第2話

「維(つなぐ)は本当に絵描くの好きだよなー!サッカーしようぜ!!」



あれからというものの俺はずっと絵を描いていた。

あんな美しい絵は描けなくとも、何か近付けるような気がして。



「維くん!お花さん、また描いて!」



女の子とはこれを機に仲良くなった。

みんなはクレパスやらで書いてるけど、俺は鉛筆で書いていた。

小学校は受験するから、と言われて鉛筆や色鉛筆は常に持っていたし

シャーペンは同じクラスの子に壊されたくないからと

家だけで使っていたくらいだった。



「維君、お母さんきたわよ~」



先生の声で帰る準備を始める。


「維君の描く絵はとても綺麗なんです。子供とは思えないくらいで」


先生の声がふと耳に入る。

これはやばい、怒られる。

お母さんに何やってるのって・・



「ママー、帰ろう!」


「維・・?今日なに描いたの?見せて?」



あぁ、この顔は嫌いだなぁ。





「お花」




それでも俺は、お花君のあの笑顔を思い出して胸を張る。

ノートを母に見せつけた。

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