第12話 『市役所』その8
休憩を終えて、再び会議室に戻りました。
すぐに、新たに10人が、やって来ました。
管轄のスローワークの人ふたりと、あとこの島に駐在する、本省のキャリア官僚のたまごがふたり、それに、企業の代表者の方が、おふたり、来ていました。あとは、ここの市役所支所の人。
ただし、見えて無い人が、最初のひとり以外に、何人いたのか。これは、最終的に、お嬢に確認するしかなかったのですが。
話し合いでは、係長さんの進行により、面接会の段取りをひとつひとつ、チェックしてゆきました。
このこと自体は、まあ、それなりに、すんなとり・・・とまでは言えませんが・・・なんとか、まとまってゆきました。
最大の問題は、相手が見えないのに、どうするのか?
だったのですが、企業の方以外は、意外なほどに、皆さん、あまり気にしていなかったのです。
これが、要するに、大きな問題だったわけなのですけれどね。
会議終了後、次回は、開催当日(実際の面接会はお昼からですが)朝から再会合を行う事になりました。
細かいグッズは、係長さんのところが準備するということで、まあ、ぼくらはどちらかと言うと、同じ市役所職員とは言え、ゲストスタッフ、だったわけです。
会議終了後、顔見知りの企業の人事担当の方が、声をかけてきました。
「いやあ、統括さん。あなたがいて、良かったよ。本当にだいじぃうぶかいな。まあ、国側がとにかく出ろと言うしね。なんか、不安だな。」
「そうでしょうとも、当然ね。まあ、全員採用する義務はないですから。」
「ふん。そりゃあそうですけどな。成果上げないと、スローワークさんから睨まれてもいやだしね。」
「まあ、お互い初めてですから、慎重にやりましょうや。」
「うんうん。頼みますよ。親身になってくれるのは、あなただけなんだから。」
親分が、ぼくが余計なことを言ってるのではないかと、睨みつけているのは解っておりました。
出席者が解散した後、お嬢が、そっと、数字を書いて見せました。
【「10+5」 (8)】
「なな、なんと?」
ぼくは確信したのです。
『こいつは、地球侵略の第1歩なんじゃないかしら』・・・と。
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