1日目も終わり、一段落かとおもったら想定外(俺)のハプニングに見舞われました side恵
なぜか私も参加した氷堂さんのライブもなんとか無事に終わって、私たちはその後晩御飯を食べに行ってからホテルに戻った。
「今日はなんか濃い1日だったな~」
って倫也くんは言ってる。その通りだなって今日は思いながら、
「そうだね~、でも私は知らない人ばっかりだったからそうでもなかったけどね」
って返した。私が今日濃かったというか、大変だったのは、氷堂さんのライブの時だけだったけど、倫也くんはこの業界の超大物で、私たちのサークル『blessing software』から霞ヶ丘先輩と英梨々を強引に引き抜いた紅坂朱音さんと新幹線の中で遭遇したりしてたから大変だったと思うな。でも紅坂さんと何だか仲良さげだったからちょっとだけムカッとしてしまったのは、倫也くんに言っても仕方ないから心のなかにしまっておく。
「あれ?朱音さんに会ったこと無かったっけ?」
「うん、確か初対面だったと思うよ?」
「そっか。まあどっちにしろ楽しかったな。こんな楽しい日が後3日もあるんだから、楽しみだよな」
「そうだね………………………本当は二人きりが良かったんだけどな」
「ん?恵なんか言った?」
「ん~?鈍感ラノベ主人公な倫也くんには聞こえてないならいいよ」
「なにそれめっちゃ気になるんだけど⁉」
何て会話をしながら二人で笑い合いながらさりげなく私は倫也くんを見つめていた。
「まあそんなことはおいといて、明日はどこに行こうか?」
「明日は無難に世界遺産巡りとかでいいんじゃないか?」
「あれ?アニメショップはもういいの?」
「いやいやさすがにそこまでいいから!普通に楽しもうぜ?」
「とか言いながら今日は結局アニメショップ巡りしてたけどね?」
「すいません‼」
「…まあいいけど。で、最初はどこに行こうか?」
「ん~、清水でいいんじゃないか?」
「……そうだね。そうしようか」
「どうしたんだ?恵どこか行きたいところあるのか?」
こういうときだけ鋭く気づく倫也くんはある意味すごいと思いながら、私は少し遠慮がちに行きたい場所を言った。
「う~ん。平等院かな?まあ目的は平等院よりも宇治抹茶なんだけどね」
「じゃあ、明日はまず宇治に行こうか」
「いいの?」
「うん、俺は恵が行きたいところに行きたいんだ」
そんなことを無意識無自覚で言ってくる辺り、コンタクトにしたことによって美形の部類に仲間入りしてる倫也くんは知らない間にいろんな人から好意を持たれてそうだな何て思いながら、明日の目的地も決まり、明日の朝ごはんの話もして一段落ついたところで、
「じゃあひとまずお風呂入ってくるね」
「ああ、どうぞ」
ここで私の中のいたずら心が働き、半ば無意識に
「……一緒に入る?」
何て言ってしまった。倫也くんは
「何言ってんだよ恵⁉」
ってかなり動揺してたから
「冗談だよ」
って付け加えておいた。正直言った自分が1番恥ずかしかったことはおいといて、私はお風呂に入りながら軽くため息をついた。
「倫也くんにちゃんと伝えないとこのまま離ればなれになるのは嫌だな。せめて砕け散ってもいいからこの思いと夏休みから隠してたことを後3日のうちに伝えないと……」
この時私は、英梨々にしか伝えていない、倫也くんにすら言えていない秘密というか、倫也くん的に言ったら『転』を抱えていた。そして、私のなかでこの事は最終日に言おうと決めて、お風呂から出た。
そして、倫也くんもお風呂から出て、私たちは10時過ぎにそれぞれのベッドで眠りについた………
のは倫也くんだけだった。私はどうしても眠りにつくことができなかった。そして、私が寝たのは日付が変わった12時過ぎだった。
それなのに5時過ぎには目が覚めてしまった。そこで私はこの理由が、倫也くんと一緒だからだと結論付けて、倫也くんにも同じ気持ちをくらってもらおうというちょっと悪魔な面が出て、倫也くんを起こさないようにこっそりと倫也くんのベッドに潜り込んだ。すると、なぜだろう、眠気が強くなってきたので、そのままで寝ることにした。
でもまさか、倫也くんに揉まれるとは思ってなかった。
だから、元の原因は私にあるのに、
「セクハラは良くないよ?」
何て言ってしまった。まあ2回も揉んだのだからそのくらいは言ってもいいかな?何て思いながら、倫也くんは完全に目が覚めているようだった。
こうして、私は心の奥に密かに決意を宿しながら、ひとまずはこの旅を楽しもうと倫也くんと朝ごはんを食べに出た……
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