第29話 魔法庁の実力行使
色々とゴタゴタしていたが、ようやく通常モードに戻った。いつも通り中庭でレオンとのんびりしていた。天気は晴れ、そろそろ夏も終わる気配を見せてはいるが、気温はまだまだ十分高い。ジリジリ焼け付くような日差しがないので心地いい。
「ねぇ、レオン」
私は彼に声を掛けた。
「ん? どうしたの?」
彼は不思議そうに聞いて来た。
「ずっと気になっていたんだけど……なんで、私があなたの膝に頭を乗せていなきゃならないわけ?」
そう、私は今レオンに膝枕されているのだ。2人掛けのベンチで私は上半身を折り曲げるようにしているのだが、これが結構キツい……。
「イライザとこの頃全然逢っていないから、ずっと我慢していた分」
……やれやれ、全く。
「いつまでこうやっていても、私に取っては『手の掛かる弟』よ」
レオンは小さく笑った。
「まーたまた、そういうひねたところも、イライザのいいところなんだよね」
……こやつ、生意気な返し技を覚えたな。
まあいいや。体は痛いけど、こうしているとなぜか落ち着いてしまう自分を殴りたい。
「あーあ、イライザはいつ僕の婚約者になってくれるのかなぁ……」
……悩め死ぬほど悩め泣くほど悩め!!
「こうやって付き合っているのと結婚は別の話よ。よーく考えてみなさい」
私はそう言って目を閉じた。爽やかな風に吹かれてそのまま寝そうになったのだが、不穏な空気を感じて飛び起きた。
「レオン!!」
声を上げ私は飛び起きた。レオンもベンチから弾けるように立ち上がり、そっと短剣を抜いている。
私たちは黒づくめに囲まれていた。人数は5人。直前まで気がつかなかったところからして、かなり魔法の使い手とみた。
「……イライザ・レオパルト。一緒に来てもらおうか。断ればそこの男の命と学校を奪う」
黒ずくめの1人がそう言った。押し殺してはいるが、それでも隠しきれない殺気をみるとこいつらは本気だ。私1人のために学校に被害が出たら困る。そして、レオンも……。
「イライザ、どうする?」
急に男の顔になったレオンにドキリとしたが、今はそれどころではない。
「あなたが勝てる相手じゃないわよ。そのくらい見抜きなさい」
私はレオンに言いながら、内心は冷や汗をかいていた。私ですら勝てるかどうか……。「……分かったわ。その代わり、レオンと学校には一切なにもしない事。破ったら……分かっているわね?」
私はなるべく冷たい声でそう言った。
「分かっている。こちらも不用意な流血は好まない」
私の正面にいる黒ずくめがそう言った。
「じゃあ、とっとと行きましょう」
平静を装っているが実はドキドキものである。間違いない。相手は私より上手だ。私とて無敵なわけじゃない。
「じゃあ行くぞ。途中で逃げる素振りを見せたら……分かっているな?」
別の黒ずくめが飛び立ち、私も遅れて飛び上がった。レオンにキスしてから……。
こうして、私はまた非日常に戻ってしまったのだった。
私が連れて行かれたのは、大森林地帯にある小屋のような建物だった。学校からは徒歩で2時間以上掛かるだろう。小屋に乱暴に押し込まれ、外から鍵が掛けられる。
恐らく中からはドアが開けられないように、ドアノブを外し鍵穴まで潰されている。1つだけある窓には当たり前のように鉄格子だ。しかし、特に結界もかけられている様子もなく、脱出しようと思えば簡単に出来るのだが、今はそのタイミングではない。椅子すらない室内でウロウロする事しばし。鍵が開けられる音が聞こえ、見覚えのある顔が入って来た。
「いやぁ、久々だね。イライザ君」
声の主はいつぞやの魔法庁の役人だった。
「君のお陰で地方転勤になったよ。ぜひお礼がしたくてね」
すると、先ほどの黒ずくめ5人が部屋に入ってきた。
「ったく、あんたもしつこいわね。嫌われるわよ」
……よし、まだ軽口を返せる余裕はある。自分のコンディションチェックは基本である。
「嫌われても構わんさ。俺は元々こういう性格だ。じゃあ、せっかくだから楽しんでもらおうか……」
役人が言うが早く、素早く間合いを詰めてきた黒ずくめの男たちが私を殴り始めた。防御魔法を使う間もないなんて初めてだ。
……何者だこいつら。
ひとしきり殴られたあと、私はやっと痛みから開放された。
「どうだい。料理の味は?」
役人がニタニタ笑いながらそう言って来た。私は口の中の血を折れた歯と共に吐き出した。
「ふん、大した事ないわね。ヘボ調理人」
何とか軽口を返すと、今度は鉄パイプが飛んできた。
……ちょっと待て、それは真面目に死ねる!!
