第27話 私は痺れた

 実家で父、母、姉、姪、私で夕食を食べていたある日。

 食事が終わるまで私は珍しく正座をしていた。

 いつもは掘り炬燵に足を下ろしているため久しぶりの座り方。当然ながら足は痺れてしまった。

 食後、何とか立ち上がって一歩進むが、その足から伝わる痛みを誤魔化すように声がでた。


「あいててててててててててててててて、あいてててててててててててて」


 ふらふらゆっくり進むたびに口は勝手に呟いてしまう。


 一足先に食事を終えていた姪はそんな私を見て、同じ言葉を言ってきた。


 「あいてててててててて、あいててててて」


 ふらふらした千鳥足は先程まで一人でしっかり二足歩行で遊んでいた時には見せなかった姿。

 あっちにふらふら、こっちにふらふら。

 倒れそうなのに倒れない見事な千鳥足。私は今まで見たことがない。

 それは1歳6ヶ月という年齢が為せる技なのかは不明であるが、そんなわが子の行動を見た姉がフッと笑い私に一言。


 「馬鹿にしてきてるよ」


 「……………………」


 内心、泣いてもいいですか?と尋ねたのは秘密にしておこう。

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