第3話
帰りがけ、
なぜだかよくわからないけど落ち込んだ心を晴らすため、何か買おうとコンビニによった。
次々に新しいものが並ぶコンビニで、炭酸飲料とメロンパンを買った。レジに並ぶと、俺が並んだレジに、見たことがある顔が居た。
「小笠原さん…?」
クラスメイト、あのクールな小笠原結衣だった。
「小笠原さん、ここでバイトしてるの?」「平日だけ。…240円になります。」
話が止まる。こんなに、クールな人と話したことないから、難しい。
「えっと、また明日、学校で。」
「…ありがとうございました。」
言葉のキャッチボールって難しい。こういうときにそう感じる。また、少し落ち込んだ。
さっき買った炭酸飲料が、落ち込んだ心を少し明るくしてくれる。メロンパンは、甘くて俺の心を少し落ち着かせた。明日、あの声の主に会えたらいいな。そんなふうに思った。
翌日。
いつも通りの朝、いつも通り、波月が挨拶してくれる。そして、俺も。
「小笠原さん、おはよう。」
「…おはよう。」
なんとか挨拶は、返してくれたからよかった。
「昨日は、バイトお疲れ様。今日もバイト?」
「今日は、…ない。」
「そうなんだ。」
また、会話が止まる。やっぱり難しい。
でも、彼女と話せて少しだけ、仲良くなれた気がして嬉しかった。
その日の授業も終わって、放課後になった。
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