第8話 ひみつ道具の出番?

ep.2-3 day / 1



 ウウクの濡れた体を拭くために、俺はバッグの中入っていたタオルをウウクに渡してあげた。

 ウウクはそれを触ると驚き、大喜びで体を拭いた。綿のタオルを始めて触ったのだろう。



 この星にも綿と、それを織る文明はあるのだろうか。



 ちゅぷちゅぷ

 ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ


 んくんくんくんくんくんくんく



 そんな感傷に浸りながら俺はウウクの釣り鐘おっぱいに吸い付き、ウウクは俺の頭をナデナデと撫でて可愛がっていた。


 「美味しいショウタ?」


 「ちゅぷ……んく…   うん…」


 そう言うとウウクは俺の頭を左手で撫でながら、右手で胸をささえる。


 ウウクの胸はいつの間にか、プルンっと突き出るように乳房が持ち上がり、下垂型から釣り鐘型に変わっていた。


 ウウクの釣り鐘爆乳は、某スレンダーJカップグラビアアイドルも裸足で逃げ出すような美しさで、実際に目の当たりにすると、その天然自然で屹立とした姿は豊胸手術や外人のスイカみたいな巨乳とは一線を画していた。


 俺はそんなウウクのおっぱいに顔を埋めながら頬張っていた。

 たまにウウクのぷっくりとしたつぼみの中身を掘り出すように吸いたて、刺激するとウウクは喘ぎ声を鳴らしていた。


 …やたら低い声で。

 


 「あ゛ぁ~~~~……良いよ~。ショウタ。もうちょっと強くお願い」



 その声は色気の欠片もない。


 ウウクはまるで婆さんがマッサージを受けるかのようにしみじみと、気持ちよさそうに胸への刺激を喜んでいた。

 

 俺の好きなように胸へマッサージさせ、ウウクは俺の頭を撫でて頬に触れてくる。


 それに俺が反応するとウウクはまた俺の頭を撫で、胸を押し付けてくるのだ。



 話しは数時間ほど遡る。



 俺は集めた薪をウウクの指示通りに組み上げると、ウウクは薪に向かって火を吐き出した。

 口から。驚いて尻もちをついた俺を見てウウクは笑っていた。


 狩りの時に聞こえた音や、今の炎の事を聞くとウウクは教えてくれた。


 狩りの時は雷を使い、今のは炎を吐いたのではなく、超流動体エーテルを外に出したらしい。

 体内の超流動体エーテルを、大気中の超流動体エーテルに影響を与えるとできる、と言われた。


 正直良くわからないので詳しく聞いたが、自分たちには普通の事だからこれ以上は説明のしようがないと言われた。

 ただ、体内に超流動体エーテルが沢山蓄えられていても、大気中に超流動体エーテルがなければほとんど発生できないらしい。



 「うーん、つまり魔法みたいなものなの?」


 「マホウ? お呪いのこと? 違うよ。病気を治したり占いとかは出来ないから。でも、元の姿で超流動体エーテルがあれば空も飛べるよ」



 うーん、何かイメージしている魔法とちょっと違うな。


 イソギンチャク男は、超流動体エーテルは知的生命体がみんな使ってて、地球人は使ってないって言ってたけど…。

 俺にやったって言う処置みたいに、脳が関係してるのかな?

 にしても俺はウウクと喋れる以外の変化は今のところ無いし…。


 !!!!



 「なぁ、ウウク。俺にもソレのやり方教えてよ。もしかして出来るんじゃないのか?」


 「そうなの? じゃーね〜〜」  





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





 はい。さっぱり分からないし、出来ませんでした。


 ちょっと落ち込んでるとウウクは、「私達の仲間や別の群れは使えるけど、他に使ってる動物は見たこと無いよ」と言っていたので、諦めた。


 あいつ(イソギンチャク男)は超流動体エーテルがあったら繁殖しないとか、老化しないとかどうとか言ってたが…。

 でも、ウウクは卵を生むらしいし…それが珍しいってことかな?

