第3話 露店にて

 近代的な宙港ターミナルとは打って変わって、ターミナル前の道路にはごちゃごちゃとした露店が立ち並ぶ。


 どの露店も粗末な日よけの屋根の下、無造作に置かれた木製の台に商品らしきものが山のように積まれている。


 売られているものは食品?がほとんどで、どぎつい色の果物や奇っ怪な姿の魚?が数多く並べられていた。


「そこの色めがねのにーさん、美味い魚は要らんかね?」

 ファルコンが並べられた品物をあちこち眺めていると、店主らしき現地人である背の高い馬人が見下ろすように声をかけてきた。


 辺境のせいか利用者がほとんどいなかったターミナルを出てからは、用心のためファルコンは大きめのゴーグルをかけ直し、中脚を戻して普人族の姿に戻っていた。


「来たばかりでここの通貨がなくて、Eチェックが使えるなら」


「ああいいよ。ところでにーさんは外星からの観光客かね?」


「まあ、そんなものだけど」


「それじゃあ今朝水揚げされたばかりのこいつがお勧めだ」


 てっきり果物と思い込んでいた黄色い塊を店主が咥えあげる。それは持ち上げられたことで、びちびちと暴れ始めていた。


「20ケントレスにまけとくよ」

店主が首元に取り付けられたマニピュレーターを用い馴染みのあるクレジット読み取り器で、ファルコンの左手を装った左前脚の腕輪をスキャンしながら言った。

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エージェント ファルコン いちごはニガテ @xxitigo

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