第33話 休日

ep.6-3 September /23 /T0059





 夕食後に外へ歯を磨きに行くと、庭からハランの葉っぱを切り取った。

 そして、なるべく小さな石を沢山拾った。


 家の中に戻るとウウクは借りてきた本を読んでいた。童話や詩、簡単な児童用の歌が載っているそうだ。


 俺がテーブルに座ると、ウウクは小声で本を読みながら、その本の歌を歌い始めた。


 学校でみんなと歌ったと説明していたが、現地の言葉で歌うその様子はとても可愛かった。


 俺はまず、小石の粒をいくつか葉っぱで包み、適当にひみつ道具の裁縫道具のタンパク質の糸で縫ってみた。

 同様に紙、羊皮紙もハサミで切って小石を包み、同じ糸で縫う。


 とりあえず素材違いで3種類、同じような弾を作ってみた。


 なんちゃって散弾銃の弾だ。


 火薬ではなく、圧縮された空気で射出され、射撃音自体は火薬ほど大きくないので、試しに撃ってみることにする。



 「ごめんウウク。ちょっと実験したいから、ランプを持って来てくれる?」


 「? 良いよ」



 直径5cmに収まった3つの弾丸を持ち、ウウクに生物性ライトを持って照らしてもらい、外に出る。 


 家の直ぐ裏。いつもの練習場に行く。

 

 的となるワインの小樽が、俺が作った木製の棚の上に並んでいる。

 

 テレビで見た、アメリカの警察や軍人が射撃演習を砂漠でする様子を真似して作った。

 これを立って狙い撃ったり、歩きながら、しゃがみながら撃ったりする。


 

 ところで、以前にブラスターのチャージの調整を失敗した時に、撃った樽の木の破片が顔の近くまで飛んできたことがある。


 射撃用ゴーグルをしないと危ないとこの時に気が付き、急いで作った。 

 材料は、冷蔵庫を作った時に使用した、補修用耐衝撃テープ。この透明なテープを両面同士で貼りあわせてアイシールドの代わりにした。

 これをバイオパックの医療品の、【止血剤】で革で作った枠に接着させた。

 この【止血剤】は患部の止血や縫合の役割と、そのまま接着剤としての役割ができる。

 


 俺とウウクは、この耐衝撃テープ製のアイマスクを身につけてから並び立つ的の前に立つ。


 俺はポンプガンへ、葉っぱ製、紙製、羊皮紙製の弾丸を順番に装填した。


 俺が腰だめで構えると、ウウクが俺の銃口の先へライトを照らす。


 一回目、葉っぱ製。ポンプ一回。


 

_ボッシュ!

 _ジャッッッッ!! ベシ!



 ブラスターと違い、適度な反動が返ってくる。

 小石の粒は射出直後に弾けて、一気に拡散した。


 …的にも当たったが、見当違いな当たり方だ。これでは正面にちゃんと当たらない。



 二回目、紙製。ポンプ一回。



_ボッシュ!

 _バジャッッッ!!! ビチシ!



 小石の粒は、葉っぱとあまり変わらず、思ったように前方に射出されない。


 前には打ち出されるが、広がりすぎて前方にまとまって散らばる様子がない。

 葉っぱも紙も、強度がなさすぎるのだろう。撃った瞬間にポンプガンの中でバラバラになっているような感じだ。



 三回目、羊皮紙製。ポンプ一回。

 


_ボッシュ!

 _ボッ!!_バガァッッ!!



 「うお!!??」

 「!!」



 …羊皮紙製の弾は、発射して樽にそのまま着弾してから破裂をした。


 しかも、石の粒が的に当たった直後に破裂してこっちにまで飛んできた。


 俺は驚き、ウウクはあまり大きな反応を示さなかった。流石だ。



 「どう、ショウタ? 実験はこれだけ?」


 「う〜ん、ちょっと中に戻ろう」



 俺達は一度中へ戻り、椅子に座る。

 

 撃った感じでは、今は羊皮紙を応用できると感じる。


 葉っぱと紙では、強度がなさすぎて発射の圧力で、小石を包んでも包装が銃身の中でバラバラになりすぎてまとまらない。


 羊皮紙だと強度はあるが、発射の圧力で破裂せずに、そのまま射出される。

 ポンプ回数を増やせば良いかもしれないが、威力が強すぎて危ない。結局前に飛ばないと思う。


 どうしたものか。


 使ったのは羊皮紙と、弾力のあるタンパク質繊維糸。


 他の素材で使い捨てられるものはあるか?


