物語は終わるべきだ
「よお! 世界を壊した気分はどうだ?」
「俺か? 俺の話は聞いてるだろ。俺は存在が歪になりすぎて〈レキシ世界〉にも入り込めなくなったんだよ。だから、ここで見てるわけだ」
「そんな事はどーでもいいんだよ。今回の気分はどうだ? まあ、大して変わらないだろうけどな」
「話が通じてないみたいだな。そりゃそうか、俺ならそんな事言われても意味わかんねぇよって放り投げるところだ」
「俺は〈外部〉を見たことがあるし、〈外部〉から〈零の映写機希構〉を見たこともあるぜ。言いたいことはな、物理的に存在してたってことなんだよ」
「そんなマトリョーシカみたいな考えもあるかも知れないけどよ。俺の頭じゃ全く理解できねぇよ。とにかく、在ったんなら在ったって事で良いだろ。ややこしくするなよ」
「ヴァー! 俺は説明が苦手なんだよ! だから〈外部〉に〈零の映写機希構〉が物理的に在ったんだよ。んで、〈外部〉は崩壊したんだよ」
「言っただろ。俺は〈外部〉を見たことあるって。9247回目の〈レキシ世界〉で仲間集めて滅茶苦茶色々やったついでに、見てきたんだよ」
「とにかく、俺は〈外部〉を見れるって事だ。見る方法がわかってるからな、おんなじ事をすればいいだけだろ。細かい所は違うけどよ!」
「〈零の映写機希構〉は〈世界転生システム〉をぶっ壊してから動きが無かったんだけどな。最近? って程最近かはわかんねぇ。時間も空間も何もかも曖昧で、そもそもここにあるのかわかんねぇからよ」
「急に〈零の映写機希構〉が奇妙な動きを見せたんだよ。それと同時に〈外部〉を見ることが出来なくなった。唯一の暇つぶしだったのによ」
「そもそも〈零の映写機希構〉が現在存在してるのかって事だよ。〈外部〉に物理的に存在するものなら壊れても当然だろ? 俺が見たときは修理できる筈の〈計画者〉は1人も残ってなかったぜ」
「じゃあ、ここはどこなんだって話だよな。〈零の映写機希構〉の中って事は間違いないだろ。他に思い当たるものも無いからな。だからわかんねぇんだよ」
「いつの間にか迷路に入り込んだ気分だぜ。行く先行く先でこんな事ばっかりだ! いい加減ウンザリするんだよ!」
「おっと、お前そろそろ消えるな。俺と違って世界に依存してるからしかたねぇんだよな。また1人になって暇になるだろ」
「どーせ、行った先で同じ話することになるんだから。今回はとりあえず消えとけよ」
「とにかく。物語は終わるべきだ。そう思うだろ? 永遠に続く話なんてくたびれるだけだ」
「零の映写機希構。零でも世界を映す希望に満ちた映写機のような機構。終わりが無いなんて、マジで
零の映写機希構 レー・NULL @ree-null
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