第40話 サプライズ

ep.7-5 November / 20 / T0059





 俺達二人を乗せながらもガッハは軽快に進む。


 荷物など無いかのようにノッシノッシと俺達を運んでくれる。


 馬に比べれば少し短いが、太く毛深い立派な足はこの地で生きるために進化したのだと教えてくれる。


 そんなガッハの手綱を握り、目的の森を目指す。





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 ボンドドから逃げ切った生物は雌だった。


 彼女は逃げた。子供を殺された怒りは尋常ではなかった。


 だが、ボンドドにそんな感情は通じない。


 立ち向かい、戦えば死んで食われるだけなのは分かっていた。


 悲しみは何よりも深いが、諦めて次の命を育むしか無い。


 それが宿命だ。


 深い傷を癒やし、次の春まで耐えねばならない。


 しかし、この真冬に傷ついた自分が仕留められる獲物はどれだけあるだろうか。


 血の匂いでみんな逃げてしまう。


 探さなければならない。木の実も、魚も無いが、食べ物を探して眠るしかない。


 彼女は当てもなく彷徨い続けたが、ハッキリしていることはある。


 南東だ。

 ライバルは多いが可能性が一番ある。


 何よりもボンドドはいない。


 長い経験でそれだけは理解していた。





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





 「ショウタ〜! あった!」


 「どれ〜!?」



 地図の森に来てから俺達は虫の繭を探した。

 

 対象は【ムラサキ大目毒蛾】という蛾だ。

 大きくて成体になると毒の鱗粉で身を守るが、幼体は毒の毛針で身を守る。


 サナギは繭を作って冬を越す。

 問題は成体が産卵する卵から孵化する幼虫の数が尋常な量ではなく、草木を根こそぎ食べるらしい。


 しかも、その毒蛾の幼虫を巨大なクリーチャーが捕食しに来る。被害が連鎖するので、街の近くの幼体や成体は可能な限り処理とのことだ。


 このサナギの繭が、他の捕食者対策でガチガチの丈夫な繭を作るそうだ。


 繭なので動くこともなく、倒すのに抜群のタイミングだが、骨が折れるので人気がないらしい。


 だが、俺とウウクには関係ない。

 お互いの力の出力は普通の武器とは桁違いなのが、今までの経験で分かっている。


 ウウクが見つけた繭は俺と同じくらいの大きさだった。

 樹の幹に茶色い硬質化した物体がくっついている。パッと見は、鉄製の変なオブジェだ。



 「これか。何か大きいけど、保護色のせいで目立たないな」


 「よく見たらあっちこっちにあるね」


 「じゃ、手分けして焼くか。俺はブラスター使うよ」


 「OK♪」



 するとウウクは手から炎をボウボウと放出した。

 直線的で、火炎放射器のような炎。いつもよりも熱を感じる。

 俺がすぐさま離れると、繭の表面が溶けるように燃え始めた。


 

 「さすがだな。燃えにくいって話が嘘みたいだ」


 「これでも加減してるよ?」



【ブッジャッッッ!!!!!!】

_ギチョグチョ!!



 「「うわぁぁぁぁ!!?」」



 突然に燃え出した繭から得体のしれない物体が飛び出した。


 体を燃やしながらグチョグチョと藻掻きながら燃えていく。サナギだ。



 「………。ぐ、ぐろい…」

 「び、っびっくりした…」



 ウウクも勢い良く飛び出て藻掻くサナギに戸惑いを隠せずにいる。

 俺はそれ以上にエイリアンの様なソイツに嫌悪感を抱いた。


 燃えて溶けていく繭とサナギを見届け、俺達はしばしの間呆然としていた。



 「…ちょっっと離れてやろうか?」


 「…うん」



 俺の言葉にウウクは賛同してくれた。


 その後、ウウクはさっきよりも離れながら炎で燃やした。

 雪で火事の心配は無さそうだ。

 俺もウウクから離れたエリアで、標的の繭から離れてブラスターを撃つ。



_ジョンっ!!

 【グッヂャァッン!!】 どびゃ!



 俺の撃ったブラスターが当たった繭は爆発した。威力が強すぎるらしい。


 今はギリギリだったが、飛散する体液などが服や顔に当たりそうなので、より離れて木の影から撃つことにした。


_ジョンっ!!【グッヂャァッン!!】びちゃ!

_ジョンっ!!【グッヂャァッン!!】びゅば!

_ジョンっ!!【グッヂャァッン!!】げちょ!



