第10話
「突然の話ですみませんが、清原幸一さんですよね?」
「秋山有紗さんと大久保綾乃ちゃんをご存知ですか?」
俺と歳が近いであろう2人組の女の子がテントの中に入ってきた。
「確かにそうだけど、とりあえず名前を教えて」
俺は2人に問う。
「
まず黒髪で髪の長さは腰のあたりまで、背はやや高い女の子が言った。
「
そして黒髪で髪の長さは肩甲骨のあたりまで、背はやや低い女の子が言う。
「2人とも同い年か・・・で、何の用だ?」
俺は2人にこう言った。すると、
「私たちここで清原くんと寝ようと思って・・・」
杉山さんが言ってきた。
「・・・杉山さん、ふざけないで。安部さんも何か言って」
俺の一言に安部さんは、
「私もそのつもりで来たのに・・・」
と言ってきた。仕方ないな・・・
「とりあえず話だけは聞きたい。2人は有紗さんや綾乃ちゃんとどういう関係なの?」
俺の質問に杉山さんが言ってきた。
「私と茜、有紗さんと綾乃ちゃんは4人でアイドル組んでいたの。年長の有紗さんがリーダーだったわ。デビューしたのは5年くらい前だったかな、当時は綾乃ちゃんも小学生だったのよ。でも大戦中だったから大した活動ができなかった。そして大戦が終わったらすぐにウイルスが発生。そして去年、有紗さんと綾乃ちゃんが感染してしまっての。2人とも生還したけど結局、もうみんなアイドルやるどころではなくなって解散したわ」
俺は杉山さんの話を聞くと、杉山さんからそのアイドルグループの曲とテレビ番組が入っているというiPadを貰った。そして安部さんは、
「まぁ全員芸名で活動してたから今まで気がつかなくても仕方なかったけどね。でも有紗さんと綾乃ちゃんが無事でよかった。今は2人とも清原くんのところにいるんでしょ?」
と言った。
「うん。もっとも俺が2人と知り合ったのは1ヶ月くらい前だけどね。どうやら半年以上前に向こうで3人組と知り合ってそのまま共同生活を始めたらしいよ」
という俺の話に、
「上手くいってそうでよかった・・・」
と安部さんは言った。すると杉山さんが、
「ところで清原くんは、ウイルスに感染していないんだよね?」
と言った。そして俺は、
「そうだけど・・・はっ!」
俺はあることに気がついた。
「ん、どうしたの?でもウイルスに感染していない男性は子供作れるんだよね?だから・・・」
杉山さんがこんなことを言って上着を脱いだ。それと同時に安部さんも上着を脱ぐ。
「清原くん、私と子供を作ってください!」
下着姿の2人が揃って俺に言う。
「今は子供作る気ねーぞ!つーかもう寝ろ」
俺は2人にこう言って眠りについた。
そして翌朝、2人は下着姿のままテントの中で眠っていた。2人用のテントに3人で寝たのだから少し狭く感じた。
・・・しかし結局何も起きなかったな。ほどなくして2人が目を覚ます。
杉山「清原くん、おはよ~」
安部「清原くん、私たちの服どこだっけ?」
下着姿で目覚めた2人に、「いいから早く着替えろ!」と言った。
2人が着替えを終えると、3人は朝食を取るため食堂へ向かった。食堂では朝食を取りながら色々話をした。現在、2人は現在このキャンプ場で生活していること、そしてこのキャンプ場では20人ほどが生活していることなどがわかった。そして朝食を食べ終えると、2人とは別れた。
杉山「清原くん、
安部「有紗さんと綾乃ちゃんをよろしくね~」
こうして俺は東京を後にした。
名古屋駅に戻ったのは昼頃だった。そこからタクシーを借り、およそ1時間かけて俺たち6人の住む家に戻る。家に着いた時、5人はまだ外出中で全員不在だった。
夕方になり5人が揃って帰ってきた。今日は釣りで海の方に行ってたらしい。魚が大漁に取れたと優奈さんが自慢している。
やはり今日の夕食のメインは魚だった。夕食の時有紗さんから、
「今日、東京で香澄と茜と会ってきたの?」
と言われた。すると俺は、
「ええ、会ってきましたよ」
と言った。そして綾乃ちゃんも、
「香澄さんと茜さん、元気にしてましたか?」
と言った。これに対し俺は、
「ああ、元気だったよ」
と言った。すると綾乃ちゃんは、
「元気そうでよかったです・・・」
と言った。綾乃ちゃんの笑顔、可愛いなぁ・・・
夕食後は5人が順番に風呂に入り、その間俺は夕食の後片付けや乾いた洗濯物の取り出しをした。5人が全員風呂から上がると俺も風呂に入る。そして風呂から出た俺はすぐに寝室に入り眠りについた。
名古屋で女5人との共同生活を始めて1ヶ月、こういう日常がいつまでも続いたらいいのに・・・と眠る前にふと俺は思った。
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