 木製か? 加工が想像できない。


 羊皮紙弾丸は柔らかく、衝撃や圧力を吸収しているから、ボールに近い。

 

 これをもし、強靱な植物繊維製糸セルロースファイバーに変えたらどうなるか?


 糸だけ硬質度が高いので、撃った圧力と、空気抵抗で、皮と糸が摩擦を起こさないだろうか?


 摩擦が起きればあとは勝手に皮が破れないだろうか?




 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





 俺は改めて、小石の粒を羊皮紙でくるみ、裁縫道具の2種類の糸のうち、強靭で弾力性も無く、伸縮性にも優れない植物繊維製セルロースファイバーの糸で縫ってみた。

 羊皮紙も叩いて薄くし、少し引っ掻いて、強度を弱くさせてみた。 


 ウウクはそんな俺をのんびりと眺めて見守っていてくれた。


 用意ができた頃には夜もふけていたが、もう一度外に出てみる。


 俺はポンプガンを持ち、ウウクはライトと、シャワールームのお湯を張る桶の大きな蓋を持ってきた。


 俺がポンプガンを構えると、ウウクはライトで照らしながら、蓋で俺の半身と自分の体を隠した。


 さっきの試射で危ないと思ったのだろう。 



 「じゃ、撃つよウウク」


 「どうぞ」



 羊皮紙製散弾。ポンプ一回。



_ボッシュ!

 _ボシャ!!ジャバっっ!! 



 「「…おおぉ」」


 

 俺の狙った前方の樽の幾つかが吹っ飛び、宙に舞った。


 その後ろの木々や、棚も被弾している。


 何となく、それっぽく出来てきた。





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





September / 24 / T0059





 今日はお休みで、ウウクとガッハに乗って一緒に街の外へ遠乗りに行く。


 ガッハはリース先の牛乳屋さんが、毎日の牛乳を運ぶガッハと一緒に届けてくれた。

 いつもペアでいる仲の良いガッハ達だ。

 

 昨夜はあの後、ウククと一緒に弾作りをした。


 ウウクの方が縫い方が丁寧で早いので、迅速に進み、寝る前に試作品を5発作った。

 

 家の敷地内で拾った小石の粒が、制作した試作弾で全て尽きてしまった。

 また素材を探さなければならない。


 家の戸締まりと、バイオパックを持ち、先日ウウクに作ってもらったばかりのショルダーホルスターにブラスターを仕舞う。


 銃は携帯しやすく目立たなせない為に、腰ではなく肩から下げることにした。

 俺はその上からの灰色の革製ポンチョを羽織り、ウウクは布製の長いローブを羽織る。


 ウウクはいつものペンダントとナイフを身につけ、弁当の入った鞄と雑貨を積んでいる。


 俺はミミズの土を運ぶために、局員や解放奴隷の先輩たちにみっちりとガッハの乗り方を仕込まれた。

 ウウクにも俺が教えたので普通に乗る分には問題無い。


 そのガッハにも荷物は積み、準備が出来た。



 「じゃ、行こうかウウク!」


 「れっつごー♪」



 俺達の合図にガッハがゆっくりと進みだす。

 街の外に出るまでは手綱を引いて石畳を歩き、門まで進む。


 門に着き、門番のフセインさんに挨拶して、ウィスキーの蒸留所の近くの森と清流まで一泊二日でキャンプに行くと伝える。


 フセインさんに手を振って、俺とウウクはガッハに乗った。

 今は朝の7時くらい。お昼前には着くだろう。





 風が気持ち良い。


 ウィスキーの蒸留所は、俺達がこの星に来た高原の湖と、ウーベントの街との北に位置する森の近くだ。


 その場所は高原から見えた山脈から流れる雪解け水などの谷川があり、そこの川を使った蒸留所と、その材料の穀物を育てる農家等が集まる集落がある。

 

