第3話 ナチュラルorプロセス

 唐辛子は当面、乾燥モノで代用するコトに。


 実際のところ、煮てしまうと獅子唐も乾燥唐辛子も切っていようと丸ごとだろうと味的に大差は無くなる、あとは「大量」に投入すると言う選択肢だが、ただ「辛さ」を増すだけという感じしかしないので「料理」としてそれはどうなのか?と言う疑問が残った。

 乾燥モノのみで調理した場合、10本程度煮込んだ出来上がりに乾燥物を5本程度散らすのがの「旨い」と思えるのが自分の舌。見本とかけ離れるが「美味しくて激辛」と、ただの「激辛」には明確に差があるだろう。ま~最後は「その人の好み」か、、、

 「ナマ」は使えるようになる「旬」を待つしかない、数回の調理で感じは「掴んだ」?あとは繰り返して微調整しながら見本に近づけて行く。


 それが「彼女」の言ったエマダツィになるかどうか?だが自分に出来るコトはそれしか無かった。


 そしてエマダツィのもう一つの主役、チーズ。


 ダツィ(チーズ)料理と言うほどだから、こっちが真打と言ったほうが良いのか?

 さて、男子がたまに料理をしようとすると、変に材料にこだわったり、やたらと高級そうな?食材を使いたがる。

 エンゲル係数など丸無視で、奥様方や日々料理に手慣れた方すれば「ばっかじゃね~の」といった傾向がありがちでは無いだろうか?


 へ?俺だけ?


 ま~普段生鮮食品や乳製品の売り場など回ることは滅多に無い訳だから、種類豊富な品々に目移りする。 

 「お、これ旨そう」と思ったモノを買い物カゴへ、チーズだけも5、6個買っだろうか?ふとその時目に付いた「ナチュラル」の文字!


 ナチュラルとプロセスってどう違うんだろう?


 そんな疑問を解消すべく一品を買い物カゴへ、そしてまた一品、粉チーズ。

 手に取ってじっと眺める、スパゲッティーなんて洒落たモノが滅多に食卓に上る事など無かった子供時分には、ここぞと振りかけて食べたな~と思い出と共にカゴへ。


 さてチーズで味がどれぐらい変わるだろうか?ココで手に入るのは精々カマンベールにモッツアレラ、あとは切ってるとか?とろけるぐらいの違い?

 だが料理でその微妙な味の違いを幼い味覚が感じる事は無なかった。全く商品開発された方には実に申し訳ないな。

 そして満を持して?ナチュラルチーズでの調理に取掛った。ブータンではヤクの乳を使ったナチュラルチーズで作ってると思うから、本場の味に近いモノになるんじゃなかろうか?

 袋から出したその白くて餅の様な姿が旨そうだ、あとでまた買ってトマトでも切ってバルサミコ酢で食べてみよう。


 だが期待したその出来上がりは、正直、ガムを噛んでいる様だった、、、


 これまで作った中で最悪の出来だ!う~ん何が違うんだろう?袋に入ってた「水」も鍋にれたからか?モッツアレラだからか?サラダ油、塩との相性か?もともと加熱とチーズの相性が良くないのか?とろける系もどちららかと言うと加熱後の固まる速度が速かったような。


 とま~ナチュラルには期待外れだった訳だがダークホースが表れた。


 粉チーズ!その溶け具合は今までになく良い感じ。


 考えてみりゃ~アレだ、チーズフォンデュとかでも粉みたいなの使ってるよな、いや~これは盲点だった。


 これまで調理で材料の良し悪しや特性を掴んだと思う、大収穫だ!

 あとは旬を迎えナマ唐辛子を手に入れて「本番」を迎えるのみ。


 それにしてもこの料理、「玉ねぎ」が旨め~!


 あれ?

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