…………。

………。

……。

…。



 俺とウウクは森の中で2時間くらい要して一通り倒した。


 だが行為の後の森の中は燃えたり、飛び散った体液が飛散し、焼けたサナギの異臭と汚れにまみれて、見るも無残な状態だった。

 

 紫色や緑色の汚物を撒き散らしたような光景が真っ白な森に広がり、すえた臭いが鼻につく。



 「…………」



 あのウウクも何も言わずに立っている。俺も言葉がなかった。



 「帰ろうか。ウウク」


 「…うん」



 俺とウウクはガッハに乗って街に帰った。


 一緒に乗ったウウクは来た時よりも強く体を押し付けてきた。





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





 俺とウウクがギルドに帰って報告すると、イマーンさんは仕事が速いと喜んでくれた。


 ただ、もうやりたくないと伝えると、みんなそう言うから報酬が破格なのだと教えてくれた。

 林業組合には本日連絡し、その結果が明日ギルドに報告されるそうだ。


 俺とウウクは気分が悪いのでそのまま今日は帰った。


 一気にやる気が失せた。



 「じゃぁ、ウウク。俺はガッハを牛乳屋さんに返してくるから。シャワーお願いね」


 「うん。用意しとくね」


 

 バイオパック等の荷物はウウクが先に持って帰り、俺は途中で別れた。

 

 我が家には牛舎がないので、リース先の牛乳屋さんへ返さないとガッハの寝床が無いのだ。


 ティーゼルさんは冬が開けたら納屋と牛舎を好きに作っていいと言ってくれた。

 ベンリーを続けるなら一頭は常駐させたい。


 早く春になって欲しい。


 牛乳屋さんへ向かう道中、お互いの気分を良くするものはないかと、雪が降る冬でも営業している店を遠巻きに見て回った。


 すると酒屋が一件目に止まった。

 そこは高級な酒も販売していて、瓶に入ったスピリッツも少しある。


 何かウウクに作ってあげよう。


 牛乳屋さんへガッハを返すと、俺は帰りに酒屋で幾つかの酒類、ジュース、雑貨と衣類等を買い求めた。


 かなり散財したが、どうせ今回の報酬でお釣りが来る。蓄えも意外と多い。


 俺はちょっとした大荷物を抱えながら家路を急いだ。




 

_ギィッ


 「ワン!」

 「ただいま〜」


 「おかえり…? ショウタ、その荷物どうしたの?」



 ウウクは俺が背中や両手に抱えた荷物を見てキョトンとしている。



 「なぁ、ウウク。もうシャワーできてる?」


 「うん。できてるよ」


 「じゃ悪いんだけど俺、先に入ってもいいかな?」


 「…? 一緒に入らないの?」


 「あぁ、ちょっとやりたいことあるんだ。荷物置いたら入るから待っててくれる?」


 「……うん…」



 ウウクはちょっとしょんぼりしてしまった。

 今まで一緒に入るのが普通だったから何事かと思っているのだろう。


 俺は罪悪感と、後ろ髪を引かれる思いで荷物を二階に置き、外に出てその場を後にした。


 シャワールームの更衣室に用意された衣類と、ストーブが付いて温かい更衣室の中でウウクの優しさを感じながらさっさと服を脱ぎ、手早くシャワーを浴びた。


 ウウクがきちんと浴びれるようにお湯は大目に残す。

 

 シャワーから出ると着替えてさっさと家に入った。

 ウウクは家の中でソファに座ってミニーを撫でていた。とても寂しそうだった。



 「ウウク上がったよ」


 「…うん」


 「ウウク。お願いがあるんだ。シャワーを浴びるときは、汚れてないから髪の毛は洗わずにタオルを巻いて、髪の毛を濡らさないでくれる?」


 「…? いいけど」


 「それから、ちょっと時間を掛けてシャワーを浴びて、着替える時はこの服を着てくれる?」



 俺はそう言ってウウクに衣類の包み紙を渡した。



 「…? この中の服を着るの?」


 「そう。他にも幾つか入ってる。それと念の為、お気に入りのポンチョも持ってね。それから、家の中に入る前にノックしてくれる? 俺が返事したら入っていいから」

 

 「……。うん」





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





 ウウクはこの時のショウタの行動がさっぱり分からなかった。


 一緒に頑張った仕事は、今まで見たことも無いような大惨事な場面を作り上げ、気分は良くなかった。


 一緒にシャワーを浴び、キスをして、ワインでも飲みながらお気に入りの音楽を聞かせて欲しかった。


 なのに帰ってきた愛しい彼は荷物を抱えて帰ってきて、やりたいことがあるからと言って一人でシャワーを浴びてしまった。


 今まではいつだって一緒に浴びていた。

 肌を触れ合い、身を清め合う。それは熱いお湯を浴びる中で、二人の距離を縮めて熱くする行為だった。

 

