第十二夜/ゲーム語り/『ロスバンディット』
1.ゲーム概要
デザイナー:ライナー・クニツィア
ゲーム種類:ダイスゲーム
プレイ時間:15分(著者実測:15分)
プレイ人数:2人
定価:絶版
「俺たちは荒野の無法者」
「奪えるものは何でも奪う」
「俺たちを縛る法はただひとつ」
「分け前決めるこのゲーム」
「その名も――」
「「ロスバンディット!!」」
2.感想
★★Very Good!!~バトルラインの影に隠れてしまった良作ダイスゲーム!
ロスバンディットは荒野の無法者がお宝の分け前を決めるための勝負をテーマにした対戦ダイスゲームです。と言っておいてなんですが、テーマとゲームの内容の関係はあまり強くないような気がします。
箱の中には4色各6個のサイコロと、布袋、それに1~3の数字が書かれた10枚の戦利品チップが入っています。
プレイヤーの目的は戦利品チップを集め、より早く10点以上の点数を得ることです。
はじめに戦利品チップを裏向きにしてよく混ぜてから、4枚を表向きにして、テーブルの中央に横並びに配置します。残りのチップは裏向きのまま取りやすい位置に。そして24個のサイコロすべてを袋の中にしまいます。これでセットアップは完了。簡単ですね。以後、先手番から交互に手番を行っていきます。
手番が回ってきたら、まずは袋から中を見ずに2個のサイコロ(先手番の第一手番のみ3個のサイコロ)を引いて、すぐに振ります。そして、振ったサイコロすべてを戦利品チップの手前に並べていきます。
各戦利品チップの手前には互いに3個までダイスを置くことができるのですが、その3個でポーカーのようにストレートやフラッシュといった役を作っていき、役の強さを競います。例えばスリーカード(スリーダイス)とストレートだったらスリーカードの方が強いので、スリーカードを作った側が勝ち、と言う風に。
と、第十一夜をお読みの方はもうお気づきのことと思いますが、ロスバンディットはバトルラインのダイスゲーム版とでもいうようなゲームです。ただし、役の内容や強弱は変わっていて、例えばフラッシュ役はありませんし、ストレートフラッシュよりも強い3フラッシュ(色と数字が同じサイコロを3つ揃える)という役があります。
バトルライン同様に、勝敗が明らかなことが証明できれば、相手の役が完成していなくとも、勝利宣言をしてチップを獲得することができます。例えば、相手側が二色のサイコロを置いているチップでストレートフラッシュが完成させたら、どうやっても相手は勝つことができないので勝利宣言をしてチップを獲得することができます。
チップが場からなくなったら、同じ場所に新たなチップを補充するとともに、そこに置いてあるサイコロを全て袋の中に戻します! これによって引けるサイコロの色が大きく変わってくることがあります。
さらにロスバンディットの面白い点として、自分の手番であれば好きなタイミングで敗北宣言をすることができるということがあります。この場合は、勝敗が明らかである必要はありません。
何故自ら敗北宣言を? と思われるかもしれませんが、重要なのは、それによって袋の中にサイコロが戻るということです。どうしても引いてきたい色があるから、袋からサイコロを引く前に敗北宣言をして袋の中にサイコロを戻すだとか、逆に相手が欲しい色のサイコロを引く確率を下げるために、手番終了直前に敗北宣言をして袋の中にサイコロを戻す、といったプレイがありえるわけです。戦利品チップは書いてある数字がそのまま点数になるので、基本的に1点のチップはあまりうまみがないのですが、この敗北宣言のルールによって1点のチップも活きてくるわけです。むしろ1点のチップに置くダイスの色と、敗北宣言のタイミングが勝敗を分けると言っても過言ではないほどに!
ロスバンディットは戦術カードのような派手な要素もなく、また、究極的にはサイコロ運の要素が大きいということもあってか、バトルラインよりも知名度の点でかなり差を付けられています。バトルラインと違ってテーマとゲームの内容がまったくかみ合ってないですしね……。
しかし、敗北宣言の使いどころなどバトルラインにはない面白さがあるのも確か。サイコロの引きや振りで一喜一憂できるシンプルな楽しみもあります。
どこかのメーカーでリメイクしてくれると良いんですけどね。できればもう少し小洒落たテーマで。
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