第34話 クリスマスのサプライズ

 2020年12月25日の出来事である。


 クリスマスといえば恋人と過ごす人も多くいることだろう。まぁ、私は旦那も彼氏もいないので関係のないイベントであるがーーーー。


 その日の昼、私は姪の面倒をみていた。

 昼食を二人で食べていると姪が突然立ち上がり座っていた私の手を同じく両手で包み込んだ。


 『なんだろう?』と頭の中はクエスチョンマークで一杯だった。ただ、凄く真剣な眼差しだったのでこちらも真面目な面持ちで目を合わせた。


 「ととちゃん、結婚しようか」


 まさかのプロポーズだった。

 3歳3ヶ月の姪がどこでそんなことを覚えてきたんだろうと驚いて返事はできなかった。



 食後の食器を片付け、今しがたぶりに顔を会わせると姪は何事もなかったかのように椅子に座り寛いでいた。だが、目が合うとーーーー。


 「ととちゃん、結婚しよう」


 先程より強気な口調で迫ってきた。

 何故かそのまま二人でダンスという流れになったのだが、後で考えると無言の『YES』ととられる行動ではないか。しかし、まさかそのあとーーーー。


 「ママとは沢山、結婚するのっ!」


 と、言われるとは思ってもいなかった。まぁ、子からすれば当たり前だろうが上げて落とされた気分になった。

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