回復魔法も防御魔法も使う余裕がなく、5本の鉄パイプが容赦なく私を襲う。あまりの痛みに声も出せず、私は床に倒れてしまった。これは、さすがに死ぬかも……。
「今度はどうかね。少しは気に入って頂けたかな?」
役人が嫌み満点でそう言うが私は答えられない。それどころではない……。
あの役人をぶっ飛ばすのは簡単だが、問題は黒ずくめの連中である。覆面で顔ははっきり顔が分からないが、素人でない事は確かだ。私もそれなりの自信はあるが、1対5で戦えるほど甘い相手ではない。せめてレオンがいれば……と思ったりもしたが、彼には危険な思いをさせたくない。なぜかそう思う。
「じゃあ、今日はこの辺りで失礼するよ。ゆっくり休んでくれ」
床に横たわったまま、ドアから出て行く役人と黒ずくめを睨みつつ、私は回復魔法を自分に掛けたのだった。
翌日も私は殴打の嵐に晒されていた。こうやってなぶり殺しにされるなら、いっそひと思いにやって欲しいものだ。叩かれ過ぎてもはや痛みも感じない。妙に冷静なのはそのせいだ。
「さて、今日はこの辺で」
役人がドアを開けようとした時だった。いきなり外から蹴破られ、まずレオンが飛び込んできた。その後に続くのは、どっかで見たことのある鎧姿の騎士が突入。黒ずくめたちと激しい戦闘が始まった。魔法の応酬でボロ小屋ががあっという間に崩れさる。
「イライザ!!」
レオンが駆け寄ってきた。
「あ、あんまり見ないでね。こんなかっこ悪いところ見せたくないから」
痛みよりなにより、こんなボロボロな姿をレオンに見られるのが嫌だった。とにかく嫌だった。
「なに言ってるの。『飛行』の魔法が使える騎士を連れてきているから、すぐに学校の医務室に運ぶね」
レオンは騎士の1人を呼んだ。そのまま騎士様にお姫様抱っこですよ。これメチャクチャ恥ずかしい。騎士が呪文を唱えるとスムーズに空に舞い上がった。激しい戦闘が続く小屋周辺はあっという間に遠のいていく。
……まさか、レオンのヤツ戦ってないだろうな。
少し眠くなってきた私はそれだけが心配だった。
「いててて……」
いつの間にか寝ていたのか、私はそっとベッドから降りようとしたら、痛みが全身を駆け抜けた。そのお陰で、今自分が置かれている状況を察する事が出来た。ここは学校の医務室。私の体にはいくつもの細いケーブルがつけられ、それが正体不明の魔道機に繋がれている。
「おっ、起きたか。さっきまであんたの彼氏がいたんじゃがな。授業をサボったら怒られちゃうって言って慌てて出ていってしまったぞ」
そう言って魔法医の爺さんは笑い声を上げた。
……ったく、肝心な時にいない。それがレオンだ。
「それにしても、お前さんの頑丈さには驚いたぞ。普通は手遅れの状態だったのに、たった3日で起きるとは……」
……それ、褒めてる? けなしてる?
