EPISODE"0"
「残念ではあるが…キミには会社を辞めてもらうよ」
「なぜです?」
「わかるだろ! もうキミが居るだけで社内は滅茶苦茶なんだ」
「私のせいなんですか?」
「正直ね、キミは優秀だよ…だからこそ、周りと足並みが揃わないんだ」
「そんな理由ありますか? 大体、ここ最近の私への嫌がらせについてはどうなんです?人事部、総務部の見解はどうなんです?」
「その件については、会社は事実を把握しかねているよ…」
「つまり…?」
「つまり…そのような事実は確認できないということだ」
「ふざけるな! 箝口令を強いただけだろ!」
「キミへの嫌がらせというか…パワハラについては、キミの報告からすると、総務部のワタベが首謀者ということだが…彼女は君の叔母じゃないか」
「だからこそでしょ…自身の子供が全員中卒、定職にも就けずに長男は不起訴になったものの恐喝犯ですよ」
「会社とは関係ない!」
「私の出世を妬んでの行為なのは明白でしょ!」
「親戚の内輪もめなど会社には関係ない!」
「それを持ちこんで、さらに黙認しているのは、その会社ではないのですか?」
「我々が彼女を庇う必要はない、もちろんキミもだが」
「そうでしょうか?総務部が個人情報を私的に持ち出しているという事実は認めたくないだけでは…」
「そんなことはしていない!」
「そうですか、私はワタベから、社内の人間の給料額を聞いたことがありますが、報告もしているはずです」
「厳重注意処分としてあるが…」
「事実上、懲罰はなしでしたね」
「不謹慎な行為だと認識しているが…まぁ公にはしていない」
「庇いあいですね…」
「会社の決定にキミの意見など求めてない」
「そうでしょうね…彼女への、厳重注意は例のホテルで一晩じっくり言い聞かせたとして良いですね」
「なにを!!……そういう男だから…キミは社内に居場所が無いのだよ…抜身の刀は自分の足をも斬りつけてくるからね…鞘になる上司に恵まれなかったのはキミの不幸なのだろう」
「解雇ならそれで結構…常務…会社が、この件を潰すつもりなら、私は自身のやり方で決着を付けさせていただきますので、そのおつもりで」
「社長から、言付けを預かっている…退職金は上乗せしておく、今までご苦労だった、力に成れずにすまない。だそうだ」
「そうですか…」
僕は、本社を出て向かった先は…仕事で知り合ったチャイニーズマフィアの店。
「なぁ…銃と弾を100発くらい調達できないか?」
「カタヤマさん…アナタは、やっぱりコッチの住人ヨ…銃あるよ、古いリボルバー、警官が紛失させたブツの横流し品ネ、公になってないから、大っぴらに捜査もできない…線状痕から特定は早いヨ、だけど…公にはできない…捜査は後手になるネ」
「それでいい…今日、持って帰れるかな?」
「OKネ…2時間ココで待つヨ…100発とはね…撃ち切る前に捕まるヨ…アンタ」
私は、店を出て、新幹線で自宅へ帰った。
途中、ローカル線に乗り換えて無人駅で降りた。
錆びたコインロッカーにリボルバーと銃弾を放り込んで…。
No13…DEATH13 死神を住まわすにはいい番号だ。
「捕まるか…その前に…自分に撃ちこむさ…」
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