 うん。よく分からん。諦めよう。


 その後、ウウクは作った石器をさらに岩で削り、仕留めた山猫を川から引き上げると捌き始めた。


 しかし、切りにくそうだ。



 「やっぱり切れない?」


 「うん…。ちょっとね。 作ったばかりだから。でも皮は欲しいじゃない?」



 そんなやり取りの末に苦心して剥いだ皮をウウクは石器でそいだり、木の棒で叩いたりし始めた。


 俺はそんなウウクを見ながら、ウウクが切り分けた山猫の肉を、石で削った木の枝に挿して焚き火で焼いている。

 焼けた肉はジューシーだった。だけど塩などの調味料が無く、変わった臭いがしたので美味しいとは思えなかった。


 その間にもウウクは皮を叩いたり、噛んだりしていた。

 根気のいる作業だ。同じようなことを長いことウウクはし続けていた。

 そしてウウクが再び湖まで皮を洗いに行くと、俺は手持ちの荷物の確認を始めた。



 ◆俺のバッグ◆(バックパック)

 ・芋焼酎

 ・スマホ(バッテリー切れ)

 ・電子辞書(バッテリー式)

 ・財布

 ・タオル2枚

 ・ティッシュ

 ・仕事用の教科書一式とノート

 ・手帳

 ・筆記用具

 ・充電ケーブル



 うーん。やけ酒でもしたくなる内容だ。


 問題はこっち。

 例のもらったバッグなのだが、一度開けたが正直もう触りたくない。


 問題なのは中身よりもバッグ。 チャックの様な部分が生物みたいで気色悪い。

 触るとペトペトしてて、バッグの素材もゴムみたい。


 が、覚悟を決めて緑色のボストンバッグを開けて中を再確認して取り出してみる。

 ただし、中身を出してもほとんど用途がわからない。



 ◇もらったバッグ◇(ボストンバッグ?)


 ・銃?×2

 ・タブレットPC?

 ・鍋?

 ・灯油を汲むポンプ?

 ・コンドーム?

 ・レジャーシート!

 ・裁縫道具

 ・その他もろもろ…



 形から推測して間違いなさそうなのは上のだけ。

 タブレットは間違いなく俺に強制学習してきたPCだと思う。


 残りはさっぱり分からないので保留。


 とりあえずタブレットは嫌なので後回し。


 一番気になるのは、やはり銃。

 真っ先に手に取る。


 一つは拳銃みたいだけど、軽くて撃鉄がない。

 もう一つはスライド式のショットガンみたいで60cmくらい。


 拳銃らしきものを両手で握って観察する。


 拳銃の方にはちょうど撃鉄がある部分にアナクロなメーターがついてる。

 しかし、マガジンや薬莢の排出口が見えない。

 グリップを手で握り、適当にボタンを押しても反応しない。


 銃じゃないのかな? そう思っていると、撃鉄部分に付いたメーターが緑色の点滅をし始めた。



 なんとなくソレを指で触れると光った。


_ピー【”#$%&’】


 「!!? 動くのか?」



 ……しかし、何も起こらなかった。



 気を取り直してポンプ式ショットガンらしきものを手に取る。


 こっちは映画で見たライフル見たいな構造で、上部には弾を入れる遊底のような開閉弁があった。

 先台部分にはポンプする持ち手があり、折りたたみ式のストックも付いている。

 

 でも弾が無い。 


 銃の左横にはセレクターのような切り替えレバーらしきものが付いている。

 安全装置みたいだが、切り替えは3種類。

 セーフ・単発・フルオートだろうか? そうなるとマシンガンだろう。


 握って引き金を引いてみてもびくともしない。

 レバーの安全装置も動かない。  



 「??????」



 するとさっきみたいにアナクロなメーターのような部分が光りだした。

 同じように触ってみる。



_ピー【”#$%&’】



 ………?


 あ、安全装置が動いた。


 レバーを切り替えて、何もない山間に銃身を向けて引き金を引いてみる。


 ………何も出ない。いや、違う。音がする。


 弾は出ないが、銃身の中から何か音が聞こえる。


 ボルトアクションみたいな部分を引いて中を覗いたが…


 そこは黒くて、グロくて、とても銃弾を入れるようには見えなかった。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る