第24話 『夜中』その6

 フロントさまは、2~3分ほかの仕事しながら、お嬢の情報を探っていたようです。


 ぼくと、番長は、フロントにくっついて、待っておりました。


 親分と王子は、フロント前の巨大なソファーに沈んでいます。


 やがて、フロントさまがふと、顔を上げました。


 「お探しの方ですが、見当たりません。」


 「は?」


 ぼくは、意表を突かれたように、反応しました。


 「ああ、つまり、情報網に掛かりません。」


 「って・・・行方不明?ですか?」


 「はい。そうです。」


 さすがに、親分と王子も立ち上がりました。


 「捜索しないと! それは、依頼できるのですか?それとも、本土に連絡するのですか?」


 「この島の事件は、この島で対処する。それが、政府との協約です。すでに手配はしました。皆さまは、お待ちください。」


 「待てと、言われてもちょっと・・・」


 ぼくは言いました。


 「本土でも二次災害が予想される場合、そうした処置はするのでしょう?お気持ちは、理解しますが、お待ちください。」


 ロボットさんに、諭されるとは、考えていませんでした。


 「いったん、上がって相談しよう。」


 番長がぼくに、言いました。

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