第6話

ありとあらゆる方法を試してみた。

そんなある日、壁に触れることに成功した。


「ここが境目・・」



いつかの僕の親のように指を滑らせてみた。

君に愛など感じない、もう感じれないと言ったほうが良いだろう。


君は何度も僕に綺麗だと言った。

なのに最後は汚くしていった。

結局は君の気まぐれで生まれてしまった失敗作だったんだ。

君は僕に何を求めたかったのか、僕はそれを知りたい。



あわよくば




あわよくばだからこれを聞いている人間は聞き流してほしい。






「・・人間になって君と笑いあいたかったんだ」






















僕からこぼれた水は、僕の世界を明るくした。


君と話して、いろいろ知った。

常識だのなんだのを知っていった。

いなくなった後も僕なりに色々知っていこうとしたし、身にもなった。

人間に近づけたと思う。




君の居る世界に、僕は前より少しは近づけたのかな。






誰かの目に留まって


誰かを喜ばすことができて


誰かを








悠君を笑顔にできるのかな。

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