「ま、だいたいの察しは付くがね。」

　さすが、源内。

　真相をお見通しのご様子。

「……」お里はジッと下をうつ向き、黙ったまま。

「つまりだ。お里さんは、どこぞの大店（おおだな）の愛人（おめかけ）さんだった。

　ところが、いつまで経っても子供が出来ねェ～……。

　って、事で、早い話がお払い箱ってヤツになっちまった」

「そ、そんな……」六平はお里を見た。

　お里は、畏（かしこ）まったように小さくなっていた。

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