 その上シャワーを浴びた彼は戻ってきたかと思えば、髪を洗わずに体を洗って何かを着ろという。


 確かに髪の毛を洗わないことはある。

 汚れてない時や、乾かすのが煩わしい時だ。


 だから髪の毛を切って短くすることを考えた。

 ベンリーをするなら汚れることも多い。シャワーを浴びて髪も含めて全身洗い、エッチの時も髪の毛を巻き込む心配をしなくて済む。


 今回も汚れないように毛皮のコートを着て、上から布のローブでを全身すっぽり覆い汚れないようにした。

 でも、あんな仕事の後だ。何となく気持ち悪かった。


 本当は洗いたかったが、ショウタの希望なので我慢して長い黄金の髪を束ねて巻き、タオルで覆い濡れないようにした。


 彼からはさらに時間を掛けて洗えという指示だ。

 なので一人でいつも以上によく洗った。


 シャワールームはストーブのおかげで寒くはない。でも、やっぱり心は寒かった。


 何分くらい経ったのだろう? 


 これ以上洗いようが無いくらい洗い、最後に体を流し、顔を洗った。


 シャワーを止め、更衣室に移動すると、せめてと思い、湿ったタオルで長い髪を磨くように拭いた。


 バスタオルもここでは高級な分厚い綿のタオルをお揃いで買った。それで全身の雫を拭き取る。


 用意した自分のシルクの下着を身につけ、ショウタが渡してきた包み紙を開け、中身を取り出す。


 ウウクはそれを生まれて始めて見た。


 それは、ミッドナイトブルーのイブニングドレスだった。

 

 高級なシルクで織られた富裕層向けのドレスだ。

 しかし、ウウクはもちろん分からない。


 包み紙の中には一緒に小瓶も入ってる。何かと思い、説明書きを読むと香水だ。


 明かり取りの窓からの僅かな光で説明書きを読み、ドレスの着方と香水の使い方を読んだ。


 そして香水の瓶から少量の液体を手に馴染ませると、清々しい花の香りがした。


 ウウクは未経験の高揚する気分を押さえ、それを胸元や首筋などに優しくこすり付けた。


 強くはないが、存在感を感じるラグジュアリーな香りだ。


 そして、用意されたイブニングドレスを慎重に身につける。

 

 その薄い生地は破れるのではないかと心配した。自分は体格が大きい。


 だが、驚くほど馴染んだ。ピッタリだ。豊かな胸も自然と入り、強調されてエロティックだが、胸元の刺繍がそれをゴージャスに変えた。


 スカートの裾も本来は引きずるデザインだが、ウウクの長い足にはヒールでピッタリのサイズだった。


 何よりも、そのヒールすらも包み紙には収められていた。

 黒い革と、金のチェーンが施された一品だ。


 それらを身につけたウウクは驚いた。見たことも聞いたこともない衣装だった。


 明らかに街の中では誰も着ていないが、皆が憧れる衣装だとはすぐに理解できた。


 ノースリーブのイブニングドレスはウウクの心も体も飾り付け、輝かせた。

 

 もうこの時はシャワーを浴びていた時の不安も寂しさも何もなかった。


 あるのはこの後の期待だけだ。


 さらに包み紙の奥には輝く物がある。

 手を伸ばし、ゆっくりと取り出した。

 

