第9話:鴨がネギ背負って

「ちょ、ちょ…、待ってくれ~…❗❗❗」

 いったい何を待つって言うのか。

 このに及んでも真面目な六平。


「お里さん、落ち着きましょう。ねぇ」

 って自分が一番、落ち着いてない。

 

 お里の方は腹くくってるのか。

「はい……、六平様も落ち着いて下さい」

 優しく微笑んだ。

 

 六平の方はと言えばアタフタして、

「て、て、手を放して下さい」

 お里の太ももから手を放そうと必死だ。


 何をやっているのか、せっかくカモがネギ背負しょって、首まで鍋にかって出てきたってぇ、言うのに……


 旦那だったら一気に、こういただいちまうって……!!


 ああ、そうでした。

 そうでした……

 奥方が……(笑)」


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