遂に着きます‼京都です‼さあ最初の目的地は?
電車は米原駅を通過したので、そろそろ俺たちは降りるための準備を始めた。今回は、恵からの誘いだということと、京都ということもあって、グッズショップ巡りをするつもりはないので、恵に聞いてみた。
「なぁ恵、着いたら最初どこ行くんだ?」
「う~ん?まだ決めてないんだよね。」
「………え?」
「いや~倫也くんだったらこういうときでもアニメイトとか、ゲーマーズとか、後京都だったら、京アニショップだっけ?とか行きたいって言いそうだったから、ノープランでも行けるかなって。」
「いやいや、さすがに恵からの誘いなのにアニメイトとか行かないから⁉もっとちゃんとした観光地行くから‼」
「ふふっ、さすがはTAKIくん、筋金入りのオタクね。誘った側の加藤さんがそんな風に考えて、それを受け入れているのもすごいとは思うけど。」
「倫也くんはそういう人なので、まさか行かないとか言うとは思ってもいなかったんですけど……」
「俺だってそこら辺の分別はつくから⁉」
「ははっ、まあいいじゃないか。無難に京都タワーとかから行ったらいいんじゃないか?」
「あの朱音さんがそんなまともなことを⁉」
「君も失礼だな。私だって一応君たちみたいな関係の奴がいるんだ。そんくらい考えるさ。」
「え?なにそれ聞いてないんだけど茜⁉」
「あれ?言ってなかったっけ?」
「だってこの前、『私たちはもう女としての喜びは捨てたから』みたいなこと言ってたじゃない‼」
「あ~、そういやそうだったかな?で、確かお苑は『私はまだ諦めてないから』とか言ってたんだっけ?」
「そうよ‼なのに、まさか茜にまで先を越されるなんて。」
「これで私たちの世代でそういう話がないのは、お苑だけになったんじゃないか?確か千歳も結婚したって言ってたし。」
「え?なにそれ聞いてないんだけど?」
「まあいいじゃないか。ともかく、無難に京都タワーとかからいったらいいと思うぞ。」
「朱音さん、ありがとうございます。」
「倫也くん、そろそろ着くみたい。」
恵にそう言われて外を見ると、京都の碁盤の目のような街並みが広がっているのが見えた。アナウンスも、「間もなく京都、京都に着きます。お出口は右側です。」と言っているので、席を立ち、朱音さんと町田さんに挨拶をして、ドアへと向かった。
「着いた~」
体感時間5時間以上(実際は2時間ちょい)の移動を経て、遂に京都の地に降り立った。時計を見ると11時半、お昼には早い気もしたが、今日は朝も早かったので、先に昼ごはんを食べることに。
「恵はなにか食べたいものあるか?」
「う~ん、特には無いんだけど、軽めのものが食べたい気分かな。」
「じゃあ喫茶店にでも入るか。」
「そうだね。そうしようか。」
そういって、俺達は京都に来たのにいきなりスター○ックスコーヒーに入るっていうちょっと残念な感じだけど、まあ俺と恵だからそうなるのも仕方ないと思ってほしい。
「じゃあ今日のスケジュールを決めよっか。」
「そうだな。どうする?最初は朱音さんの言った京都タワーにするとして、その次だよな。」
「そうだね。う~ん、五重塔とかはどうかな?」
「おっ、じゃあ次は五重塔に行って、その後は駅ビルでも回ろうか。あっ、そういえば恵さ」
「ん?」
「ホテルも予約してくれたって言ってたけど、どこ予約したんだ?」
「え~っと予約してくれたのは親なんだけど、確か『ホテルグ○ンヴィア京都』って名前だったと思うんだけど。」
「そんな高いとこ⁉お金はどうしたんだ?」
「朝も言ったけど、親が『頑張って』とか言ってたでしょ?その一環で、なんかホテルは取ってくれたみたい。お金も払ってくれたよ。そうそう、倫也くんにお金の心配はいらないから楽しんでって伝えてって頼まれてたよ。」
「そっか。なんか申し訳ないな、2部屋もとってもらって。」
「え?何言ってるの?2ベッドで1部屋だよ?」
「いや恵こそ何言ってんのかな⁉」
ここで俺が知らない事実が発覚。俺はてっきり、一人一部屋だと思っていたが、本当は二人で一部屋だった。さすがにまずくないか?と思ったが気づく。楽しんでの本当の意味に。その瞬間ちょっと顔が赤くなってしまった。まあその前から既に恵の顔は赤かったことをここに明記しておく。
「まあ、それは今からどうこうできることじゃないから諦めて相部屋楽しも?」
「そうだな、楽しもうか。そのためにまず食べ終わろうか。」
俺達はまだ食べ終わっていなかった昼ごはんを食べ終え、駅から程近い京都タワーへと向かうことにした。
「ん?あれは倫也くんと加藤さん?」
「ほんとだ、
「うんうんっ。あの二人、まさかあそこまで進んでるとは!」
「え⁉トモがいんの?しかも加藤ちゃんも?じゃあ声かけにいかないと‼」
「………今はあの二人に近づかない方がいいと思う。」
京都タワーへと向かった俺と恵はまだ、この時影から俺達を見つめていた女性4人と男性1人の存在をまだ知らなかった。
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