第12話

東京に引っ越した。新しい住居は、旧首相官邸付近にあるマンションだった。新しい住人には俺たち6人の他に杉山さんと安部さんもいる。


「しっかし、広いな。3軒分はある。8人で暮らしてもまだ余裕があるぞ」


俺は新居を見てそう呟いた。そして森さんがやって来た。


「やっと引っ越しが完了したか。ところで清原くん、杉山さん、安部さん、3人に話がある」


3人は森さんに言われ、官邸跡地であるテントに向かった。テントには世代がバラバラだが、3人と森さんを除いたら15人程度の男女がいた。森さんの話だと、このテントを首相官邸に使い、テントにいる人は新政府の閣僚になる人だという。


「3人には閣僚として新政府に携わってほしい。私は外務大臣を務める予定だ」


森さんは3人にこう言った。


清原「なんで僕たちが大臣になるんですか?」


杉山「政治について右も左もわからない若者に大臣って・・・」


安部「そうですよ。大臣なんて政治家の生き残りでやればいいじゃないですか?」


3人は立て続けにそう言う。そして森さんは、


「人材不足なんだよ。それに君たち3人は、若者世代の象徴になる人間だからな。それに清原くんは子作りをたくさんしなければいけない人間だからな」


と言ってきた。そして、


「3人の役割は近々発表される。3人とも大したポジションではないと思う。そして新政府は年内に発足する予定だ」


と言われ、マンションに戻った。そして、


「俺たち、子供作ろう。今すぐでなくてもいいんだがな」


と俺は7人に言った。そして7人は、


「・・・そうだね。子供作りましょう」


と言ってくれた。




9月下旬、3人は新政府の閣僚が正式に決まったため仮の官邸に向かった。10月1日から新政府が暫定的に発足するという。そして俺たちは、政府関係者から各閣僚に閣僚名簿が書かれた紙を渡された。そして、




「内閣総理大臣 清原幸一」


「内閣官房長官 杉山香澄」


「子作り担当大臣 安部茜」




俺はその書かれた紙の内容に驚愕した。


「なんで俺が総理大臣なんですか!」


俺は政府関係者にこう言う。すると、


「自分から総理を引き受けるという人がおらず、他の閣僚が総理大臣をこぞって辞退しましたので、自動的に清原さんになりました」


と言う。そして、


「まぁ清原くん、総理の仕事頼むよ。細かいことは他の大臣や役人がやるとはいえ、あらゆる役割の最終決定権は君が握っているんだから。まずは新憲法の制定だな」


と森さんが言い、


「清原くんと私は一心同体だね。頼みますよ、総理」


と杉山さんは言う。そして、


「私は子作り担当大臣だから、幸一と子供作っちゃおうかな~」


と安部さんは言う。




10月1日、俺は正式に総理大臣となった。しばらくは暫定政府だが、新憲法を制定し、公布・施行されたら正式に新政府となるという。正式に新政府になるまでおそらく1年半はかかるらしい。そして、俺の住むマンションから官邸までは車の送迎があるが、5分もかからないため、公邸に住まなくていいという。


こうして俺は、早速7人との子作り計画と新憲法の構想を練ることになった。

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