第13話「ダンジョン攻略とそれぞれの戦闘」
「本当にすまなかった、だから、機嫌直してくれないか?」
俺は今、ひたすらシルヴィアに謝り続けていた。
何故かって?俺の傷を抉らないで欲しいな……
「悪かった、今度何でもするから許してくれ」
そう言った直後、シルヴィアが少し反応した。
「本当に何でもですか?」
「ああ、俺に出来る範囲であればだが」
「…なら許します。その代わり、2度と忘れないで下さいね」
「約束する」
謝り続けて1時間。やっと許して貰った俺は、気を取り直して今後の方針について話し合うことにした。
「まずはこのダンジョンをクリアして、最深部の転移陣に乗る。そして、転移した位置から一番近い街で姫柊と綾辻には冒険者登録をしてもらう。ここまではいいか?」
「「「大丈夫」」」
「よし、それじゃあ2人のステータスを確認させてもらっていいか?」
姫柊 星来(女)
種族 人族
Lv 32
体力・・・6023/6023
魔力・・・5672/5672
攻撃力・・795
防御力・・604
スキル・・「火魔法Lv5」「光魔法Lv7」
称号・・・召喚されし者、勇者、魔の才、片思い
聖仗
聖仗と言う名の、ただ装飾が豪華なだけの杖。
攻撃力+90、魔力+120
綾辻 渚沙(女)
種族 人族
Lv35
体力・・・6437/6437
魔力・・・2486/2486
攻撃力・・894
防御力・・743
スキル・・「刀術Lv7」「槍術Lv6」
称号・・・勇者、召喚されし者、槍の才、片思い
鉄刀・鋼牙
ただただ頑丈な鉄の刀。
攻撃力+100
====================
「魔の才」
魔法の才能がある者に送られる称号。
魔法のレベルが上がりやすい。
「槍の才」
槍の才能がある者に送られる称号。
槍術レベルが上がりやすい。
「片思い」
片思いをしている者に送られる称号。
====================
「なんだよ最後の称号。好きなやつでもいんのか?」
2人のステータスを見ての第一声がこれである。
さすが超絶鈍感野郎だ。
「とにかく、姫柊は魔法の才能、綾辻は槍の才能がある訳だ。で、なんで綾辻は槍じゃなく刀を使ってるんだ?」
「私は剣道部だったしね。…………それに、あなたが使っている武器だもの(ボソッ)」
「最後なんか言ったか?」
「いいえ、何でもないわ」
「そうか。じゃあ今からダンジョンに入るが、その前に聞きたいことがある。お前達、俺の眷属になるk「「なる!!」」お、おう、分かった」
2人は即答した。
星来と渚沙は少し不安だったのだ。自分達の様に弱い者が慧の隣にいて良いのか、と。
元々レベルを上げて近づこうとは思っていた。しかし、やはり限界というものがある。それはいつか、必ず来るものだ。
そこに慧の鶴の一声である。これに乗らない理由が無い。
「じゃあいくぞ、
眷属化!」
星来と渚沙の体を白い光が包む。そして光が収まると、ステータスを見ながら嬉しそうにしている2人の姿があった。
姫柊 星来(女)
種族 人族
Lv 32
体力・・・64795/64795
魔力・・・49273/49273
攻撃力・・41507
防御力・・73096
スキル・・「炎魔法Lv6」「聖魔法Lv6」「合成魔法」
称号・・・召喚されし者、勇者、魔の才、片思い、慧の眷属
聖仗
聖仗と言う名の、ただ装飾が豪華なだけの杖。
攻撃力+90、魔力+120
綾辻 渚沙(女)
種族 人族
Lv35
体力・・・67534/67534
魔力・・・27640/27640
攻撃力・・90276
防御力・・78394
スキル・・「刀剣術Lv6」「神槍術Lv6」「身体強化」
