第五夜/ゲーム語り/『5本のキュウリ』

1.ゲーム概要

アレンジ :フリーデマン・フリーゼ


ゲーム種別:カードゲーム

プレイ時間:25分(筆者実測:20分)

プレイ人数:2~6人(筆者推奨:5~6人)

定   価:1,800円


スカンジナビアに『アグルカ(キュウリ)』というトランプを使った伝統ゲームがあるそうです。Windowsにプリインストールされている『ハート』や『ナポレオン』と同じトリックテイク系のゲームですが、その中も抜群にシンプルで遊びやすいゲームのひとつと言えるでしょう。


『5本のキュウリ』は『アグルカ(キュウリ)』のカード構成、点数バランス、それに(主に色彩的な)アートワークをアレンジした素晴らしいカードゲームです。今宵もっとも多くのキュウリを穴という穴で食べる羽目になるのは一体誰なのでしょう……?


2.感想

Very Good!~カウンティング? 違うね。勝つために必要なのは勢いだ!~


箱を開けると、緑色のカードがたくさんとそれにキュウリを模した木のコマが入っています。きっとこのゲームを作った人は緑色が好きなんだろうなあ(名推理)。


カードの表面には1~15までの数字と、それにキュウリの絵(1のカードだけは『×2』)がかいてあります。各数字4枚ずつ計60枚で、スートはありません。


この60枚のカードをよく切って、プレイヤー全員に7枚ずつ配れば準備オーケー。

なので、このままゲームの内容について説明していきましょう。


基本的に時計回りにプレイヤーが手札から1枚選んで出していくゲームです。

全員が1枚ずつ出すのを1ラウンドとして、手札がなくなるまで計7ラウンドを1回の勝負とします。


各ラウンドの最初のプレイヤー(リードプレイヤー)は手札から好きなカードを出せますが、次の人からは出せるカードに以下のような制限がかかります。


(1)今出ているカードのうちもっとも数字が大きいカードと同じかそれよりも大きい数字のカードを出す

(2)((1)のカードが出せないか出したくない場合)自分が持っているカードの中でもっとも数字が小さいカードを出す(※ズルは駄目! 必ず手札の中で最小のカードを出しましょう!)


全員がカードを1枚ずつ出したら、もっとも数字が大きいカードを出した人(複数いる場合は後手番の人)が、次のラウンドのリードプレイヤーとなります。


このようにしてカードを出していき、最後に残った1枚も同じようにカードを出していくのですが……最終ラウンドでもっとも数字が大きいカードを出した人(もちろん複数いる場合は後手番の人です)は――その勝負に敗北します!


そして、敗北したプレイヤーは自分が出したカードに描いてあるのと同じだけ、キュウリ駒を引き取ります! 苦い! ちなみに最後のラウンドで出たカードの中に数字の1が含まれている場合は、2倍引き取ります! ちょう苦い!


要するに『5本のきゅうり』というのは7ラウンド目になるべく低い数字を残せるように何とかするゲームなわけです。しかし序盤から中盤にかけて大きい数字が出せないと小さい数字がゴリゴリ削られていきます。虎の子の15を出したものの、後手番プレイヤーに15をかぶせられて次のラウンドのリードを奪われてしまい、計画が狂うなんてこともザラです。わたし自身、残り2ラウンドで14と1を残していたら、リードプレイヤーに15を出されて、1を吐き出し、最終ラウンドで14を出す羽目になったことがあります。


これを繰り返していき、6本以上のキュウリを引き取った人はゲームから脱落します。正式なルールでは1人残して全員脱落するまで遊ぶのですが、わたしが遊ぶときは大体1人脱落した時点でのキュウリの本数で勝敗を決めています。


なんというかルールを文章で説明してもなかなか面白さが伝わりにくいゲームなのですが、おもしろいかおもしろくないかでいったら間違いなく面白いです。特に他のプレイヤーのカードを削るために大きいカードを出していくか、温存しておくかの考えるのが面白い。4枚も同じカードがある上、6人で遊んでも18枚も見えないカードがあるのでカウンティング(使用済みカードを記憶する行為)はそこまで効果的ではなく、だからこそその場の勢いでカードを出すことができるというのは、このゲームの大いなる魅力のひとつだと思います。


やったことはありませんが、何となくお酒を飲みながら遊んでみたら楽しそうなゲームだと思います。


3.補足

・カードを出すときは共通の捨て場に出すのではなく、自分の手元に出すといいでしょう。そうすることでそのラウンドの勝者がわかります。

・カードを出すルール(最大の場札以上を出す/最小の手札を出す)は意外と混乱しやすいのではじめて遊ぶときは実演するなどして丁寧に説明した方がよいでしょう。

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