二品目 私とチキンバケットサンドイッチ

「...って訳だけど行くか?」


私はシェフの話を無視している途中の急な問いかけに対応しきれず


「はい?」


と返事をしてしまった。

シェフは不気味に笑うとキッチンの奥をごそごそと探り始めた。


「なにしてんすか??」


シェフは私の問いかけに答えず何か紙を引っ張り出した。


「あしたにでもこの住所に行ってこいよ。その間も給料は今まで通り

出してやるからよ。手土産に明日の朝チキンバケットサンドイッチでも作ってやるよ」


...はい?


急な話についていけず私は口をパクパクさせる。

(チキンバケットサンドイッチは食べたいけど...)

それに対しシェフはあくびをしながらドアへと向かっていく。

私はあわてて呼び止めた。


「ちょっと!シェフどこなんすか?ここ。」


シェフは足を止め振り返った。

そしてどや顔に自称カッコいいポーズをしながら言った。


「ここは俺の育った場所さ。料理人としてな。」

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