耳元で聴こえる心Ⅱ
すぐに言葉が出てこない
なんて言ったらいいのか
この時どんな言葉を口に出せばいいのか
必死になにか話そうと口を開いた瞬間に
『なんて、嘘ですよ~私はこの子と遊べれば満足です。』
猫を撫でながらそう答えるシオン
その眼はとても寂しそうでたまらなかった
「そんなの分からないだろ。」
シオンの手が止まる
「お前を守ると僕は誓ってる。何処に行こうが離れようが僕はシオンを助けるし、、『ベル姉様はいつもそう。』
僕の言葉が遮られた
『私の近くに居る時はほんの少しだけ、幸せしか分からない私にはそんな些細な時間でさえもとても寂しいし、辛いです…でも』
猫から離れこちらに歩いてくるシオン
僕の目の前で止まり僕の眼を見ながら言葉の続きを口にする
『こんな思いをさせてくれるのはベル姉様、貴方ただ一人だけ。だから私は嬉しいんです大好きな人がたった一つの感情を私に与えてくれるのが…幸せで。』
普段見えない紫色の瞳に殺されそうになる
僕がこうさせたのかそれとも…
『ふふ、なんて冗談ですよ。それよりもこの子名前付けたらどうですか?』
「野良猫に付けてどうするんだ…どうせまた違う子も来るっていうのに。」
『ベル姉様ホントに動物とかに好かれすぎなんですよ~』
シオンは多分
僕が見ていないといつか、ふとした時に
壊れてしまいそうで…だから僕が守るんだ
まだ心の声が聞こえるうちに
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