第37話 姪VS母『タブレット操作編』

 ツイッターでもたまに姪のことをつぶやくのだが、先日ふと見返してみるとこっちにも残しておこうと思った話が数点あったのでカクヨム用に加筆していこうと思う。


 姪は1歳の頃からスマホやタブレットをよく操作していた。

 勿論、最初は正確な使い方を理解している訳ではない。よく見る大人の動作を真似しているだけだと思う。

 しかし、その小さな親指と人差し指をピンと伸ばし操作する手つきは1歳とは思えないほどキマっていた。『キリッ』『キラリ』と効果音をつけたい程のキマり具合だと断言できる。


 そんな姪がある日、勝手にスマホを操作しアニメを見ていた。2歳でそんなことができるのかと驚く一方で私は母を見た。


 母はタブレットを日頃から使用している。

 だが、操作をよく理解しておらず小説を読むにしてもボタンを押す度に確認してくる。もちろんその指先はオドオドしており、同じことを私は何回も説明した。

 一週間ほど経つと一人で小説を読めるようになったが、意図せず画面が戻ったりすると毎回聞いてくるレベルではある。


 ある日、姪がタブレットでアニメを見たいというので望む通りにしてあげた。

 母と姪はタブレットを覗き込みアニメ鑑賞を始めたので、私は少し離れた場所で調べものをしだした。

 しばらくすると二人が騒いでいるので聞き耳を立ててみると、どうやら誤ってアニメの動画とは違う画面になってしまったらしい。

 母は懸命にタブレットに話しかけていた。


 「先ほどのアニメの画面に戻して下さい」



 『タブレット相手に丁寧に懇願する母』と先日『勝手に操作して動画を見ていた姪』。二人の姿に私は時代を感じた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る