秩序の脅威
「エメレイア、魔法系統は使わず物理で攻めなさい。わたくしは援護に徹します」
「ロジクマスは魔法使えないと弱いのよねー」
「黙りなさい」
まさかエンシェントと戦うことになるとは、夢にも思っていませんでしたが。これはこれで良いでしょう。エンシェントに自然現象を引き起こす魔法関連は無意味、仕方ありませんので、攻撃はエメレイアに任せて、わたくしは光術での防御に徹しましょうか。
「いくわよー、
エメレイアはエンシェントに接近し、拳での一撃で穿つ。しかし、そんな簡単にいくわけが無い。エンシェントは抉られた身体を瞬時に再生させてしまう。エンシェントは仲間がいれば居るほど、その力を増幅させてとてつもない再生能力を持つ。周囲を飛んでいる妖精をどうにかしなくてはいけない。しかし、あれほどエンシェントの性質について解説したというのに、聞いていなかったようですね。
「エメレイア、先に妖精を倒しなさい」
「えぇー、わかったわよー」
「我、争いは好まない。争うのは常に人間。
「早く離れなさい!
エンシェントは周囲に波動のようなものを発生させました。攻撃する為に接近していたエメレイアは逃げ切れない。障壁を張り守りましたが大丈夫でしょうか。
「こ、これはキツイわねぇ……」
障壁が意味を成さず、エメレイアの身体が内部から切り刻まれています。これは力の暴走でしょうか、エンシェントは力を暴走させる波動を放って自滅させるつもりですね。エンシェントから距離をとった方が良さそうです。
「エメレイア、エンシェントに近づかないで妖精を倒しなさい。それと、波動を放ったら距離をとるようにしなさい」
エメレイアには遠距離攻撃の方法が無い、わたくしには遠距離攻撃の方法はありますが、魔法が効果を成さないので意味が無い。とりあえずは、エメレイアに妖精を倒してもらって、エンシェントの力を削ぐしかないですね。
「もうー、しょうがないわねー。
妖精に接近しては攻撃して潰していく。エメレイアの攻撃力ならば一撃で倒すことが出来るようですが、1体ずつしか倒すことが出来ません。妖精には魔法は通じたりしないのでしょうか。
「燃え尽きろ。
「否、消えろ」
わたくしの黒炎も打ち消されてしまいました。やはり、エンシェント相手では、エメレイアに任せるしかなさそうですね。
「私が何とかするから大丈夫よー、
しかし、技を使うたびにスタミナを消費してしまう。エメレイアはこの数の妖精を倒しきれるのでしょうか。
「欲故に滅べ。
「エメレイア、避けなさい」
「えっ」
妖精に攻撃することに集中していたエメレイアに、エンシェントの放った光線のようなものが当たってしまうが、何か影響が……?
「ああああ!!」
エメレイアは狂ったように拳を振り回している。正気を奪われたのか、こうなったら殴りつけて正気を取り戻させるのが常用手段なのですが、今のエメレイアに近づいたらわたくしがやられてしまいそうです。仕方ありません。
「
「あぁ、頭が痛いわぁー」
エメレイアにかけられた能力を打ち消せてよかったです。これで打ち消すことが出来なければ完全に詰みでした。しかし、困りましたね。エンシェントの能力が厄介すぎます。こちらに範囲攻撃する方法があればよかったのですが。
「とにかく、エンシェントの影響力に気をつけながら。妖精を倒していくしかありません」
「めんどくさいわねぇ」
「我等同体。
エンシェントは波動のようなものを放出し、それに触れた妖精は再生している。これは、本当に良くないですね。
「えぇ、そんなぁー」
「こうなったら、時間を稼いで増援を待つしかありません」
わたくしとエメレイアでは突破方法が思い浮かびません。時間を稼いであの2人を待つしかないでしょう。それまでに、エンシェントの影響力に囚われて、大打撃を受けるのをなんとしても防ぐしかありません。
「我、争いを好まない。人が滅びるのは欲望故」
「やるだけやってやるわよー、もう」
「エメレイア、わたくしが指示します。その通りに動いてください」
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