第2話

放課後。


図書館に来た。この学校の図書館は、大きい。4階にあって、めったに人が来ないらしいんだけど。まるで、迷路みたいだ。俺は、本が好きで中学の時もよく図書館に来ていた。本を探すことは、楽しいし、本の多さに圧倒される。探している本が見つからないときは、司書さんに聞いて、司書さんと仲良くなれる。それが好きなんだ。今日は、1時間くらい、ずっとこの図書館を探検していようと、そう決めた。


図書館に来てから30分くらいたっただろうか。ふと顔を上げて時計を見ようとしたそのとき。


あの声が、きこえた。


気のせいかもしれなかったが、俺は、走った。

屋上からきこえた気がして、走った。図書館は、4階。屋上までは、階段を上がってすぐだ。俺は走った。あの声に会いたくて。あの時の声に会おうと走った。

しかし、屋上に着いたとき、そこには、もう誰もいなかった。確かにきこえたあの声は、あの声の主は、いったいどこへ行ってしまったのだろうか。考えても考えてもわからない。


俺は、どうしようもなくなって、帰ることにした。



ただ、このとき確かにわかったことが一つある。

あの声の主は、この学校に居る。

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