第十四夜/ゲーム語り/『サンリオキャラクターズ スポーツフェスタ』
1.ゲーム概要
デザイナー:尾根ギア
ゲーム種類:カードゲーム
プレイ時間:10分(著者実測:10分)
プレイ人数:3~5人
定価:110円(税込)
3つの競技のカードを出して、運動会のヒーローになろう。
一番になれなくてもあきらめないでね。
特別賞カードがもらえるかも。めざせ一等賞(公式ページより)
2.感想
★★Very Good!! 6歳から遊べるトリックテイク!
トリックテイキングと呼ばれるタイプのカードゲームです。
百円均一ショップのダイソーにて、何と税込110円で販売しています。
トリックテイキングはトランプで遊ぶ「ナポレオン」「ハーツ」などが有名ですが「ルールがよくわからん」「ルールは理解したが何すれば勝てるのかわからん」「何かミスって大敗したことだけはわかった(わからされた)」などの理由で苦手意識を持つ人も少なくありません。
そんなトリックテイキングを6歳から遊べるやさしいゲームとして作り直した手腕は見事。うちの未就学児も駆け引きはまだまだですが、ちゃんとルールを理解して遊ぶことができました(かなり気に入ったらしく、来客がある度に引っ張り出してきて遊ぼうとします。負けると泣くけど)。
【6歳でもわかるマストフォロー】
トリックテイキングのルールで最初につまずきやすいのが「マストフォロー」の概念だと思います。本作では「サンリオキャラがみんなで運動会をやる」というテーマを活かし、マストフォローの概念を6歳でもわかるように説明しています。どういうことかというと……
・最初にカードを出すプレイヤーが今回の競技を決める!
・二人目以降のプレイヤーは最初のプレイヤーが出したのと同じ種類の競技カードを出さなくちゃダメ!
・もし最初のプレイヤーと同じ種類の競技カードを持っていなかったら、他の競技カードを出してもいいけど失格になっちゃう!
ということ。「かけっこやるよー」って言ってるのに水泳やったらいくら早くても失格になっちゃうというのは、子供でも分かりやすいですよね。
【勝って嬉しい、負けても嬉しい】
さて、全員がカードを1枚ずつ出したら、その回の勝敗を決めます。最初のプレイヤーが出したのと同じ種類の競技カードの中で、一番大きな数字を出した人が一等賞ということで場のカードを総取り。獲得したカードは1枚につき1点になります。
じゃあ勝てなかったプレイヤーは? 場に公開されている「特別賞」カードを確認し、条件に合致していればそのカードをもらうことができます。特別賞の条件は「○○の競技で2位だったらもらえる」とか「一人だけ失格だったらもらえる」など色々。勝てばもちろん嬉しいけど、負けたときも「特別賞」をもらえるような負け方をすれば嬉しいというのが、わかりやすく、かつストレスの少ないゲームデザインになっていると思います。
ちなみに「特別賞」の中には1枚だけ「一回も一等賞にならなかったらもらえる」キティーちゃんのカードがあるのですが、このカードは10点とかなりの高得点となっています。しかし、このカードだけでは、一等賞を取り続けたプレイヤーに勝つことはできないのでしっかり他の「特別賞」を取って良く必要があります。この辺り、子供向けとは言え、しっかり勝ち筋を考える必要があるのも好感が持てます。
【やっぱりテーマが素晴らしい】
トリテとしては切り札なし3スートのマストフォローというさほど目新しいものではないのかも知れませんが、やっぱりテーマが良いと思います。前述のキティーちゃんのカードにはこう書いてあります。
「ひとりだけ勝負に1回も勝てなかった。でも陰の努力は人一倍だった!」
運動会だから勝ち負けはあるし、勝てばまっとうに点数が入っていく。でも、負けたって一生懸命がんばることが大事なんだよ。というメッセージを盛り込み、しかもゲームシステムの中にしっかり組み込んでいるわけです。こういうところも含めて「6歳から遊べるトリックテイク」として完成度が高いゲームだと思います。しかも、税込110円。しかも、カード品質が結構良い。ダイソーに行ったら是非手に取ってみてください。
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