三品目 田中とチーズリゾット
山道を走ること約5時間...
周りには森、森、森。
知らない道をカーナビだけを頼りに進んでいく。
"目的地に到着しました。ここでナビを終了します。"
道の途中で突然なったアナウンス。
周りには森と今まで進んできた道しかない。
「ここ.....じゃないよね。まさかカーナビ狂ったのかな..」
私はとりあえず車を降り辺りを見回す。
周りには森しかない。もう一度言う。本当に森しかない。
こんなとこまで無駄足を運ばせたシェフを恨み
もう帰ろうと車に乗ったその時。
「お待ちしておりました。シェフ。」
え?シェフ?....じゃなくて誰?
森の中から出てきたのは立派な燕尾服を来た紳士。
「では行きましょう。」
は?行くって、どこ?
紳士はさっさと森の中へ進んでいく。
「ちょっとまってよ!行くってどこに?てかあんた誰よ!」
私は紳士の燕尾服をつかみ引き留めた。
ここにおいていかれても困る。
「私は奥にあるレストランの支配人兼執事の田中です。
そして主人はあなた。シェフですよ。」
!!!レストラン!もしかしてシェフが教えてくれたレストラン!?
「もう少し歩いたところです。行きましょう」
とりあえずどうすることもできず田中さんとシェフを信じて
ついていくことにした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
本当に少し歩いたところにレストランはあった。
とても立派な洋館だった。
「とりあえずいろいろな説明は明日いたします。
今日は私がつくったチーズリゾットを召し上がってお休みください。
シェフのお口に合うかは分かりませんが...」
田中の言葉はあやしすぎるが、なぜか疑えなかった。
しかもチーズリゾットはとても美味しかった。
なぜだろう。シェフと同じにおいがする。
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