第2話 辛ぁ~い?
「生」唐辛子探しに疲れ、季節の移り変わりを待つしかないと諦めかけた時、何気に立ち寄ったスーパーので「ソレ」を見つけた。
「獅子唐」
生鮮食品売り場にシシトウと書かれたパックを発見した。色こそ緑だが、唐辛子ソックリ!それもそのはず、獅子唐と唐辛子はナス科トウガラシ属の果実。
閲覧したレシピの画像も赤よりも緑の唐辛子が多く使われてた。確か獅子唐も辛かったはず、これイケんじゃね~の?と、俺は喜び勇んで「獅子唐」を購入。
これで唐辛子以外はレシピ通りの材料の入手した、そして最初の「エマダツィ」に挑戦した。
まずチーズ、悩んだ末にスライスとベビーチーズを1人前の分量で半分づつ使うことにした。チーズを加熱すると溶けると言うよりも焼け焦げるイメージがどうしても頭から離れなかった、チーズ煮と言うくらいだし、参考レシピ画像もシチューかカレーのような餡かけ状。煮込む時間も15分程度と短いため「早く溶ける」事が良いように思われたからだ。どちらが適しているのか?一度やってみてどんな具合になるか確かめたかった。
そして唐辛子、初めだから無茶はすまいとレシピ通り?に獅子唐と乾燥唐辛子を5本づつ縦切りにする、辛さを調整したいときは種を減らせばいいらしい。
そしてこの料理もう一つ具材、玉ねぎ。1ミリくらいの幅で横に切る、こうすれば玉ねぎは直ぐに煮える。
チーズを適当な大きさにちぎりって乾燥唐辛子と共に鍋に、水・サラダ油・塩を加えて弱火で煮る、、弱火?、、弱火ってどれくらいだ?ぶっちゃけて良く解らない。
適当に火加減を調整したのち待つこと10分、ブータン料理は混ぜてはイケないと書かれたレシピ、チーズが解けてきたら混ぜろと書いてあるレシピ。
悩む、そして混ぜない事を選択、とは言うものの、焦げ付かせない様にとの指示により、時計を見ながら時々鍋の中身を確認、火加減も強めたり弱めたりと落ち着きなくイジり回す。
大丈夫か?俺?
10分たった。蓋を開け中を確認、チーズは溶けているようだが何となくレシピの様にはいっていない。
火加減か?
などと悔やんでも後戻りは出来ない、とにかく「ナマ」獅子唐を投入し、煮込むこと5分、そして最初のエマダツィ?が完成したのだった。
皿を取り出し飯を半分いれその横に大体1人前のエマダツィを小鍋からそのまま移す。
う~ん、やっぱりカレーに見える。
実食!!
(´~`)モグモグ、、、う、うめ~。
我ながら初めてにしては上出来だ。味が濃いのが好みだから、最初は塩が少ないかな?とも思ったがチーズの塩分が染み出たのか実に良い塩梅。
白飯にトロリととろけたチーズが絡まり絶妙だ、肉っ気も出汁も使ってないがチーズの旨味とコクが充分にその役割を果たしている。
煮込んだ玉ねぎはエキスを吸い、それは口の中で肉汁の様なスープと柔らかい料理にチョットした食感を与えてくれた、ピリ辛なスープもほど良い!
は~、ご馳走様。旨かった!
、、、あれ?と、唐辛子は?し、獅子唐は?
そう、「唐辛子のチーズ煮」を作ったはずだがその存在を感じる事は殆どなかった。
辛いっちゃ~辛かったが、少なくともレビューで読んだ程の激辛では無かった。
俺は残ったシシトウを「ナマ」のまま口に放り込んで咀嚼した。
う~ん、辛くない!
そりゃそうだ、だって「獅子唐」って辛くない唐辛子なんだもん!
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