第3話 姉の学生時代
姉は外面が物凄くいい。
ただいいのではない。物凄くである。
私と弟からすれば信じられないことではあるが、高校生の頃は優等生で背が高く美人といわれていた。
そんな姉は多趣味である。
学生時代はアニメキャラのコスプレに嵌まっており、それ関係で他県の人と知り合ったりもしていたみたいである。ただ、このことは本人は秘密にしており、勿論家族にもバレていないと思っている。
衣装は自分で造っていたが当時演劇部に入っていた為、劇で使う服といえば家で怪しまれることはなかった。では、何故私にバレているのかというと本人が理由である。
姉は片付けが出来ない人間だ。どの位かといえば部屋がゴミ屋敷と化しておりドアの前から既に物が溢れている。
無頓着に置かれた大量の布や小物、写真やプリクラ。これでバレないと思っている方がおかしいだろう。
一つ勘違いしてほしくないのは誰も意図して見たわけではない。時には隣にある私の部屋の前まで姉の品は迫ってきてるのだ。それらを整理しなければ自室に入れないとなれば嫌でも片付けるしかないだろう。
本人に言っても動かない上に休日は遊びに行かれてしまうのだから仕方のない。
だが、当然捨てなければ物は減らず時には本人の了解が必要な品物もあれば不要な物もでてくる。その判別の為には見る以外の選択肢以外ないだろう。
勿論、バレたくない品があったならばこっそりと奥の方に置いていた。
故に姉は未だに身内にコスプレ趣味がバレていないと思っている。
確かに両親には確実にバレていない。それは、私の密かな協力もあってのことだが、妹の心 姉知らずである。
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