 この蒸留所の名物が、この近辺のクリーチャーの代表であるプクティスの名を持つ、【グレンプクティス】。

 柔らかくて癖のないシングルモルトのウィスキーだ。

 しかしそんな名前をしてはいるが、そこはもちろんプクティスの縄張りでは無いので安全である。


 そこを目指し、テレビで見たニュージーランドやスコットランドの草原の様な起伏のある大地を歩き続ける。

 

 イングランドの様に曇っているわけではなく、風は冷たいが心地よい。


 ガッハ達も俺達も安らいだ気持ちで歩ける。



 「ここは気持ちがいいね」 ウウクが独り言の様に語りかけてくれた。


 「そうだな。ちょっと離れたらあんなにでっかい化物だらけなんて、嘘みたいだな」


 「でも、他にどんなのが居るのか気になるよね? 学校では習ったけど」


 「俺も先輩に聞いたよ。ナメクジとか、蜘蛛とか、ムカデとか、気持ち悪いのがいっぱい居るって」


 「え〜!? 私は犬とか猫とか、猿が居るって聞いたよ!?」


 「でも、高原には鳥みたいなムササビはいたけど、猫はウウクの仕留めた小さいのしか居なかったじゃん?」


 「ズロース先生は嘘言わないもん!!」


 「じゃぁ、山の向こう側じゃないの? 西側の方」


 「そうなのかなぁ〜?」


 



 この北方の陸の孤島ツンクラト地方では、霊峰の山脈を隔てた西と東で生態系が違う。


 ツンクラト地方の南西と北西側の海域と島々、そしてこの地を東西に分割する険しい山脈の壁の向こう側である西側には、多くのクリーチャーとモンスターが生息しているという。


 過去の冒険者と挑戦者はこのツンクラト地方を目指すために、母国から一番近い西側と南側の海を航行するルートで目指したという。


 しかしそこには凶暴で大きく、獰猛な怪物達とが生息し、不可思議な海流で船が航行できないような人智の及びもつかない環境だった。


 過去に数少ない海域を突破した冒険者も中には居たが、辿り着いたツンクラト地方の西部に生息する獰猛すぎるクリーチャー達に対等に渡り合えず、引き返したという。


 バーモンド・カリィはそれらを踏まえ、大きくて遠回りで、複雑な航路を開拓し、この東側への上陸へ成功したとのこと。


 そして幸運にもこの東部の土地は人が定住できるような環境だった。

 そこから歴史も始まった。


 なので正直なところ西側は「いつか行けたら良いな」程度で、本当に突破を目指す物好きな冒険野郎は滅多に居ないらしい。


 スコットさんは仕事で多少行った事があるそうだが、周りの人にはやめるように伝え、ベンリーでも受注者のギルドランクの引き上げをギルドへ通達したらしい。


 なので、山脈の東側にはモンスターは滅多に出ない。ここでは食物連鎖の頂点は人間か、クリーチャーだそうだ。





 歩きながらウウクは、飛んでる鳥や咲いている花が故郷と違うとか、地球ではなんていうの? とか、色々聞いてくれる。


 それから一緒に発音のアクセントの練習や、学校で習った歌を歌った。


 ウウクはかなり詩の暗記をしていて驚いた。


 日も高くなると、次第に目的地の渓谷が見え始める。


 農道の様な道を歩き、ミミズの土を運ぶいつものルートを通る。


 穀倉地帯や農家の村や集落が目立ち始め、遠くで農家の方がこっちに手を振れば振り返す。


 次第に川が見えたら道路に沿って登り始める。

 

 まだ紅葉をする気配のない青々とした木々のトンネルをくぐり、舗装されていない道路をガッハに乗って歩き続ける。


 渓谷を流れる川のせせらぎの音を聴き、鳥のさえずりと葉の擦れる音。


 寒い地方の9月だが、日が高いとそれなりに気温も高くなる。


 だけど渓谷の林の中は木々の清涼感が全身を包み込みとても気分がいい。


 マイナスイオンってやつだろうか?


