「自分の意志がない人間に力を与えるとどうなるか」という思考実験。

気分的には幼女戦記と結構似ている感じ。
魔法というメルヘンな要素をきちんと科学で裏付けしているところや、一人の性格が破綻している人間に過剰な力を与えた場合どのような影響が社会に与えられるのかといった部分が特に。

「剣と魔法の世界」という設定は主人公に過剰な力を与えても読者に不信感を抱かれないようにするための理由付けでしかなくて、中身はよくあるファンタジーものとは結構違うと思います。

気になるのは主人公の性格、というか心が成長しているという点で、心が成長すればするほど自分が過去に犯した罪を自覚してしまい、最終的には罪悪感に押しつぶされてしまうと思うのですが、そこをどう描くのか楽しみです。
そういった部分では悪の教典に似たような感じ。

面白いのでおすすめです。

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