称号・・・勇者、召喚されし者、槍の才、片思い、慧の眷属
鉄刀・鋼牙
ただただ頑丈な鉄の刀。
攻撃力+100
「それじゃあ武器も作っちまうか」
「
「神仗ケリュケイオン」
星来専用武器。星来以外扱うことが出来ない。
魔法威力増大と魔力消費量減少の効果を持つ。
攻撃力+3670、魔力+6790
「神槍ロンギヌス」
渚沙専用武器。渚沙以外扱うことが出来ない。
万物貫通の効果を持つ。
攻撃力+6430
「精霊仗フェアリーロウ」
シルヴィア専用武器。シルヴィア以外扱うことが出来ない。
精霊の力が借りやすくなり、精霊強化の効果を持つ。
攻撃力+4280、魔力+6610
「こんなモンだな」
「「いやいや!凄すぎるんだけど!?」」
「サトルですからねぇ」
「シルヴィ、それちょっと傷つくからな…」
「お2人も、これからサトルと一緒にいるなら慣れた方がいいですよ」
シルヴィが俺の話を聞いてくれない。これが反抗期というものなんだろうか……
「俺と一緒に来るやつに死んでもらっちゃ、寝覚めが悪いからな」
「照れてる。珍しいですね」
「とにかく行くぞ。さっさとしろ」
俺は赤くなっている顔を隠すように、ダンジョンの中へと入っていった。
その後ろを、シルヴィ達3人が苦笑しながら付いてきた。
ダンジョンの中は薄暗く、思っていたよりも広かった。
マップを使って確かめてみると、迷路状ではなく、大部屋の中にいるボスを倒さないと先には進めないようだ。
ダンジョンの難易度は、先に出来た方がたかいとされている。
ここは3番目のダンジョンなので、中ボスと言ってもそれなりの強さだろう。
「ここは大部屋の中のボスを倒さないと進めないらしい。それなりの強さだと思うが、姫柊と綾辻には1人で戦って貰う。どこまで強くなったのか試したいだろう?」
「そうだね、私もどれだけ強くなったのか気になるし」
「私も同じく」
「シルヴィはどうする?」
「そうですね……戦闘経験が無いので、サポートをお願いしてもいいですか?」
「分かった。順番は姫柊、綾辻、シルヴィの順でいいか?」
「「「はい」」」
その他諸々の確認をして、最初の部屋のドアを開けた。
中には人型の牛の頭を持った魔物がいた。そう、ミノタウロスだ。ランクはSだ。
ダンジョンと言えばこれ!!と聞いたことがあるが、本当だったようだ。
「それじゃあ姫柊、戦ってみてくれ。無いとは思うが、やばくなったら助けに入る」
「りょーかーい」
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星来SIDE
やばくなったら助けてくれると言われた。その事が嬉しくて、私は本気でわざと負けかけようかなと思った。
でも、負けるなんて不様は晒したくない。
「さてと、とりあえずやってみようかな」
ミノタウロスは斧を持っている。ハルバードと呼ばれる戦斧だ。
私は魔法使いなので接近戦は無理だ。なら、
「まずは牽制用の魔法を撃ってから、本命だよね」
「炎の槍よ、敵を穿て『
六つの炎で形成された槍が、ミノタウロスに向けて打ち出される。
ミノタウロスはそれを軽く避けると、戦斧を持っているにも関わらず、素早い動きでこちらとの距離を詰めてくる。
(結構早いね。だけど、もう本命が撃てるんだよね)
「聖なる炎よ、敵を燃やし滅せよ『
白い炎がミノタウロスに直撃する。
光魔法と聖魔法は魔物にとても相性が良い。しかし、その属性を使える者は少なく、更に他の属性と合成して使用しないと効果が無いので、限られた人しか使えない。
聖炎はミノタウロスを燃やし尽くした後消えた。
(これで大和田君に付いていける!)
