第6話
「私たちは元々住んでいるところがみんな違っていたの。私と和恵ちゃんとカレンちゃんは元から名古屋市内に住んでたけど、住んでいる地域はバラバラだった。有紗と綾乃ちゃんに至っては東京に住んでいたからね。清原くん同様、みんな戦争やウイルスで家族親族全員亡くしたのよ。5人が集まるまではみんな各自で暮らしていたわ」
俺は優奈さんの話を聞き、一瞬息を止めた。
「それで、どのようにして5人は集まったんですか?」
俺は5人に訪ねる。そして綾乃ちゃんがこう言った。
「私と有紗さんは半年以上前、東京から名古屋に売り飛ばされたんです」
「つまりそれって人身売買ってこと?」
「そうなりますね。私と有紗さんはウイルスに感染しながら完治したんです。しばらくはウイルス患者の施設で生活していたんですけど、男数人の集団に連れ去られて・・・そしてウイルスの生存者、特に女の子は相当のレートで取引されているんです」
なるほど・・・そして有紗さんが、
「私と綾乃ちゃんは名古屋へ向かう車の途中で取引主に襲われそうになって、身の危険を感じたの。そして名古屋に着いた日の深夜、その取引先から脱走したのよ。でもすぐ路頭に迷った。そしてたまたま優奈さんたちと出会ったわけなの」
と言った。そして俺は、
「で、優奈さんたち3人はどうやって知り合ったんですか?」
と言う。すると優奈さんは、
「私と和恵ちゃんとカレンちゃんが?そうね・・・1年近く前かな、ウイルス患者の施設で出会ったの。私たちもウイルスに感染しながら完治した。でも他の患者はもちろん、それどころか治療した医者も感染してそのまま亡くなってしまったの。で、結局その施設には3人しかいなくなった。しばらくはその施設でなんとか生活してたんだけど、昨年の末に施設の備蓄がとうとうなくなって・・・」
「そうだったんですね・・・」
俺はこう漏らした。そして、優奈さんは最後にこう言った。
「結局は路頭に迷った2グループが偶然出会ってそのままここで共同生活することに至ったわけなのよ」
夕食が終わると、5人は順番に風呂に入った。そして5人全員が風呂から出ると、そのまま就寝の時間となった。
そして翌日、俺は朝からプールの水を張る作業をした。他の5人はそれぞれ畑仕事や食料品を取りに行っている。
今日の作業は、昨日綺麗にした水を一気にプールの水槽へ流すという作業だ。そして午後になり、プールの水が張り終わった。すると俺は水着に着替え、プールの水に入る。冷たいが丁度いい感じだ。
夕方になりまず俺が帰宅、そして5人も相次いで帰宅した。帰宅するとすぐ俺は風呂の準備を、そして5人は夕食の準備を行う。俺が風呂から上がると、そのまま夕食の時間だ。夕食が終わると5人が順番に風呂に入り、俺は夕食の後片付けを行う。そして夕食の後片付けが終わると俺は自由時間となり、しばらくすると5人全員が風呂から出た。これで共同生活4日目が終わり、プールオープンの日を迎える。
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