第27話 『夜中』その9

 「しかし、同意は必要ないと主張している有力者もいます。地球人の強制支配を主張している『優勢派』です。少数派ですが、リーダーは極めて高度な能力を持っています。『伯軍派』とも『侯軍派』とも僕ら『穏健派』とも敵対していますけど、力は侮れません。今回の事件に絡んでいる可能性もあります。』


「それは、まずいのでは?」


「非常にまずい。すでに融合されている可能性も高い。」


「冗談じゃない!なんとかしなくては。よい手はないの?」


「唯一の可能性は、『大魔女』さまが助けてくださることですけどね、彼女だけが融合個体の分離が出来るとされていますから。でも『大魔女』さま、と言うのは、ここ千年誰も見ていないですし、いるんだが、いないんだか、そもそもわからないのです。」


「そりゃ、やくに立たないでしょう?」


「まあ、そうですけど。」


「とにかく、お嬢をみつけなければ。夜中に誰か来ると、言ってましたよね。」


「はい。『穏健派』のサブ・リーダーがあなたの前に現れるでしょう。」


「あんたたち、付き合いなさい。」


「は?」


「当たり前です。そこまで関与したんだから。」


「人間というのは、厚かましい。」


「よく言うよ。お互いさまです。」

 



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