 バレッタだ。

 説明書きもある。学校の先輩の女性が身に着けていた髪留めだ。


 バレッタはガラス細工がされており、キラキラと少ない光を受けて輝いていた。


 ウウクは震える手で、そのバレッタで自分の長く輝く黄金の髪を束ねた。


 最後にウウクはショウタが手渡した、自分のお気に入りのポンチョを羽織った。


 それはまさにパーティへ赴くレディだった。


 更衣室から出たウウクは、慣れないヒールでゆっくりと家に向かった。


 お気に入りのポンチョは薄いイブニングドレスのウウクを寒さから守ってくれた。


 ウウクは期待と興奮の中で家の扉を静かにノックした。



 「いらっしゃいませ。お待ちしてました」



 すると大好きな彼が出迎えてくれた。


 彼は白いシャツに黒いパンツと靴。

 そして黒い蝶ネクタイと黒いベストを身に着けていた。


 全身を黒で統一し、白いシャツのアクセントは不思議な高級感を演出した。



 「綺麗だねウウク。手間を掛けさせてごめんね」


 「…ううん…。ありがとう。すごく嬉しい」



 彼はウウクの手を引いてい家の中に入れてくれた。ウウクもその手に導かれるように付いて行く。


 ストーブの効いたダイニングはいつもと雰囲気が変わっていた。


 テーブルには真っ白いクロスが掛けられ、ロウソクの明かりが灯されている。


 それを見ながらウウクはソファに誘導され、静かに着席した。



 「ウウク。もう少しおめかしさせてもいいかな?」


 「うん。どうするの?」



 彼はウウクにポンチョ脱がせ、ソファの近くのサイドテーブルに乗った小箱や、いつものターコイズのペンダントを手にとった。



 「ペンダントはこれより綺麗なのが無かったんだ。でも、他は用意したよ」



 彼はウウクにターコイズのペンダントを首に掛け、小箱の一つから金色の小さなイヤリングを取り出し、耳につけていく。


 ウウクは潤んだ瞳でそれを感じながら身を任せる。


 それらの装飾品が付け終わると、最後に彼は小さなケースと、小さな筆を手に持った。



 「ウウク。ちょっと唇を開いてくれる? ちょっとでいいから。そうそう。そのまま動かないで」



 ウウクは彼の言うとおりに唇を僅かに開け、目を閉じて待った。


 彼は小さな筆をウウクの唇に優しく、薄くこするように撫でた。


 その行為はキスに似ていて、優しく、心地良く感じた。


 あまり強くない感触でしばらく撫でると彼は筆を遠ざけた。それは僅かな寂しさをウウクに与えた。



 「ウウク。このティッシュを唇にちょっと当てるから、離したら上下の唇をちょっとだけ合わせて、んんぱ。ってさせてみて」



 正直説明の意味は分からなかった。だけどウウクは言われた通りにした。


 唇に柔らかい紙が触れ、少し押されると直ぐに離れた。



 「じゃ、唇を合わせて。口先は強く付けないようにして」



 言われるがまま、ウウクは恐る恐る口を閉じ、ん。っとした。


 そして唇を開けると、自然と目を開けてしまった。


 大好きな彼は目の前に居た。笑ってくれていた。



 「良かった。女性に口紅付けるのなんか初めてだから緊張したよ。ウウク。鏡見てみない?」



 彼はウウクに小さいながらも鏡を見せてくれた。


 そこには自分がいた。

 金のイヤリングと、口紅をして、お気に入りのペンダントを身につけて、ドレスを着ていた。 

 そんな自分は、今まで見たことがなかった。

 


 「あの、ショウタ、これはどうしたの?」


 「俺の国ではパーティに行くときは着飾るんだよ。今日は折角だから二人きりでパーティをしよう」


 「ぱーてぃ?」


 「そう。二人だけのカクテルパーティだけどね」



 その時気が付いた。音楽が鳴っている。彼がたまに流す、ピアノや弦楽器などが不規則に奏でる音楽だ。


 薄暗く、真っ白なテーブルで揺らめくロウソクの炎とその音楽は不思議とマッチしていた。


 

 「ウウク、席を移動しよう。なにか飲もうか」


 「うん♪」



 この頃にはウウクの心には楽しさと幸福感でいっぱいになっていた。


 何よりもこの空間が愛おしく、彼が眩しかった。

 そして誰よりもそばに居て欲しかった。


 そんな彼はウウクの手を取り、ゆっくりと純白のテーブルへ案内した。


 席につくと、彼はゆっくりと正面に向かう。


 すると、テーブルに酒瓶やガラス製のグラス、氷、その他幾つか道具や飲み物を並べ始めた。


 彼はテーブルにタオルを一枚敷くと、大きな木のカップにお酒を注ぎ、ジュースを二種類入れた。


 さらに氷を入れ、小さな網を被せると、それらを収めた木のカップよりもさらに一回り小さな木のカップで上から蓋をした。


 彼はそれを徐ろに両手で持つと、ゆっくりと、次第にリズミカルに振り始めた。


 純白のテーブルを挟んで、彼は彼女に向き合いながらカクテルを作り始めたのだ。

 

 彼女はその不思議な光景をウキウキしながら見ていた。


 軽快な音を立てながら、撹拌され、空気を含んで砕かれながらも混ぜられていくその姿は神秘的だった。


 そしてその作業と光景が終わる。


 最後の一振りが終ると、彼は慎重にトップの木のカップを外し、網を固定しながら氷の入ったガラス製のグラスにゆっくりと液体を注ぎ始めた。

 

 グラスにはピンクに輝く潮風のような甘い香りが注がれた。



 「お待たせしました。“シーブリーズ”です」



 そう言って彼はコースターを敷き、その上にピンクに輝く液体の入ったグラスを静かに置いた。



 「……綺麗ね」



 ウウクはそれしか言わなかった。それしか言えなかった。



 「飲んで良いんだよウウク。お酒だよ」


 「…♪ じゃ、頂くねショウタ♪」



 ウウクはストーブの効いた温かい部屋の中で冷たく爽やかな甘いアルコールを口に含んだ。


 甘酸っぱく、初めて飲むその味はウウクに衝撃的な感覚だった。


 氷で冷やされ、空気を含みながら撹拌されたアルコールは棘がなく、柑橘とクランベリーの甘酸っぱさで刺激的だった。


 一度に飲み干すのがもったいなくて、少しづつ味わった。


 ウウクはショウタを見つめ、ショウタもウウクを見つめるだけだった。






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