第15話:恥をかかせないで

「後生です……」

 ついに我慢できず、お里は自分から抱きつき、六平の口に唇を寄せていった。


「うう、お里さん……」


「お願いです。これ以上、恥をかかせないで……」

 そう言うなり六平の口に舌を潜り込ませた。


「そ…ンな……」


 おいおい、六よ~。

 そんなも、こんなもあったモンか。

 初夜の処女おぼこじゃあるまいし……。

 いい加減、観念してくれってモンだ。


 さっきから旦那が怒って帰っちまうじゃね~か。


 今、しばらくのご猶予を……

 旦那、これからが見せ場ですから……


 え、そりゃぁ、も~聞ききた。

 まったくですな~……」





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