4品目 私とカンネッローニ
翌日、私はとても美味しい朝食を食べたあとこのレストランについての説明を受けた。それはとても現実離れしたものだった。
「ここはこの世での人生を終えた者つまり死者のためのレストランなのです」
田中さんは当たり前のことを言うように軽く言った。
私は冗談かこのレストランの設定かと思い田中さんに軽くツッコむ。
「いやぁそれは変わった趣味ですね。お化け屋敷とかですか。」
今まで見てきたところではそんな雰囲気は全くなかったが....。
「いえ、信じられないかもしれませんが本当のことなのです。このレストランができた経緯は存じませんがここには死者が来るのです。ここに来る死者は全員この世に未練を残しております。それを料理で払うのがシェフであるあなたの務めでございます。」
全くもって信じられない....死者とか未練とかよく分からないし
ここのレストランへ私を送り込んだシェフを恨む。
しかし、シェフならなにか知っているのではないか。
「田中さん。お話の途中すみません。シェフに電話してきてもいいですか?」
私は田中さんに許可を取り部屋を出てシェフへ電話をした。
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「シェフ!!なんなんですか!ここは!」
私は半分キレながらシェフに問いただした。
『おー、どうだそっちは。』
シェフは寝起きなのかゆっくりとした口調で電話に出た。
「どうだじゃなくて!!ホントになんなんですか!ここ!死者とか未練とか意味わかんないですよ。」
「俺も最初は意味わからんかったよー。ほんと意味不明だよなー。」
シェフの適当な受け答えにキレるを越して呆れにかわる。
「とりあえずお前の得意料理振る舞っとけよ。なんだっけ、あのー
かんにろーな?だっけな?」
呆れを通り越したら何になるのかあなたは分かるだろうか。
「カンネッローニですよ。それでもシェフやっていけるんですね。
呆れを通り越して感心しますよ。」
答えは感心だ。シェフのレストランはとても料理が美味しいあとはシェフの口が良ければ星が3つほど取れるだろう。
「まぁそのカンネッローニ?を田中に食わしとけ。あとはなるようになるさ。
まぁお客さんがくれば、大丈夫だ。んじゃ頑張れよー。」
ガチャン // ブチッ
電話が切れた音と共に私の頭の何ががキレる音がした。
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