第26話 姉様は水嫌い ※イジメ的要素あり

 サブタイトル通り姉は水が苦手である。故にプールはあまり好きではない。しかし、私はそれがとても納得できないのだ。

 あれは夏休みのこと。私が幼稚園児で姉が小学校低学年だった時である。姉よりも二歳年上の親戚の子と三人で学校のプールへ遊びに行った。

 学校のプールの真ん中は両側よりも深く作られている。そのことを事前に教えてもらっていた私は爪先立ちになりながらも端っこで一人遊んでいた。長身な姉たちはといえば私を置いて真ん中で二人で遊んでいた訳だが、私も楽しかったのでそのことについては何も思わなかった。

 だが、しばらく経つと姉たちが私の所にやってきて『一人では寂しいだろうから真ん中に抱っこして連れて行ってあげる』といってきた。そんなことなど思っていなかったので断ったが何度断っても誘ってくるのに根負けし『①絶対に真ん中で離さない②早く端っこに戻ってくる』という条件で連れて行ってもらうことにした。

 抱っこをして連れて行った姉たちは真ん中まで着くと急に私を支えていた手を離し数十秒経つとまた支えた。水中と空中を行き来した私は息をしようとして大量の水を飲み、どちらが水中か理解できないほど何回もやられた。

 今になって振り返れば、下手したら死んでいたと思う。これがトラウマになっていないのは私自身不思議だが、それ以上に姉が水嫌いという方が不思議な上に納得できないのはしょうがないと思う。

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