このすば世界・考察編05:バニル編

このすば世界・考察編


我らが公爵バニルさん


ウィズを語る上では欠かせませんね。


七大悪魔の第1席にて地獄の公爵バニル様。

魔王より強いと噂のバニルさんです。


魔王軍の幹部から始まり、ウィズ魔道具店のバイト、商店街のカラススレイヤー、ギルドを間借りした相談屋、チリメンドンヤの従者ハチベエ、喫茶店の用心棒。


この作品の中で、随一にクラスチェンジしまくってるキャラクターなんじゃないでしょうか?


他に転職してるのってウィズくらいしかいませんよね?アークウィザードからリッチーなので、どちらかと言えば転生に近いのでしょうが。


カズマさんもツンデレですが、バニルさんも相当なツンデレだと思ってます。


サキュバス喫茶が襲われた時も、初めはツンツンしてましたが、最終的にはデレました。


ウィズに対してもです。アレだけ稼いだお金を紙屑の如く消費されても、なんだかんだで放って置けない友人なんだとか。500年以上は生きた悪魔にしか興味を持たないバニルさんの、友人です。

ウィズとは逆に、儲けさせてもらっているカズマですら、唯の取引相手だというのにです。

40年弱は、彼にとっては生まれたてで、ロリっ娘に相当するそうです。



これまで出てきた悪魔の中でも、彼だけはかなり特殊ですね。人に対して直接的な危害は殆ど加えない。ハチベエの時くらいですか。まぁ、命は奪ってないのでノーカンです。要介護老人?みたいなウィズの面倒も見ています。


サキュバス達も人には危害を加えないですが…しかし、彼女達は人間との共存を謳っているといっても、唯の慈善事業でやっているわけでも無さそうです。


何故か。

安楽王女の存在から予測できます。


サキュバス達が求めているのは性欲という感情です。

性欲が衰え、精気が少ない老人なんかはお客にはならないのでしょう。

仮にも悪魔である彼女達は、人間との共存を謳っているため、手にかけることはしないけど、死を看取るまで面倒をみるということもしなさそうです。

サキュバス達は孤独な老人を躊躇なく見捨てることでしょう。

しつこい客は、チャームによって無理やり操ることでしょう。



その結果。

魔王がしばかれた、このすば世界の近い未来では。

各所で孤独死する、引退した冒険者達が大発生します。


呪術による医療が発達し、病気も意外と簡単に治るといわれる、このすば世界。

ケガもプリーストがいれば簡単に治りますし。


魔王がいなくなり、デストロイヤーもいなくなり。

平和になった異世界は。

各所で子作りブームだなんだといいつつも。

冒険者で成り立っていた国々や都市は、もうどうしようも無くなっていると思います。


安楽王女もいなくなり。

引退した冒険者が間借りしていた住居では変わり果てた姿の死骸が横たわり。

金儲け目的のエリス教のプリーストは、限られた場所にしか赴かなくなり。

縁起の悪い所には住みたくないと、空き部屋の建物がわんさか増える。

いつしかそこには悪霊が住み着いて…


こんな感じで、魔王がしばかれた後も、プリーストが必要とされるクエスト依頼は増え続けますが。


ミスリル装備なんて誰しもが手に入るものでも無さそうですし。

プリーストは元々、希少な素質で数が少ないです。

更に言えば、信者の数が非常に多い、エリス教の神官は力が弱いうえにお金に汚いようですし。


アクシズ教はアクシズ教で、絶対数がとっても少ないです。


こんな時に、各地の領主はどうするでしょうか?

デストロイヤーは居なくなったので、安心して街を拡げると思います。

それはものすごい勢いで。

しかし、土地を拡げるのにも限界がある。


モンスターの生息地を小さくしすぎてはいけないのです。

彼らの数も、調整するのが冒険者ギルドのお仕事です。


特にアクセルの街なんかは畜産があまり盛んではありません。

魚の輸送網も発達しているようですが…基本は地産地消です。食肉関係は殆どカエルに依存しているでしょう。彼らの生息地を潰すわけにはいきません。


土地は広げたいのに、限界がある。

空き部屋のある建物を潰すにしても、各所にバラバラにあるもんだから、大きな牧場へと転用することもままならず…


街と街との間で、あるいは国と国との間で。土地の境界などで人々が争うようになる。


そんな未来も、見通せる。


あくまで可能性の一つです。

何かが起きれば変えられるハズ。

そう、例えば新大陸の発見だとか。


かつては現役で、今は引退した冒険者も。

これから冒険者を目指す若人も。

探究心に火がつけられて、みんなが纏めて駆けつける。


そういう未来があってもいいかもしれません。



さて。

バニルさんの能力について軽く考察してみましょう。


a. 見通す力

対象の過去や未来や現在を見通す力。

基本的には、自らに比肩する力を持つ対象は見通せないようです。

それができたら、ウィズの仕入れも防ぐことができるハズです。

スピンオフの最後では、何故か友人との再会を予知してましたが。


あとは、神々やその関係者を見通すことは難しいようです。

何故か、邪神であるはずの、ちょむすけの現状は見通せるようですが。

ちょむすけには、一体なにが起きたのでしょうか?


