第2話 『奪われた記憶』
(一体どうしてこうなった)
昨日俺はあのアヴァロンのメンバー2人に拉致?された。まぁ拉致といってもまだ何もされていないが、そう今はまだ。
因みに俺は今どこにいるかというと、世界最強の魔術師団アヴァロンの本部にしてその中枢、本部の佇まいから監獄城と呼ばれる城の所謂玉座の間にいる。それだけならまだしも、いや決して良くないが、今現在俺はアヴァロンのメンバー24名全員に四方八方囲まれている。
「はぁぁ」
本日6回目のため息をついた時、1人の秘書風の男性メンバーが口を開いた。
「本当に彼があの時の少年なのですか?私には到底そうは思えません。あのときの魔力も全く感じ無い。一般人なのでは?」
「いや、間違えなどではない。彼は紛れもなくあの時"彼ら"から託された子供だ。それにあの瞳を見ろ。母親にそっくりではないか」
(大虐殺?俺は親に捨てられ、倒れていた所を孤児院に拾われたんじゃないのか?それに彼らから託された?瞳が母親にそっくり?一体何を言ってるんだこの人達。一体俺の何を知ってるんだ)
再び困惑してきた。しかしそれを察したのかリリスと呼ばれる女性が話しかけてきた。
「そんなに強張らなくてもい。私達は君を助ける事はあっても危害を加えるつもりはない」
「助けるってどういう事ですか?というか何で俺がアヴァロンへの入団を命じられ、こんな所に連れてこられたんですか?貴方々は俺の何を知ってるんですか?」
今自分が気になってることを全て聞いた。そうでなくては納得がいくわけがない。何故なら魔導学院で最低の成績の自分がアヴァロンに入団など嘘としか思えなかった。
それだけでない、ここにきてアヴァロンのメンバーは何か自分について知っている、そんな事を知れば気になるに決まっている。
「そうだな、君にはそれを知る権利がある。8年間、本当にすまなかった。今この時をもって君の記憶の封印を解除しよう」
「記憶の封印?8年間以前の俺の記憶が無いのはそれが原因なのか?」
「あぁそうだ、色々と事情があって封印させてもらっていた。これから見るものによってその意味もわかるだろう。
そしてこれから見るものは8年前の大虐殺、あの忌々しい日の君と君の両親の記憶を見てもらう。おそらく正気ではいられないだろう。だが真実から目を逸らさないでほしい。そして真実を知った時、どうか我らに力を貸してほしい」
「力を貸すって」
「その答えは後で構わない、今は君に記憶を返そう」
そういうとリリスは右手にはめていた手袋を外し、純白の指先をレヴィの額に当てた。
「汝が封印今こそ解こう。我が名はリリス・クロムウェル。契約に則り、レヴィ・グラムもとい
真名レヴィ・エリュシオンの封印の解放を告げる。
封印解除ブレイク・シール!」
その瞬間レヴィの視界は暗く閉ざされた。
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