第7話:布団の中

「布団の中に入った六平は、お里に背中を向けて横になっていました。


 背中には甘いお里の息遣いきづかいが感じます。


 ドンドン身体が熱くなっていきます。


 新婚初夜の女房おかみさんのようです。

 え、ああ……

 女房おかみさんは旦那より、ずっとズ太かったって……(笑)


 ま、大抵は男の方が気が小さい。


 六平も耳掻きの皿よりも気の小さい男ですから……


「六平さん……。こっち向いて下さい」

 お里に呼ばれても、かたくなに、

「いえ、私は……」

 振り返ろうとは致しません。


 も~、旦那だったら振り返るどころか上に乗って、暴れようが、何しようが……

 え、ああ、奥方が……

 これで……(笑)

 失礼しました。


 一方、六平の方はと言うと……

「そんなに、お嫌いですか。

 私の事が……」

 仕方なくお里は六平の背中に問いかけます。


「いえいえ、違いますって……」

 やっとお里に面と向か合った。

「嫌いなワケがないですよ……」



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