「まあ、頑丈なだけが取り柄なので……。そういえば、あれからどうなりました?」
聞く相手が違う事は承知で、私は魔法医に聞いた。
「それは彼氏に聞くべきじゃろう。まあ新聞でよければ……えーと」
魔法医の爺様は奥にいったん引っ込み、すぐに戻って来た・
「ほれ、2日前の朝刊じゃ」
魔法医は新聞を私に寄越した。点滴のチューブやら何やらが付いた右手で新聞を受け取り、それに目を通すと……
『本日未明。キリングドール郊外の大森林地帯で大規模戦闘が発生した模様。詳細は不明であるが、現職の魔法庁職員とセンチュリオン家の護衛団が関与していると思われ、魔法庁の職員がキリングドール魔法学校の学生1名を拉致監禁していたという未確認情報もあるが現在調査中である』
まあ、要約するとこんなところである。事件は新聞の1面トップになってしまった。
「その次の日も同じようなもんじゃ。詳しくは、彼氏に聞くといいだろう」
新聞を片付け、そのまま奥に引きこもってしまった。
……あー格好悪いわね。相手が手練れで5人いたとはいえ、ただボコられていたなんて恥ずかしい。せめて、攻撃魔法の1発でも撃ち込んでみた方が良かったわね。その時点で私の命があったかは別にして。
「あーあ、私も運が悪いのかいいのか……」
普段偉そうな事を言っている相手に、自分の弱いところを見せてしまったのだ。これが恥ずかしくないはずもない。レオンにどの面下げていいのか分からない。
「さて、次の休み時間まで、まだ時間があるわね……」
まずは現状確認ということで、簡単な魔法の1つ「鏡」の呪文を唱え、虚空に巨大な魔法の鏡を浮かべた。痛む体で無理矢理布団を剥いでそれで自分の様子を見ると……。
「あっちゃー、予想以上ね……」
服はぼろぼろ。顔はアザだらけでボコボコ。別に自分の顔に自信があったわけじゃないが、これは女の子としてさすがにショックである。動けるようになったら、あのクソ魔法庁野郎にお礼参りしなくては……。
「さて、それはともかく、次はコンディションチェック」
私は自分に「探査」の魔法を掛けた。虚空に浮かんだ「窓」には自分の体のあちこちに打撲や骨折がある事が見て取れる。こりゃ、治るまで時間が掛かりそうね……。
ここの医務室では最低限死なない程度の治療しかしてくれない。怪我は根性で治すがここのモット-ではあるが……。
「痛いものは痛い!!」
ただ自然治癒を待つのも癪なので、私は比較敵高度な結界魔法を使った。そして、同時に高度な回復魔法を使う。前にも述べたが、どんな回復魔法でも骨折までは治せない。しかし、治癒を早める事は出来る。結界で覆ったのはその効果を高めるため。打撲傷くらいはあっという間に治せる……のだが。
「いててて!!」
痛みで集中出来ない。結界は何とか持出来ているが、肝心の回復魔法が使えない。これでは魔力の無駄遣いである。私は結界を解いた。虚空に浮かべてた「窓」には「生命の危険あり」の文字が加わった。私にケーブルで繋がっている機械もアラームを鳴らし始める。 ……余計な事をするんじゃなかった、回復しようとして死んだら本末転倒である。
「また、余計な事やったじゃろう。大人しくしておれ」
魔法医がすっ飛んで来て回復魔法を掛け、私に釘をさした。へいへい……。その時、授業終了の鐘が鳴った。凄い足音がここまで聞こえる。
「イライザ!!」
今にも飛びつかんばかりの勢いでやってきたのは、他ならぬレオンだった。
「心配したよ。ずっと起きないから!!」
半泣きでレオンが言う。
「私は起たし多分無事よ。ベッドから起きるには、まだちょっと掛かりそうだけどね」
なんとなく罰が悪い思いで、私はレオンに言った。