 水飛沫を上げる川の流れをウウクと一緒に眺め、たまにガッハから降りて休み、適当なところでお弁当を食べる。  


 そして道路の標識に沿って歩き続けると見えてきた。

 

 蒸留所だ。看板もある。


 ここまで渓谷を上がってきたことは無かった。だから見てみたかった。


 そのまま自然の中に佇む木造の施設を鑑賞する。


 見張り小屋に居た雇われの兵士が挨拶をしてくれた。


 蒸留所を見に来たと告げると、急には無理だが感謝祭の日になら中に入れて、試飲もさせてくれる事を教えてくれた。


 この付近で野宿をしてもいいかを聞いたら、快く許してくれた。分かるようにと、テントにつける目印もくれた。

 

 お礼を言ってその場を後にする。


 ウウクと一緒に流れる川の畔(ほとり)の広場でキャンプをすることを決めた。


 蒸留所からも近く、木こりの営業所もほど近い。


 ここは蒸留所の敷地内なので管理と巡回もされている。


 俺達は安心して石をどけ、持ってきたボロ布の上にテントとサバイバルシートを敷いた。


 そして言われた通りに貰った目印の、赤い布切れをテントの目立つ場所に括りつける。


 後は以前と同じように薪を拾い、竈(かまど)を作り、圧縮水筒の水を鍋で沸かし、持ってきたサンドイッチの残り食べた。


 食べながらキャンプの支度を続け、夕食の準備も始める。





 大自然の中で二人っきりで俺達は誰よりもロマンチックな時を過ごした。





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





 ホーッホホー…



 遠くでフクロウそっくりな声がする。多分、フクロウなのだろう。


 日も暮れて夕食も終わり、川の音を聴きながら夜の静けさを二人で楽しんだ。


 今は二人でテントの中だ、一緒にワインを飲む。



 「…今日のはいつもより美味しいね…」


 「ウウクも飲めるようになったね」


 「うん…。でも、ビールは嫌だな」


 「でも、あれはあれで美味しいよ? ウィスキーも」


 「う〜ん、私は甘いのが良いから、この前注文してくれたカクテルが良いな」


 「ジュースと混ぜただけだけどね」



 一緒にお酒を楽しみながら寝袋を枕に抱き合いながらお喋りした。


 ウウクもワインや、薄めたアルコールなら飲めるようになった。


 いっぱい飲むとまた癇癪を起こすが、それもまた可愛いから大好きで、ついつい飲ませてしまう。

 ウウクもあの感じが嫌いではないらしく、飲むペースが上がる。


 この世界の良いところは作られたものは全て天然自然な物が多く、特殊なものでもクリーチャーの素材を使う。


 だから、よっぽどでなければその辺に捨てても問題無い。限度はあるが。

 だから俺達もワインをいつもの小さな樽で持ってきた。空っぽになったら、壊して土に埋めるだけでいい。



 「おかわりを、よそうのじゃ♪」


 「…はい。お嬢様」


 「くるしゅ〜ない♪」


 「…それどこで覚えたのですかお嬢様?」


 「学校のリリーちゃんが教えてくれたのじゃ♪」


 「ほぉ、どのような遊びで?」


 「お姫様ごっこじゃ♪」


 「…左様でございますか」



 ウウクは胡座(あぐら)で座り、木のカップに装われたワインを飲みながら、顔を赤らめ、目をトロンとさせる。



 「しょうたぁ、ちょっと持ってて」


 と言いながらカップを手渡してきた。


 「はい。どうしたの?」


 「ちょっと暑いの。髪の毛上げるね」



 そう言うとウウクは長い髪を束ね、お団子頭にし始めた。

 うなじの髪はたてがみのように背筋にそって薄っすらと生えている。

 