b. 殺人光線

放つためには何やら構えがあるようです。

アニメでは星を跨ぐ超人一族の必殺技の構えをしていました。

光線とは言っても、当たれば焦げるし、ビリビリエフェクトだったので、恐らくは雷の力なのでしょう。

まぁ、真空中の電子の速度と光の速度は同じだといいますので。光線という表現も、あながち間違いではないのかもしれません。


また、一般人は死ぬとは言っても、ある程度の魔法防御や筋肉があれば耐えられるようです。


c. バニル式格闘術&憑依

ハチベエのときに見せてくれました。

ダクネスの身体を乗っ取った時も、よく動いていたようです。

あれは悪魔憑き扱いなのかな。


あの時のアクアは本当に危なかった。

神聖属性への抵抗性もあり、強力な物理的な干渉能力も保有する。

扱うスキルは異なりますが、神官経由のリッチーと同等ですね。

ダクネスはアクアを女神とは信じていませんでしたし、カズマが助けなければ、本当に詰んでいたんじゃないでしょうか?


ウォルバク戦もヤバかったですが…まぁ、神々同士の争いですし。実はドッコイドッコイだったんじゃないでしょうか?


d. バニル自身の、その立ち位置

見通す力の能力もそうですが。

ウィズと異なり、現在のアクセルに来る直前まで魔王城に滞在していた元・魔王軍の幹部です。

情報源としては、これ以上ないくらい超貴重な存在です。

しかし。

幹部が来ている紅魔の里や、ウォルバク討伐に赴くカズマ達に対しては、有用な情報を与える素振りを見せません。

…シルビアの時は名前がわかりませんでしたし、ウォルバクの時はゼル帝を預けに来たのがアクアだったのも理由の一つかもしれませんが。しかし、カズマがそれを思いつかない筈がありません。冒険者ギルドで情報収集する、彼がです。

最前線の砦に赴く時は、ダイナマイトを製作する時間もありました。お金もあります。真っ先に幹部の情報を聞き出そうとした筈です。

当時に残る幹部は4人です。ウィズを除けばたったの3人。爆裂魔法という切り札があるにせよ、ベルディアのように一撃で葬り去ることが出来ない可能性だってあった筈です。

しかし、要塞に辿り着くまではその能力を知りませんでした。

バニルは教えてくれなかったのでしょう。

恐らく。今のバニルはウィズと完全に同じ立場なのです。


中立。


結界の維持に関与してないけど、中立なのです。

魔王に対する義理もあるのでしょうが、彼らの情報を取引材料として扱うことはしていないようです。


何故か。

おそらく、今のバニルはウィズの従者なのです。別の言い方をすれば、バニルの主人はウィズなんです。

バニルがウィズを呼ぶときは、ほぼ必ずナントカ店主と呼びかけます。主なんです。

たまに、汝と呼びかけますが…我が二次創作では、オヌシ、と呼ばせております。

漢字の文化がないとはいえ、放って置けない友人を、ミズのオンナとは呼びたくないのではないのでしょうか?

…今はよく涙目になる、氷の魔女に対してはぴったりなのかもしれませんが。


まぁ、そんなんだから。ウィズの立場に付き従って、魔王軍と人類の対立に関しては、限定的ながらも中立の立場を貫いてるのでしょう。


だから、カズマ達には情報を与えない。

それさえあれば、かなりのバランスブレイカーなんですけどね。


この先、ベルゼルグ王国が攻勢に出るようですが。

バニルの存在をどう利用するのでしょう?

ウィズの立場も、気になります。

魔王軍幹部のリッチーということはバレるのでしょうか?

…まぁ、アイリスを1日限定ながらも我が小さな主と付き従ったのだから。たぶん大丈夫…だとは、思いますが…



web連載時とは、もう既にかなり状況が異なります。いや、全くもって、違います。

いつ矛盾が生じてもおかしくない。


今度のDVD特典付きの新刊で、どうなるのか?

恐々と期待しております。


場合によってはエタるかも。


e. バニルの正体

ここから先は、蛇足です。

何処ぞで纏められている、このすば考察記事において。

エリスは悪魔と似たような方法で、クリスとして現界しているとありました。

器を用意して、偽名を使って現界する。


そう。この世界の冒険者は、己のカード上に経歴などが明らかとされますが。名前を偽ることが出来るんです。

他にも例があります。ダストです。


バニルによれば、ダストには他の本当の名前があるようです。

そして、バニル自身も。もしかしたら、偽名かもしれません。


バニルの正体は…以下の二つの候補が挙げられていますね。

1. ルシファー

2. バエル


個人的にはバエル説を推してます。


かつては信託を授ける、嵐と慈雨を司る土地神で。

雷を放つ槌を2振り携えた神々の主神。

信仰する民を失ってからは悪魔へと貶められ。

蝿の王という、残機を無限に持っていそうな、そんな悪魔の王様です。

七つの大罪にも暴食として位置付けられてます。

悪感情を常に食べ続ける彼の性質とも一致しております。

蝿の羽音って結構うるさいですし。

名前もよく似てます。


バアルは、好色を司る悪魔にもなってるという説がありますね。

その場合は、変身脱皮が出来ることや、サキュバス達に人気なのも頷けます。ウィズとアイリスとでホイホイ主人をコロコロ変えるのも似合ってますね。


ルシファー説は…光線を放つくらいしか、共通項目がないんですよね。

人間を完全に見下してますし。


バニルさんも傲慢ですけど…他人を認める許容は持ってます。ウィズはその筆頭ですね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る