「イライザをこんな目に遭わせた連中は、お父様が派遣してくれた警備団が殲滅したよ。あのいけ好かない魔法庁の役人は捕まえて、今は街の警備隊特製の檻にいれてある。本当は叩き殺したかったんだけど……」
一瞬真顔になりどす黒い空気を放つレオン。ちょっと怖い。しかし、レオンの冷静な対応は賞賛に値する。普通だったら許可がなくても殺してしまうだろう。そうしたら犯罪である。
「それにしても、まさかレオンが助けに来るとは思わなかったわ。最初に言ったけど、あなたじゃ勝ち目はなかったはずなのに……」
私は思いついた事をそのまま言ってしまった。すると、レオンの顔が怒り顔になる。
「あのねぇ、僕を何だと思ってるいるの。イライザがさらわれて、ただ黙っていると思った?」
レオンは笑った。なんかムカつく。なぜか分からないけど。
「イライザが強いのは知っているけど、少し僕を頼ってほしいな。命がけでもなんとかするから」
……男がいう台詞の基本ね。
「命がけだから言えないのよ。もしあなたが死んだら私はどうなるわけ?」
ため息交じりにレオンに言った。
「そ、それは……」
レオンは言葉に詰まってしまった。
「私が連中に素直に従って行ったのは、あなたと学校が天秤に掛けられたからよ。学校もそうだけど、レオンになにかあったら嫌だから……って、なに言ってるんだか」
私は自分で自分に突っ込みを入れてしまった。
……アホか。私は。
「と、とにかく、命がけ禁止、無理も禁止、死ぬのも禁止!!」
私が叫んだ瞬間、レオンがキスしてきた。
「僕は強くなるよ。イライザを守るために」
レオンは小さく笑みを浮かべた。
「なれるものならなってみなさい。私、これでも結構強いのよ。いててて……」
力こぶを作ろうとしたが、痛みに阻止された。色々台無しだ。
「無理しちゃだめだよ。魔法医の先生から聞いたけど、生きているのが不思議だって言うから……」
……それはまあ、その通り。それくらいは魔法を使わなくてもわかる。もしあのままだったら、私はなぶり殺しにされていただろう。
「救助に来てくれた事は感謝しているわ。でも、いくら護衛団を連れていたとはいえ、無茶過ぎる。体がまともなら多分殴ってるわよ」
すると、レオンが笑った。
「相変わらずだね。そこがイライザらしいよ。さすが」
……あとでブチのめす!!
私が言い返そうとしたとき、始業の鐘が鳴った。
「おっと、次の授業いかなきゃ。目が覚めて良かったよ」
それだけ言い残すと、レオンは去って行った。
「はぁ……。私のために強くなるか。まっ、期待しないでおきますか」
私は小さく笑った。しかしまあ、なんでこう医務室は白一色なんだろうなぁ。
そんな下らない事を考えつつ、私はゆっくり目を閉じたったのだ。
約1ヶ月後……
「ふふーん、ふっかーつ!!」
まだ痛みはあるが、普通に歩くには問題ない。私は中庭で1人叫んでみた。辺りから白い目が突き刺さる。でも気にしないのが私である。
「それにしても、レオン遅いわね……」
時刻は昼休み。そろそろ来るはずなのだが、全然やってくる気配がない。はて、どうしたのやら……。こういうときは「メモ帳」に限る。サラサラとページをめくり、レオンの居場所を捜す。
「ん? 裏庭?」
裏庭とは文字通り校舎裏の小さな庭で、なんとなくジメジメしているので近づく者はあまりいない。まさか、いじめられたりしていないだろうなぁ。私は「飛行」の魔法で裏庭に飛んだ。すると……。
「なにやってるんだか……」
レオンは地面に刺した張りぼて相手に、短剣でひたすら戦闘訓練をしている。
「何やってるのよ?」
私が地面に降り立つと、レオンはハッとしたような表情を浮かべた。