 髪結いの紐で髪を束ねると、そのまま上着にも手を掛け、スルスルと脱ぎ始める。



 「暑い。もっとちょうだい」


 「大丈夫? 水飲むか?」


 「うぅん。平気。おかわり頂戴♪」



 そう言いながらまたワインを飲み始める。

 一応、水筒も用意して、おつまみ代わりのリンゴも用意する。


 しかし、ウウクは開放された巨大な爆乳を上下に揺らしながらグビグビ飲む。



 「私、幸せ〜♪」



 そう言いながらウウクは寝っ転がったままの俺の太ももに器用にスリスリしてきた。



 「大丈夫? 飲み過ぎじゃない?」



 俺はウウクのおっぱいをもみもみと揉みながら言った。


 するとウウクはワインの飲みながら俺の手を取ると、俺の手を使って胸をもっと揉み、孫の手のように乳掻きに使い始めた。

 なんだか変なエロオヤジのようだ。



 「ウウク、飲み過ぎると気持ち悪くなって吐くよ? もう寝ようか?」


 「え!? ダメだよ!! 折角のお外なんだからいっぱいエッチしなきゃ!」


 「いや、それはそうなんだけど、流石にそんなに飲んじゃ。気持ち悪くなるよ?」


 「いいの!! 平気!!」



 ウウクはそう言い切ると、飲み干したカップをテントの隅に投げ捨て、捨てた勢いのまま俺に飛びついてくる。


 顔を赤くして、豊かな黄色い髪の毛をアップにして、特大の乳を俺に押し付けながら上からキスしてくれる。



「ちゅっちゅっちゅっちゅ♪」


 

 ウウクはふざけるように俺のほっぺや鼻先、口にキスをしてくる。


 だいたいウウクが自分からエッチをせがむ時は、その前日が俺が主導権を取った時だ。

 散弾の弾が出来た喜びと興奮を、ウウクに思う存分ぶつけて、さんざん胸を吸いながら攻め立ててウウクが降参したのが原因だ。


 ウウクは負けず嫌いなので、やり返したくてしょうがないのだろう。



 「くんくんくんくん♪ ちゅっちゅっちゅ♪」 



 今度は俺の胸に顔を埋め始めた。 そして俺の胸板や腹にキスの雨を降らせる。



 「ウウク、キスしようよ」


 「言われなくてもする〜♪」


 

 ウウクは返事をしながら俺の体の匂いをくんくん嗅ぎながら服を脱がせ、見えた胴体の素肌にちゅーちゅーと念入りにキスマークをつけ始めた。



 ちょっと、ウウクさん。痛いです。



 「くんくん♪ すんすん♪ ンちゅ〜♪」


 「ウウクどうしたの?」


 「ちゅ〜♪ すんすん♪ くんくん♪」



 俺の問いかけにウウクは無視しながら俺の体におっぱいを押し付け、ジリジリ服を脱がしながら鼻をこすりつけ、マーキングを続行する。


 可愛いし、面白いから声をかけるのを止めて経過を見守ることにした。



ちゅ〜っちゅっちゅ♪

 ぺろぺろちゅ〜♪

  ガブっ



 「痛っ!?」



 何故か脇腹を噛まれた。


 するとウウクは歯型の付いた部分をぺろぺろ舐め始めた。


 舐めて吸って舐めて吸ってを繰り返すと、次第にズボンを下ろし始め、俺はパンツ一枚になる。


 ウウクは顔を俺の体にくっつけながら、次第にズリズリと上半身へ移動し、とうとう俺の顔まで到達する。


 俺がいつもウウクにするように頬、鼻先、おでこや唇についばむようにキスをして、唇の先で遊ぶようにはんでくる


 はむはむっと、俺の唇を彼女の唇が優しく甘噛みして来るので、口から舌をアッカンベ~と出してみる。


 ウウクの瞳が一瞬、キラリ☆と輝きそのまま出した舌をパックンっと咥えた。



 完全に酔って、俺で遊んでいる。

 だが、いつもと違う自由奔放で自分勝手な行動と普段と違う髪型は、まるで別人と行為の様で俺は興奮した。


 ウウクはまるで女豹のポーズの様な体勢でお尻を天に突き出し、胸を押し付け、俺の舌をを舐(ねぶ)るようにしゃぶり始める。

 その手は俺の乳首に伸び、弾いてくる。



ちゅぷちゅぷくちゅっぷ♥


 はむっちゅ♥ ちゅるるるる~~♥



 俺を楽しませる為でも、自分が味わう為でない、ただいじって遊んで悪戯をするようなディープキスだ。


 ただそれしかない空間が深夜の森の中に存在する。


 それは俺を誘う発情した雌の竜でしかなかった。



 「ちゅっ ペロンッ♪チュッ ぺろん♪」


 「…ウウク、意地悪しないでくれよ。」


 「ぺろぺろ♪ してないもん♪ っちゅ〜」

  