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慧SIDE
(炎魔法と聖魔法の合成か。上手く出来てるな)
「お疲れ、姫柊。それじゃあ次の部屋に進もうか」
「次は私の番ね」
「ああ、頑張れよ」
そうしてエールを送った後、次の部屋に入った。
渚沙にエールを送った後、次の部屋に進んだ。
扉を開けると、中には黒と金が混じりあった毛並みの狼がいた。
魔物の名前は「
「じゃあ、後は任せた。好きに殺ってくれ」
「最後のが物騒な漢字になってる気がするけれど……頑張って来るわね」
そう言って、渚沙は「天災狼」と向き合う。
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渚沙SIDE
(さっき特徴を聞いた限りでは、スピードで翻弄して爪で倒しに来るって感じね。それなら……)
渚沙は身をかがめてロンギヌスを構える。そして、目を閉じる。
すると、それを好機だと思ったのか「天災狼」が最大加速で飛びかかってくる。
「グルゥゥゥ……ガアアア!!」
「綾辻流槍術、九頭〇閃」
槍の間合いに入った直後、渚沙は目を開け、怒涛の九連撃を放った。
綾辻流とは、槍を使って実現出来そうな技をアニメの中から探してきて、それを習得する流派である。
ちなみにさっきの技は、る〇剣に出てくる「おろ?」が口癖の人の技である。
本来は刀を使うのだが、突き技ならば槍でも実現可能だろう、という理由から綾辻流に追加されている。
「天災狼」は9箇所を同時に突かれ、物言わぬ骸となっていた。
(ふう、これで星来には負けてない事が証明できたわね)
渚沙は星来にライバル意識を抱いている。理由は恋する乙女故だ。
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慧SIDE
「いやぁ、まさかあの人の技をリアルで見ることが出来るとはな」
「サトル、あの技は有名なんですか?」
「そうだな、知っている人の中ではかなり有名だと思うぞ。それはそうと、次はシルヴィの番だ。準備は出来てるか?」
「はい、大丈夫です」
慧達は奥へと進む。そして、次の部屋の前に立っていた。
扉を開ける。中には真っ黒なローブを着たガイコツがいた。
「エルダーリッチ」だ。こいつは魔法耐性が高く、魔法職の人達には敬遠されやすい魔物だ。
特に戦闘のシーンで取り上げることは無かったので、端折らせてもらう。
ただ一つだけ言うことがあるとすれば、魔法耐性は魔法威力増大に負けるという事だ。
これで大体の想像はつくだろう。
つまり、入る→向かい合う→魔法を撃つ→即死、である。
その後は3人がレベル上げをして、特に問題もなく最後の部屋に入った。
中には真っ赤なドラゴンがいた。
そして慧が思ったことは
(この世界のドラゴンって、ダンジョンのボスをするのが流行ってんのか?)
である。
「1つ問おう。お前は赤竜皇か?」
『いかにも、我が主殿。この身が朽ち果てようと、貴方様に仕えることをここに誓いましょう』
「うん、まだ主にはなってないんだけどな。それで、俺の眷属になるってことで良いのか?」
『もちろんです。これから宜しくお願い致しますぞ』
「ああ、「眷属化」!」
ドライグ(♂)
種族 赤竜皇
Lv 80
体力・・・818735/818735
魔力・・・772864/772864
攻撃力・・764389
防御力・・604387
スキル・・「威圧」「竜魔法・赤」「爪術Lv8」
称号・・・赤の竜皇、慧の眷属
「なるほど、火力特化のステータスか。必要な時は呼ぶから、お前は好きに過ごしてくれ。但し、問題を起こすことは許さん」
『畏まりました、我が主殿』
なんだろう、♂の竜皇の方が言葉使いが丁寧な気がする。
いや、まだ決めつけるのは早いか。♀で会っているのはあのリリスだしなー。
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その頃リリスは
『ぶえっくしゅっ!!』
『どうしたのだ?』
『うーん、なんか馬鹿にされてる気がする』
『馬鹿なのは事実であろう』
レクスにトドメを刺されていた。
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「さて、これで全部クリアした訳だが、どこに飛ばされるのやら」
「楽しそうですね」
「そりゃあな。次の所には強い奴がいればいいんだが。それと姫柊と綾辻のギルド登録、ドライグの従魔登録もしないとな」
「どのランクになるのか楽しみね」
「お前達ならSSは軽く超えるだろ。さあ、転移陣に乗ってくれ。転移するぞ」
慧は魔力を流し込み、転移陣を起動させる。
辺りが真っ白になり、眩しさに目を瞑る。
暫くして目を開けると、そこにはケモミミが沢山いた。
(ケモミミ来たーーーー!!!)
慧は内心、かなりハイテンションになっていた。
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