「イライザ、よくここが分かったね」
殺気だったレオンの表情がパッと笑顔に変わり、側に置いてあったタオルで顔の汗を拭った。
「そんな事より、昼休み返上でトレーニングなんていうスポ根は、今時流行らないわよ」
そう言って、私は手に持っていたサンドイッチ入りの紙袋をレオンに放った。そして、ショート・ソードを抜くと、素早く宙を舞う紙袋を細切れにする。
「まあ、このくらい出来たら『戦える』って言えるかな」
レオンはポカンと口を開けてしまっている。まあ、無理もない。私の本気をちょっとだけ見せたのはこれが初だからだ。自分で言うのもアレだが、いちおうオールラウンダーなので、魔法が使えなくなった時でも大丈夫なように訓練をしている。最終手段だけどね。
「イライザ、凄すぎ……」
ようやくレオンが声を出したが、この程度は戦えるなら当たり前である。
「あなたが戦い慣れていないせいよ。なんなら、稽古つけてあげようか?張りぼてよりは手応えあるわよ」
私は抜き身のままだったショート・ソードを構えた。レオンはそれより刀身が短い短剣だが、実戦ではそんな事は関係ない。
「えっ、真剣でやるの!?」
レオンが素っ頓狂な声を上げた。
「当たり前。木剣でやっても、いざっていうときに戦えないわよ!!」
言うが早く、私はレオンに斬りかかった。それを慌てて短剣で受け止めるレオン。
「イライザ、殺気が……」
私はなにも言わずに、さらに一太刀叩き込む。レオンがそれを受け止めると同時に、私は彼の体を蹴り飛ばして倒し、その胸に足を置いた。仰向けにひっくり返った彼の喉に件の切っ先をスレスレに当てる。はい、チェックメイトっと。
「全然ダメね。本気じゃなかったなんていうなら、このまま刺すわよ。私だってまだ本調子じゃないし、負けた理由にはならないわよ」
私は足と剣をレオンから離した。瞬間、レオンは飛び起き、雄叫びと共に斬りかかって来た。お互いに真剣での勝負。私はレオンの攻撃をただ受け止めているだけ。剣はめったに振ればいいというものではない。案の定、レオンの攻撃速度が遅くなってきた。スタミナ切れだ。
「ほらよっと……」
私はタイイングを見計らってレオンが持つ剣の横腹を思い切り叩いた。綺麗にすっ飛ぶレオンの剣。慌ててそれを拾おうとしたレオンだったが、私の剣がそれを遮る。
「はい、これまで。あなたは今日2回死んだわね」
私は嫌みったら敷く笑みを送ってやった。
「参ったよ。イライザ強すぎ……」
苦笑しながら彼は剣を拾いに行った。レオンが無防備に背中を向けた瞬間、私は袈裟懸けに剣を振った。彼が着ている制服の背中がばっさり切れている。しかし、出血はない。当たり前だ。そう切ったのだから……。レオンは剣を取ろうとした中途半端な姿勢で固まってしまった。
「はい3回目。相手が得物を引っ込めないうちは戦闘中だと思え……あれ?」
レオンは動かない。ガタガタ小刻みに震えながら顔面素白。そして、股間をビシャビシャに濡らしている。
……あーあ、漏らしたよ。そんなに怖かったのかなぁ。って当たり前か。
「レオン、返って来なさい。レーオン!!」
結局、全く帰ってこないレオンのために、私は彼のクラスから運動着を持ち出し、何とが着替えさせた。当然、パンツもびしょびしょだったがそれは無視。そこまで世話は焼けない。後は破けた場所を「修復」して「洗濯」すればいい。大サービスだ・
「じゃあね。レオン。情けないようで本当に情けない彼氏様」
わたしは彫像のようになっている彼にそっとキスした。
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