 ウウクは俺のほっぺたにキスマークを付けるように吸ってくる。



 「ん…」 これじゃタコだ。


 「ちゅちゅちろちろ♪ じゃ、ショウタにもワインを上げるね」


 「いや、別にいらないよ」


 「飲んだら始めましょ♪」



 そう言いながらウウクは起き上がると、片手にワインの小樽を持ち、胸を寄せて谷間にワインを流しこんだ。

 胸の谷間にワインはギリギリまで注がれ、コップ一杯の量はありそうだった。



 「はい、召し上げれ♪」


 「はぁ…」



 俺はゆっくりと近づき、ウウクの谷間のワインをコクコクと飲んだ。俺は弱くはないが強くもないので、飲み過ぎると弱くなるので程々にしたかった。


 なのにウウクは面白がって、谷間にワインを追加で注ぎ始める。


 マジかよ…。


 俺は腹をくくってそのまま飲み続け、2杯分くらいの量を飲み干した。

 俺はワインの香りのする乳肉のベッドに倒れ込む様に抱きつく。


 ウウクはそんな俺を抱きしめ、足を回し、後ろへゴロンっ、と転がる。


 パンダがボール遊びするように、ウウクは上に抱きかかえた俺にちゅっちゅ、とキスを繰り返す。


 ワインの酔いが回り、クラクラしてきた俺は為す術もなく、ウウクの自由にされた。


 ウウクは左手で元気なのかも怪しい俺自身に手を添え、自分の中に誘導する。


 さらにもう片方の手でまたワインの小樽を掴み、自分の口に注いだ。


 直後に俺自信の先がだんだんと熱く蠢く淫獣に飲まれ、口には酒臭いワインの海が漂う口腔が迫ってきた。


 熱い2つの感触を上下で体感し、俺は必死に動く。

 ウウクもワインと俺の唾液のミックスされたサングリアを少しずつ飲んでいる。


 ライトの明かりをウウクが消すと、真っ暗闇の中で俺達の行為が進んだ。


 口の中のぶどうの発酵したエロいジュースが無くなると、上手く思考の働かなくなった俺はウウクに必死に助けを求める。



 「ぺちゃぺろ はふ くちゃ ウウク、おれつらいよ…」


 「かわいしょう ちゅっちゅ♪ ぺろちゅ♪いっぱいおっぱいあげるから待っててね♪ちゅ」



 分かっているのか、わかって無いんだか、ウウクは俺にキスし、頭を抱き、そのまま横にゴロンと転がった。


 途端に天地が逆さまになり、ウウクが俺の上に乗り、見えない暗闇の中でウウクは猛烈な動きで腰を振り始める。


 

 「はぁ〜♪すっごい♪ しょうた、いっぱい飲んで♪」


 口元に届けられた胸の先を舌で誘導し、懸命にしゃぶる。甘い。

 いつもよりもエロくて、いつもよりも甘い。


 濃厚で、甘いライチを飲んでいるかのような様な錯覚に陥る。


 ウウクとの激しい行為はそのまま加速し、胸の先からにじみ出る甘い蜜でいつの間にか元気がみなぎる。


 そのまま愛する行為を続け、お互いが何度か果て、胸を吸って元気を貰い、また果てる。


 ウウクもまた俺同様に俺のエキスを貪るように口にする。それがまた彼女を元気づける。


 深夜のテントの中。初夜を体験した時と同じ雰囲気の中で立場を逆転させて行為を続けた。



 「あぁ〜〜〜♪ きたきた♪ ン!」


 「はぁ、ウウク、ちょっと休もうよ…」


 「あたしまだだからだめ〜♪」





 「アンアンアン♪」





 「あぁ〜♪」




 

 「ぺろっちゅっ、もっとのませてぇ…」





 「ああっぁぁぁぁ!!!!」





 「すごいよ…いっぱい…のみきれないよ…」





 「アァ! だめへぇ!!」





 「おお♪ ダメェもれちゃう〜!!」





 「…あ!… あぁぁ!! また、ギタぁぁぁ…」





 俺はウウクがいると、いつまででも続けられた。



 めっちゃ疲れるけど。





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