休暇
今朝携帯を覗くとアロガンからメッセージが入っていた相変わらず仕事のお早いことで
今週の水曜に場所指定で集まるようになっている
「今日含めてあと3日かぁ...」今は彼女の家に向かっている実家を出てから行くあてもないので彼女に連絡を着けたらOKが帰って来た
車を飛ばして数十分、高層マンションに着く。相変わらず見あがると首の骨が痛くなるような高さだ
彼女とはもうぼちぼち10年ぐらいになる中2ん時だったからな自然につるむ仲から彼女として接しだしたのは
まぁ、アイツは頭も良くて高校・大学と違うところに通って今ではこんな高層マンションに住めるような金持ちそれに比べて俺は学も能もないから命を張って仕事をしてコイツより給料が下...考えるだけあほらしい
「おかえり」中から声とともにドアが開けられる。早朝だってのに嫌な顔一つせずに迎えてくれるこんな良い女に若いうちからめぐり合えたことは俺の人生最大の幸福だろう
仕事の都合上合えるうちに会わないとと思ってるんだが「無理しなくても良いよ」こんな言葉をかけてくれる女だ
まぁ、本心かどうかは置いておいてだ
正直何の予定もなく早朝から彼女の家にチャイムならしに行くとすることが無くて気まずい雰囲気になるのに今更気づいた何度切り返しても過ちは減らない
なんて思いながらソファに腰掛ける
「はい」と言って、カップが差し出される中身はコーヒー「コーヒーは」といいかけたところで
「アイスはミルクあり砂糖なしホットはミルクなし砂糖あり」と先に言われて口を窄める。
遊びに行くにしてもどこも空いてる時間じゃない...こういうときにすることは学生のときから決まって映画を見るようにしている
何時からかは忘れたがいつの間にかそれが二人の間の暗黙のルールになっていた。
(近くのモールや遊園地とかが開くにはあと三時間とちょっとってとこか)
テレビをつけてレンタルショップを開くとすぐにめぼしい映画が見つかった
ジャンゴ -繋がれざる者-
見た後に奴隷SMプレイする気が無いなら彼女とこの映画を見ることはおススメしない
まず、設定としてほとんどの女が奴隷なのだ
それに作者はタランティーノ奇抜な配役に残虐描写に受け狙いの多い会話とギャグ
それになれると感激は薄れるし、好き嫌いがはっきりして万人受けとはとてもいえない
タランティーノ作品が好きな友達と見るかお一人様用の映画だ
そんな映画を文句ひとつ言わずコーラとお菓子を用意してに見てくれる女はそんなに多くないと思ってるし
こっちも相手の好きな映画につまらない感想をいうだけでなくいろんな視点からものを言って議論が白熱したりとなかなかに楽しい時間をすごせる
見終えるといい時間になっていた
「ぼちぼち出るか」といいつつ俺は台所に入る
コーヒーカップやコーラのグラスやらの洗い物を片すのが俺の仕事だ
その間に兎乃が化粧やらをするらしい
思うところは腐るほどあるが異論は唱えない。というかついこの前も唱えて議論の果てにボコボコにされてとこだ、勝てない喧嘩はしない これ鉄則
久々の休暇おまけにかわいい彼女とのデートだ
お互いいい歳になったのかな...なんて事をたまに思う、多分兎乃は結婚を断らない
問題があるのは本人である俺のほうだ未だに決めかねている中でひとつの決断をした
〔次のを最後にこの仕事から足を洗って結婚しよう〕と
彼女との楽しいデートを終えて大人の時間を作る予定だったがデートの途中で「何考えてるの?」と言われてしまった。
俺は取り繕う事も考えたがコイツの前でそんなことするだけ無駄なことは分っていたので正直に話す
「また、2日後仕事に行く。長くなると思う」
「ふーん。で?」
「帰って来れる保証もないから最後になるかもしれない」
「ほぅ?」
「帰ってきたら迎え入れえてくれるか?」
「そりゃあ、ね」
「じゃあ、コレ渡しとくから」カバンから指輪を取り出す
「うん」
「あのさ、ちゃんと言うわ」ここまで言った時に妨げられる
「帰ってからにしようか?」
「いや、だから帰って来れる保証が、」
「帰ってからにしようか!」声が大きくなる。
本当は嘘でも絶対帰ってくるよと言うべきなんだろうが、出来なかった
「お、とりあえずなんか買ってくるわ」
どうしてこんなセンチメンタルなんだろうなんて思いつつ逃げるように飲み物を買いに自販機まで来てしまった。
帰ると彼女の姿がそこになかった
携帯には一軒の通知
「帰ってからにしようか」
どうしてこんなにも下手なんだろうかと思いつつ深い深いため息をつく
残り2日
家に帰っても無気力状態にあることには違いないがとりあえず筋トレを行う
そろそろ体を動かさないとマズイいざという時になって後悔するのだけは御免だ
何も考えなくていいように一心不乱に筋トレを続けたまに休憩を入れる
遂に集合の日になる
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