ねむいけど次実技です。
学園長室から退室した悠太は、学園長が言っていた交換条件をふと思い出し、その中で必ず授業中に睡眠ができるとは言われていなかったことに気づくが、聖魔祭にエントリーすることを了承していたためもうどうにもならない状況に後悔してしまう。だんだん足取りが重くなる中、嫌なタイミングでそいつは一目散に話しかけてきた。
「悠太ー?なんて怒られてきたの?」
「なんで怒られる前提なんだよ」
「えーだって悠太だし」
「どんな超絶理論だよ!」
この如何にも高嶺の花という言葉が似合うこの少女はヴァルシィ学校で一番仲良くしている女生徒『
『序列』とは、学園内の全生徒の強さの順位だ。悠太は入学してから一度も試合をしていないため圏外である。
「で?ほんとうは?」
「なんで俺が嘘ついたみたいになってんだよ。取り敢えず怒られてはいないが聖魔祭にエントリーしろってさ」
「なるほどね~、まあ悠太なら余裕でしょ?」
「そういう問題じゃねぇよ。あぁあぁ俺の極楽睡眠計画が~」
「あはは、相変わらずだね悠太は」
美桜は相変わらず寝ることで頭がいっぱいな悠太に苦笑いをするが、当の本人は全くぶれることなくどうにかして聖魔祭出場を回避できないかと必死に考えを巡らせていた。
「あっそういえば次の授業実技だね。悠太早く行こ!」
「俺はパス」
「そんな事言ってないでほらさっさと...移動を...」
強引に引っ張って連れていこうとするが悠太の体はピクリとも動かない。美桜もさすがに諦めたのか、ため息をこぼしながら説得を試みる。
「なんでいかないのかな?」
「は?何当たり前なことを聞いているんだ?そんなもん寝るからに決まっているだろ!」
「ですよねー」
こいつ何言ってんだ?といわんばかりの顔で当然とばかりにドヤ顔で
「じゃあさ、もし一緒に行ってくれれば次の授業先生に悠太が寝ててもいいように言ってあげようかな〜なんちゃって」
「よし!!行こう!!!!!」
「あはは、ほんと悠太って正直だよね」
悠太は肩をを交互に大きく振りながら、満面の笑みで教室から出る。そのはしゃぎはいつもの悠太とは違い、美桜はそのはしゃぎっぷりに年相応に見えた。
☆
「おい、次実技だしやっちゃうか?」
「そうだな、いい機会だ。ここで立場ってもんをわからせてやろうぜ」
「そうだな、俺らより劣っている"劣等生"をみんなの前でボコボコにしてやろう」
「私もそれに賛成」
「私も」
「俺も」
「俺も」
「私も」
「僕も」
しかしこの計画こそが後々後悔することをまだクラスメイトたちは知らない。
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