう、と龍一は考えた。成功すればよし、失敗してもそれはそれでいい──実際、その計算は当たった。予測システムの導入は頓挫し、瀬川家は保身のため全力で事件を隠蔽するしかなくなった。真実を公表するタイミングを逃した以上、マルスの軛の下で一生、真相の暴露に怯えて生きるしかなくなる。

 代わりにマルスは──正確にはその背後にいる設計者は、瀬川家が口をつぐんだことに対する「福利厚生」も惜しまなかったのだろう。実際、瀬川運輸どころかミマナ・ロジスティクスの成功はこの国を覆わんばかりに広がった。おそらくはマルス傘下のヒューマン・トラフィックシステムとともに。まさに甘すぎる毒、飲み続けても飲むのをやめても、いずれは確実に死ぬ毒だ。

 その「設計者」が誰なのか、今ならはっきりと断言できる。〈犯罪者たちの王〉プレスビュテル・ヨハネスだ。

「私の婚約者としてスンシンを連れてきたのは、何かの罪滅ぼしのつもりだったの? それとも、それもマルスの指示?」

「イルハングループの力を借りてマルスに対抗するつもりだったんだ。瀬川のこの先を考えるに、マルスとの関係はいずれ精算するべきだとは思っていた」

 たとえそれがイルハンがマルスに取って代わるだけだったとしても、か。

「イルハンの会長からの確約も取り付けたし、君もスンシンを嫌ってはいなかったから、好都合だと思った。結果がどうなったのかは、君の……いや、君と彼と、高塔家ご当主の方がよくご存知だろう」

「お母様が出ていったのもそれが理由?」

「君の母親は、君が礼峰学園に入学した後で家を出た。君を介してならともかく、私と一対一で向き合うのに耐えられなかったらしい……以後、連絡はない」

 夏姫は大きく息を吐いた。冷静ではなかったが、冷静であろうと努めてはいた。「彼のことは嫌いではなかったし、男性として好きにはなれなくとも、いい友達になれるとは思った……お父様たちが余計なことをしなければね。お父様、私が何よりも我慢できなかったのはそれを『お前のためだ』と言われたことよ。ご存知? 辞書にはそういうのを『おためごかし』と書いてあるの。いっそ『瀬川の家のために涙を呑んで我慢してくれ』と言われた方が、まだましだったわ」

 雅臣は鞭で打たれでもしたように身をすくませた。龍一はそろそろこの毒にも薬にもならなそうな男性に少なからず同情し始めていたが、何も言わなかった。

「これからどうしたらいい? それともこれが、私への復讐なのか?」

「そんなつもりはありませんでしたが、そう思いたければどうぞ」夏姫はにべもなかった。「でもこれからどうするかは、お父様がご自分の心に問いかければと思います。正しいとわかっていても与し得ないことなど、この世には幾らでもあるでしょう。でもせめて、お父様には最後まで逡巡してほしいとは思います。人倫に悖る人たちが、ご自分の会社を好き放題にするのを放置したことも含めて」

 行きましょう、と夏姫は龍一を促した。雅臣は、最後まで座ったままだった。


 表玄関から堂々と出て(セキュリティは大したものだが、龍一はともかく夏姫の手にかかればないも同然だった)滝川の車に乗り込んだ。

 滝川は気遣わしげな視線で龍一と夏姫を見比べたが、結局何も言わなかった。

「用は済んだわ。出して」

「はい」

 車が滑るように走り出す。「このまま百合子さんたちと合流するか? それとも少しどこかで休むか?」

 何気なく横を向いた龍一は、夏姫がただ唇をわななかせているのに気づいて仰天した。「大丈夫なのか?」

「大丈夫よ」龍一の視線に気づいた夏姫は答えた。その頬を、透明な涙が滑り落ちた。「泣いてないから」

 素手で人を叩きのめす方法など二十通りほども知っていた。喧騒の中で誰かを尾行する方法も尾行の撒き方も、偽装免許証の作り方も、銃の分解と手入れも、やばくなった時の身の隠し方も、既に充分すぎるほど崇に叩き込まれた。だが隣で声もなく泣いている娘を慰める方法となると、さっぱりだった。

