第七夜/ゲーム語り/『お邪魔者』
1.ゲーム概要
デザイナー:フレデリック・モヤーアセン
ゲーム種別:カードゲーム
プレイ時間:30分(筆者実測:45分)
プレイ人数:3~10人(筆者推奨:6~10人)
定 価:1,500円
♪おれたちゃドワーフ 仲間だぜ(金鉱はあっちだ!)
♪金塊掘ろうぜえんやこら(崩れるぞー!)
♪ともに振るおうつるはしを(お前のトロッコねーから!)
♪おれたちゃドワーフ 仲間だぜ((((一番稼ぐのはこの俺だ!!!))))
2.感想
★Good!~真のお邪魔ものは誰だ?!
本作は協力のゲームです。プレイヤーは正直もののドワーフとなって、鉱山を堀り進めていきます。首尾よく金鉱にたどり着けば、ボーナスを獲得することができます、その前に全員の手札が切れてしまったら、何も獲得できません。
しかしまた本作は裏切りのゲームでもあります。プレイヤーの中に採掘作業を妨害する悪いドワーフが少数紛れ込んでいるのです(金鉱の獲得に失敗した場合は、彼らだけがボーナスを獲得することになる)。
各プレイヤーが正直者ドワーフか悪いドワーフかどちらの陣営に属するかは最初に配られる役割カードによってランダムに決まります。カードの中身は非公開。誰が正直者で誰が悪いドワーフなのかわからない状態でゲームが進行します。
ここからは例によってゲームの流れを説明します。
はじめにテーブル上にスタート地点を示すスタートカードを置きます。さらにスタート地点からカード7枚分横にずらした辺りにゴールカードを裏向きに置き、その上下にも1枚分空けて、同じようにゴールカードを置きます。3枚のゴールカードのうち1枚だけが当たりで、あとははずれなのですが、最初はどれが当たりかわからないようになっています。。
役割カードを配って陣営が決まったら、さらに手札(通路カードとアクションカードを混ぜてよくきったもの)を4枚ずつ配ります。自分の番が来たら、手札から1枚選んで使うか、裏向きのまま捨てる。まだ山札があれば1枚補充して、左隣のプレイヤーに手番が移るというのが基本的な流れです。
手札のうち通路カードはスタート地点からつながるように配置していきます。スタート地点とゴール地点がつながれば、金鉱にたどり着いたことになり、正直者陣営の勝利となります。したがって、裏切り者陣営は十字路等の使いやすいカードを捨て札にし、タイミングを見計らって行き止まりのカード等で進路妨害をすることになるわけです。
手札のうちアクションカードと呼ばれるものの効果は様々です。ゴールカードのうちの1枚を密かに確認できるカード。配置済みの坑道を落盤によってキャンセルするカード。通路カードを出せなくするカードにそれをキャンセルするカード。いずれもうまく使うことで自分の陣営を有利にすることができる強力なカードです。
やってみてすぐわかるのですが、誰が悪いドワーフかはほぼ確実に特定されます。と言うか悪いドワーフと特定されるような行動をとらなければ必ず悪いドワーフ側が負けるようになっています。もちろん特定されればすぐに通路カードを出せないようにされてしまうわけで、悪いドワーフで勝つのは結構難しい。とりわけ、プレイヤー同士に「ある了解」がない場合には。
「ある了解」とは何か。このゲームは役割を変えて、3ラウンドにわたって遊ぶゲームであり、トータルでもっとも多くのボーナス(金塊)を確保しているプレイヤーの勝ちとなります。そしてここが重要なポイントですが、正直者陣営が勝利した場合には、ゴールにたどり着いたプレイヤーから1枚ずつ金塊カードを獲得していきます。金塊カードに描かれている金塊の数は1~3個とばらつきがあり、当然のことゴールを掘り当てたプレイヤーに一番うまみがあります(悪いドワーフ側は全員が均等にボーナスをもらえるのでそうした葛藤はありません)。
以上のことを了解していると、途端にゲームの質が変わってきます。たとえ正直者同士であっても、自分の左隣の者は「お邪魔もの」になり、正直者同士でのいがみあいやいやがらせが始まるというわけです。そこに悪いドワーフの勝機がでてくる。
遊んでつまらなかったことはありません。単純に正直者と悪いドワーフとでいがみ合いながら採掘しているだけでも充分に楽しいんですよ。印象としてはVery Good! どころかExcerent!ですらあります。しかししかし、しっかり勝敗を競うゲームとして遊ぶにはある程度リテラシーが必要であるし、では全員が3R通算の勝ち負けにこだわって遊んだ場合に、軽いパーティーゲームとして遊ぶよりも楽しめるかどうか。わたしは未だにその答えを出せていません。それ故のGood。でも、面白い。
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