 しばらく好きなだけ泣かせてやった。実際、慰めなどまるで思いつかなかった。ハンドルを握ったままの滝川から「何とかしてやってください」と押し寄せる無言の圧力が肌に痛い。

「どうしてこんなことになったのかしら」長い沈黙の後、夏姫はぽつりと言った。「私が何かすればどうにかなったの? それとも、どうにもならなかったの?」

「俺には……何とも言えない」

「龍一。私ね、お父様もお母様も私に関心がないって、ずっと思っていた。でも考えてみたら、そもそも私はどこまであの人たちを一人の人間として見ていたのかしら……」

「俺も父さんや母さんが、どんな人だったのか、実はよく知らない」続く一言は、自分でも驚くほど苦味を帯びて漏れた。「知ろうともしなかった」

 夏姫がおずおずと手を握ってきたので、龍一は目を剥きそうになった。普段の彼女なら想像もできない仕草だ。「龍一。もし何もかもが終わったら、一緒にあなたのお母様に会いにいかない? 私、龍一のお母様がどんな人なのか知りたいの」

 何もかもが終わったら、か。皮肉な表現だと思った。何を持って終わりと呼べばいいんだろう。ヨハネスの血まみれの首を高塔家の門前にでも飾ることか? それとも、関係者全員が、龍一と夏姫を含めて、百合子も、崇も、テシクも、〈月の裏側〉のメンバーも、〈ヴィヴィアン・ガールズ〉も、そして〈犯罪者たちの王〉も、誰も彼もが死に絶えることか? だがそれを目の前の少女に言うのは、どうも気が進まなかった。夏姫の言葉にそう返すのは不誠実に思えた。「いいぜ。一緒に行こう」

「ありがとう」夏姫はほんの少しだけ微笑した。「今泣いたカラスがもう笑った」なる表現を思い出す。それでほっとしている自分もずいぶんこの娘に甘い──甘くなったな、とは思う。

 それにしても、と考えざるをえない。何者なんだろう、プレスビュテル・ヨハネスとは。今まで俺はひたすらそいつを追い求めていた。本当にいるのかも怪しい、男とも女とも知れない、耳をすませば噂は聞けても真実らしきものは何一つわからない〈犯罪者たちの王〉を。だがそもそも「追い求めていた」と考えるのは正しいのか。俺はとんでもない勘違いをしていたんじゃないのか?

 龍一はプレスビュテル・ヨハネスなる人物に対する興味が猛然と湧き起こってくるのを止められなかった。恐ろしく気が長く、辛抱強く、5年10年はかかる計画を物ともしない。それでいて〈月の裏側〉の攻撃に対し打つ手は効果的で素早い。冷静かつ迅速で、精緻なチェスプレイヤー。。正直なところ、不気味ですらある。

 もう波多野仁の仇だから、だけが理由ではない。どれほど困難だろうと、俺はヨハネスに直接会う必要がある、と強く感じた。そのためにも、まず百合子や崇たちと合流することだ。マルスを壊滅させ、敵の戦力を大幅に削いでから、初めて交渉の余地が生まれる──改めて決意した時。

 不意に懐で微振動を感じた。反射的に取り出そうとして、龍一は顔を強張らせた。震えているのは「特別仕様」の携帯端末だった──秘匿回線で盗聴は困難だが、こちらからの連絡は厳禁されている緊急連絡用だ。

「もしもし?」

【嬢ちゃんはそこにいるな?】余計な前置きなしに崇が出る。

「ああ、用事は済んだ。これからすぐそっちに……」

【駄目だ。来るな】崇の声にいつもの余裕がない。【お前らが一緒なら好都合だ。隠し口座からありったけ金を引き出して、今すぐこの街を出ろ……二度と戻るな】

「一体どうしたってんだ?」

【作戦失敗だ。〈犯罪者たちの王〉の反撃が想定以上に早すぎた──〈ホテル・エスタンシア〉が今、総攻撃を受けている】


(本編へ続く)

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